カテゴリー「ふろくの花園」の42件の記事

2017年4月28日 (金)

ふろくの花園 56.少女とふろくの歳時記 ついにブレイク!?の春イベント

 4月も中旬を過ぎると、東京のソメイヨシノはすっかり葉桜に変わりましたが、花咲く季節はまだまだこれからが本番です。

 さて今年は春先から、パステルカラーでカラフルに彩られた「たまご」と「ウサギ」がデザインされたモノ、そして「イースター」という言葉をやたらと街で見かけたような気がします。
 いつも食べているお菓子のパッケージが「たまご」と「ウサギ」のデザインに変わっていたり、デパートやコンビニで「たまご」と「ウサギ」の形をしたスイーツが販売されたり、スーパーで卵料理のレシピを配っていたり、ホテルではイースターをテーマにしたスイーツビュッフェが開催されたり、人気アーティストの新曲がイースターソングだったり、東京ディズニーランドに「たまご」と「ウサギ」にちなんだ新キャラクターが誕生したりなど、秋の「ハロウィン」(50.少女とふろくの歳時記 私たちのハッピー・ハロウィン♪  参照)に続くシーズンイベントとしてここ数年、来るか来るかと噂されていた「イースター」がついに今年、商業的にプレイクしたようです。

 そもそも「イースター」はキリスト教の重要な行事のひとつ。金曜日に十字架にかけられたキリストが3日目の日曜日に復活したことを祝う「復活祭」であるとともに、無事に冬を越せたことに感謝し春の訪れを喜び合う日でもあります。「イースター」という言葉は、キリスト教が広まる前から行われていた春の女神エストレの祭りからきたものだそう。
 その年によって日付が変わる移動祝祭日で、「春分の日の次の満月の後の最初の日曜日」と定められています。毎年3月下旬から4月下旬に行われることになり、今年(2017年)は4月16日に当たります。
 新しい命が生まれる「たまご」とたくさん子どもを産む「ウサギ」は復活のシンボルとして、イースターには欠かせない存在です。
 たまごのカラに色をぬり模様を描く「イースターエッグ」は、もともとはあざやかな色に染めたり、カラに細工をしたゆで卵でした。この風習はキリスト教が始まる前からあって、子孫繁栄を願ったものといわれています。この「イースターエッグ」を春のプレゼントとしてウサギが運んできてくれるそうです。家のあちこちに隠した「イースターエッグ」を探す遊び「エッグハント」も、イースターならではのお楽しみでしょう。

 日本では、2010年に東京ディズニーランドがイベントを始めたのをきっかけに、イースターの習慣が徐々に知られるようになったとされています。
 子どものころに絵本や漫画などで見て、イースターやイースターエッグのことを知ってはいましたが、当時はあくまでも外国のお祭りとしての認識で、自分の日々の生活とはかけ離れた場所で行われている風習に過ぎませんでした。
 その後、大手食品メーカーや小売り・サービス各社が期間限定の関連商品を展開、家族や友だちとのパーティーを提案するなど、販売促進のきっかけが少ない春に、イースターをシーズンイベントとして定着させ、市場を盛り上げようとする動きがでてきたのです。

 「ハロウィンの次はコレ!」という、「イースター」にかける各業界の気合いと熱気が届いたのでしょうか。ここ数年、季節感が消えつつあった少女向けふろくに、この「イースター」をとりあげた新たな「歳時記ふろく」がついに登場しました。

 「キョロちゃんイースター HAPPYメッセージカード(ちゃお 2017年4月号)」は、少女たちに人気のお菓子、チョコボールのキャラクター・キョロちゃんとコラボしたイースターデザインのメッセージカードです。
 旅行バッグ型とノート型、2種類のカードにはチョコボールの箱がセットできるので、メッセージを書いたらそのままプレゼントできます。新しいお友だちにはプロフ(37.少女とふろくの歳時記 新学期の友だちづくり 参照)がわりに渡して会話のきっかけに。春の友活の強い味方になってくれますよ。ヒミツのメッセージも書けるのでおまじないだってOK。願いをこめながら食べると、キョロちゃんのハッピーパワーで夢が叶っちゃうかもしれません。

 もうひとつは『ちゃお』の妹雑誌『ぷっちぐみ』のふろくから。「イースター スイーツスタンド(ぷっちぐみ 2017年3月号)」は、女子の憧れともいえる、ケーキやスコーン、サンドイッチを載せるアフタヌーンティーの3段スイーツスタンドをイメージしています。カラフルでかわいいイースターエッグのチップが約40個もついているので、エッグハントゲームや神経衰弱のようなエッグマッチゲームも楽しめます。イースターパーティーのテーブルに置いてスイーツやお料理を並べれば、ぐ~んと華やかになって雰囲気満点! パーティーをしなくても、ヘアアクセやネイルカラーなどのおしゃれグッズ、消しゴムやマスキングテープなどのステーショナリーといった、自分の好きなものを置いて机の上に飾れば、すぐに使えるしお片付けにも便利です。

 『ちゃお』『ぷっちぐみ』のほか、イースターのふろくをつけていない『なかよし』『りぼん』でも、本誌にイースターを紹介する記事を載せています。どちらかというと「キリスト教の復活祭」というよりも「春の訪れをお祝いするお祭り」のほうを強調していて、宗教的要素を和らげています。
 イースターエッグを作って部屋を飾ったり、友だちや家族とイースターパーティーを開いたり、卵料理を作ってイースター限定のお菓子を食べたり、ウサギのコスプレをしたり、ウサギのぬいぐるみをイースターバニーとして連れ歩いたりといった、少女たちならではのイースターの楽しみ方を提案しています。

 日本記念日協会によると、2016年のイースター関連の推計市場規模は前年に比べて25%増、5年間で2倍近くに成長していて、ハロウィーンよりも規模は小さいが、イースターの方が伸びが大きいとのこと。日付が毎年変わるわかりにくさはあるが、ここ数年で認知度も高まり企業も参加しやすくなったため、今後のサービス次第ではハロウィンのような定着も期待できそうです。
 イースターのシンボルである「たまご」と「ウサギ」は、どちらも少女たちに親しみやすいかわいらしさがあり、実際にこの2つをモチーフにしたキャラクターもすでに人気となっています。また「春分の日の次の満月の後の最初の日曜日」という、早口言葉か呪文のような日付の設定も、神秘的で不思議なモノに心惹かれる少女たちにはもってこい。春先のイベントなので卒業や新学期などの学校関連にも絡めやすく、イースターが少女たちの心をつかむ素養は十分にありそうです。ただ、新世紀のおしゃれ少女たちに何かを普及させるためにはファッション性も重要で、ハロウィンが爆発的に盛り上がったのはコスプレというファッション的要素も大きかったのかもしれません。

 来年(2018年)のイースターは4月1日です。そのころにはもしかしたら、少女たちがウサギのコスプレをしたり、ウサギのぬいぐるみを連れて街を歩いていたり、「たまご」や「ウサギ」をモチーフにしたファッション雑貨や文房具、アクサセリーが少女向けのふろくに登場するかもしれないですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『イラストでわかる日本の伝統行事・行事食』谷田貝公昭 第1部監修、坂本廣子 第2部著 合同出版 2017年
『世界の国々と祝日』本村凌二 監修 理論社 2016年
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 4月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『親子でいっしょに楽しもう! 四季の行事12か月』季節の遊びを楽しむ会 著 メイツ出版 2010年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『子どもに教える 今日はどんな日?』髙橋司 著 PHP研究所 2006年
『イースター:商機 バレンタインデー、ハロウィーンに続き SNSで拡散、女性客狙う』毎日新聞 2017年4月14日朝刊
『春はイースター 「第2のハロウィーン」へ…業界狙う次の商機」』東京新聞 2017年4月8日夕刊
『イースター商戦拡大中 キリスト教の春祭り』読売新聞 2016年3月22日朝刊

2016年12月23日 (金)

ふろくの花園 55.少女とふろくの歳時記 みんなでメリー・クリスマス♪

 クリスマスのふろくには、お部屋に飾るツリーやリースといった、クリスマス独自のアイテムだけでなく、みんなでクリスマスを楽しむためのものも登場しています。
 ここからは、友だちや家族などとのコミュニケーションツールとしてのクリスマスふろくを紹介していきましょう。

 まずは、年賀状(29.少女とふろくの歳時記 お正月(後) 参照)や暑中見舞い(45.少女とふろくの歳時記 暑中お見舞い申し上げます)と同じく、季節の挨拶に使うクリスマスカードです。1955(昭和30)年の『なかよし』『りぼん』創刊当初から年代を問わず登場してきた、クリスマスふろくの大定番ともいえるでしょう。先生方の美しいイラストやかわいいキャラクターが描かれたカードは、どれもクリスマスムード満点で、まさに少女漫画誌の本領発揮。1980年代に入ると、イラストだけでなく遊びごころもプラスされ、友だちに贈っても、自分の部屋に飾っても楽しめるふろくになっています。

 「ジグソーパズル・クリスマスカード(りぼん 1980年12月号)」や「スウのクリスマスジグソーカード(なかよし 1984年12月号)」、「ちびまる子ちゃん カード・パズル(りぼん 1990年12月号)」は、ジグソーパズルとしても遊べます。
 「魔法のほうき&クリスマスカード(なかよし 1986年12月号)」は願いがかなう“魔法のほうき”がついているカード。恋の願いをかけて憧れのカレに送れば、恋が実ることまちがいなし!
 「光るツリーのクリスマスカード(なかよし 1990年12月号)」は、ツリーの星が暗闇で光ります。
 「パラダイス・カフェ 香りのクリスマスケーキカード(なかよし 1991年12月号)」は、いちごの香りがついたスペシャルカード。
 「怪盗セイント・テール 絵がわりクリスマスカード(なかよし 1995年12月号)」は、カードを開くとイラストが早変わり! の仕掛けカードです。

 友だちとのプレゼント交換も、クリスマスの楽しみのひとつですね。プレゼントのラッピングに使いたくなるクリスマス用グッズも続々登場しています。 

 「りぼんアイドル6人+くまちゃん クリスマスラッピングペーパー(りぼん 1995年12月号)」は、とってもかわいいラッピングペーパーがなんと6種類! このペーパーでできるラッピングのやり方もついているから、すぐに使えて便利です。
 「ミルクちゃん クリア・ラッピングペーパー(りぼん 1996年12月号)」は、中のものが透けて見えるオシャレなラッピングペーパー。

 「メリークリスマスギフトBOX(なかよし 1977年12月号)」や「北〈ペー〉くん シェイシェイツリーボックス(なかよし 1986年12月号)」、「香澄ちゃん ツリー・ボックス(りぼん 1986年12月号)」は、クリスマスツリーをデザインしたおしゃれなプチボックスです。
 「ハッピーギフトBOX(なかよし 1987年12月号)」はリボンの形がかわいいボックス。
 「ミンミン あっとびっくりギフトボックス(なかよし 1990年12月号)」は、フタを開けるとキャラクターがとびだして、もらった人が名前どおり、“あっ!とびっくり”しちゃうギフトです。
 「るりちゃん クリスマス・バッグ(ちゃお 1995年12月号)」は、ちょっとしたプレゼントを渡すのにピッタリな手さげ袋。かわいい袋に入れて、ライバルに差をつけちゃおう。
 「鈴ちゃん キラキラ・リースバッグ(りぼん 2001年12月号)」は、上品なピンクパールがツヤツヤのバッグ。CDがピッタリ入るサイズです。
 「チャチャ きらきらメッセージシール(りぼん 1996年12月号)」は、ピカッと光るメタリック素材のシール。ひとことメッセージを書いてプレゼントにペタンと貼れちゃいます。

 カードとプレゼントの用意ができたら、次はクリスマスパーティの準備です。

 大人も子どももみんなでできるパーティゲームやクリスマスリースの作り方、クリスマスについての豆知識もわかる「まるちゃん わくわくクリスマスブック(りぼん 1988年12月号)」や、
 ケーキやカナッペなどパーティ用のお料理がバッチリ作れちゃう「未央ちゃん クリスマスパーティークッキングブック(りぼん 1991年12月号)」、
 リースやカード、オーナメントなどのクリスマスアイテムが手作りできたり、プレゼント交換や恋占いまで、女の子だけのクリスマスパーティーガイド「クリスマスパーティーブック(なかよし 1994年12月号)」、
 カードやツリーの作り方、ラッピングやクッキングのアイデアがいっぱい! みんなでいっしょにクリスマスを手作りできちゃう「クリスマス★パーフェクトブック(ちゃお 1998年12月号)」、
 お料理やクリスマスファッションほか、手作りパーティで盛り上がれるテクが満載の「ワーキング娘。 ゴールドクリスマスブック(なかよし 2000年12月号)」といった、
 ハンディサイズの実用別冊ふろくがお役立ちです。

 かわいいキャラクターが“ぜったいきてね!”と誘ってくれる「優ちゃん クリスマス招待カード(ちゃお 1993年12月号)」や、チケットを水でぬらすとパーティで行う出し物が浮かび上がってドキドキの「うぇるかむ! おたのしみパーティーチケット(なかよし 1991年12月号)」など、友だちにわたすパーティーの招待状も忘れずに。

 「シロちゃん テーブル・ネームスタンド(りぼん 1988年12月号)」に友だちの名前を書いて席に置いたら、準備OK!
 全員揃ったら、いよいよクリスマスパーティを始めましょう。

 「変装めがね(ちゃお 1988年12月号)」や「斉くん ダンディーアイマスク(りぼん 1997年12月号)」などの仮装グッズをつけると、みんなにバカウケ! いちやく人気者になれちゃいますよ。

 ワイワイ遊べるゲームも、パーティには欠かせないアイテムです。クリスマスパーティなので、クリスマスにちなんだゲームをやってみましょう。
 「わんころべえ うたってサンタゲーム(なかよし 1988年12月号)」は、同じ絵のカードを4枚そろえる競争。一番最初にそろった人が「あがり!」と叫んで、人数より1個少なく場に置いてあるコマを1個取ります。それに続いて他の人もコマを取り、取れなかった人が負け。負けた人は自分のスコア欄に「う」「た」「っ」「て」「サ」「ン」「タ」と負けるごとに書いていき、「うたってサンタ」が完成してしまったら、みんなの前で歌をうたわないといけません。罰ゲームもセットされて、ハラハラドキドキのゲームです。
 「いそいで!サンタさんゲーム(なかよし 1993年12月号)」は、プレーヤーがサンタさんになって、キャラクターの家へプレゼントを届けに行くすごろく形式のゲーム。まずはプレゼント、トナカイ、そりのカードを揃えて、プレゼントカードのウラに描かれたキャラクターの家にプレゼントを置きに行きます。プレゼントを全部配り終わったサンタさんが勝ち! 『なかよし』の人気漫画キャラクターが総出演のゲームで、どのキャラクターにプレゼントを届けに行けるかも楽しみのひとつです。
 「わんころべえ ドキドキパーティーゲーム(なかよし 1996年12月号)」は、クリスマスパーティーにきたカップルがパーティー会場を一周して、早くテーブルにもどったら勝ちという設定。1人で2個のコマを持ってサイコロで1個ずつ進めていき、2個のコマが両方ともゲーム盤を1周したらゴールです。他の人が同じマスに止まったら、もう1個のコマがそのマスを通過するまで進めなくなってしまうため、それぞれのコマをいかにうまく使い分けて進めていくかがコツ。場合によってはコマが2個ともストップしてしまうこともあり、順番が回ってきたときにサイコロの1の目を出すまでひたすらガマンし続けないといけない、なかなかハードなゲームです。

 くじ引き感覚で、クリスマスにちなんだ占いをやってみるのはいかかですか?
 「クリムちゃん めざせクリスマス占い(りぼん 1990年12月号)」は、好きな銀色の絵をコインでこすって出たキャラクターで今日の運勢を占います。
 「B-ウォンテッド ドキドキ・くつした占い(なかよし 2001年12月号)」は、家の窓をえんぴつでぬりつぶし、出てきた靴下の模様でクリスマスの運勢がわかります。
 どちらも本来は、クリスマスまでのカウントダウンとして1人で1日1回行う占いなのですが、あえてみんなで運試しというのもパーティならではの楽しみ方です。 

 パーティの最後に、おなじみのクリスマスソングをみんなで歌いましょう。
 「歌の別冊 クリスマスソング集(りぼん 1967年12月号)」は、「ジングルベル」や「もろ人こぞりて」など全部で8曲のクリスマスソングが入った歌集。反対側には当時人気の歌が入った「りぼん紅白歌合戦」もついていて、クリスマスから年末年始まで楽しめる一冊です。
 「クリスマスソングレコード(りぼん 1969年12月号)」は、「きよしこの夜」と「神のみ子」の2曲が入ったソノシート。お店で売っているレコードのようなステキなジャケットに入っています。美しい歌声に合わせて歌うと、クリスマスムードも盛り上がります。
 「とびだす! クリスマス・ソングブック(りぼん 1998年12月号)」は、立体絵本形式のとびだすクリスマスソングブック。『りぼん』の人気キャラクターと一緒に、「ジングルベル」「あわてんぼうのサンタクロース」「おめでとうクリスマス」「きよしこのよる」の4曲を歌えますよ。

 友だちや家族と一緒のにぎやかなクリスマスもいいけれど、本当は、大好きなカレと胸キュンなクリスマスを過ごせるようになりたいな……
 こんな秘かな野望を胸に抱く少女たちのために、クリスマスに向けた“恋する乙女”の願掛けふろくも届けられています。
 「クリスマス 占い・おまじないカード(ちゃお 1989年12月号)」は、カードに願いごとや欲しいプレゼントを書いて、ツリーにつるすとラッキーが訪れるカードと、好きな子の名前を書いてクリスマスの前々日まで身につけていると、恋が実ってクリスマスを一緒にすごせるというお守りカードがセットになっています。
 「ワイルドだもん クリスマス直前! おまじないBOOK(なかよし 2003年12月号)」は、大好きなカレとハッピークリスマスを迎えるためのキレイになるおまじない、大好きなカレにプレゼントを渡すとき助けてくれるおまじないなど、全部で6つの恋に効くおまじないを紹介。これで恋のチャンスをつかみましょう。めざせ両思い!
 1人でこっそりやっても、友だちとヒミツの集会を開いて恋バナしながら試しても、願いがかなえられるといいですね。

 このように、少女たちのクリスマスが楽しく思い出深いものになるよう、長い間全力でバックアップしてきたクリスマスふろくですが、新世紀を迎えて10年以上が過ぎた現在、様子が大きく変わってしまいました。

 「小川とゆかいな斎藤たち メリクリ!サンタのプレゼント占い☆(なかよし 2007年12月号)」や「飛び出す★ハッピークリスマスカード(りぼん 2007年12月号)」、「株式会社ラブコットン クリスマスツリー小物入れ(りぼん 2008年12月号)」の頃を最後に、ふろくの名前に「クリスマス」や「サンタ」などのキーワードが入った、クリスマスアイテムが見当たらなくなっています。少女漫画誌における最大のシーズンイベントといわんばかりの勢いだったクリスマスもついに、「お正月」(29.少女とふろくの歳時記 お正月(前) 参照)や「ひなまつり」(33.少女とふろくの歳時記 ひな祭り 参照)、「母の日」(39.少女とふろくの歳時記 お母さん、ありがとう 参照)などの他の年中行事と同様、ふろくから姿を消してしまったのです。

 1月の「お正月」から12月の「クリスマス」まで、少女たちが1年12か月に出会う、様々な季節の行事や習慣を取り上げたふろくをこれまで紹介してきましたが、今まであまり意識してこなかった、それぞれの行事の由来もふろくを通じて知ることができました。

 これら「歳時記ふろく」の全般的な傾向として、『なかよし』『りぼん』に教育的な役割があり、まだ漫画雑誌になっていなかった1960年代までと、人気漫画が花盛りでふろくが登場人物のキャラクターグッズとなっていた1990年代に多く取り上げられています。その間にあたる時期は、雑誌生まれのスターである「マスコットキャラクター」(18.雑誌が生んだ人気者 (1)マスコットキャラクター 参照)や「まんが家」の先生方(19.雑誌が生んだ人気者 (2)憧れの先生・まんが家 参照)、「漫画作品と登場人物」(20.雑誌が生んだ人気者 (3)連載漫画のTVアニメ化 参照)が輝きを見せていたにもかかわらず、実はあまり目立って取り上げられていません。
 1980年前後は、サンリオなどの市販のキャラクターグッズが少女たちの間に爆発的に普及した時期でもあり、ふろくに年中行事を忠実に取り入れるよりも、雑誌生まれのスターたちを推しながら、文房具やインテリア小物などの実用品を紙でどれだけ再現できるかに重点を置くことで、少女たちのニーズに応えていたのです。
 1980年代の終わりごろから1990年代にかけては、発行部数が大きく伸びてひと月あたりのふろくの数も多くなったことで、実用品の中に年中行事を取り入れる余裕が出てきました。メインふろくも完成品だけではなく、紙のパーツを自分で型から抜いて組み立てる形式が増えていきます。メインふろくのパーツ以外に細々としたサブふろくも同じ型に組み込めたため、毎月のように季節感のあるふろくを付けることができたのです。

 そして、新世紀を迎えて「歳時記ふろく」が姿を消したのは、“ホンモノ”ふろく(23.新世紀のふろくの花園 (1)ホンモノがふろくに!? 参照)の登場で紙のふろくが少なくなったことや、発行部数の激減といった要因がありますが、なんといっても、読者である少女たちが漫画よりもファッションのほうに関心を持ってしまい(25.新世紀のふろくの花園 (3)オシャレが大好き! 参照)、『なかよし』『りぼん』『ちゃお』のライバルがお互いではなく、少女向けのファッション誌になってしまったことが大きいのではないでしょうか。
 少女たちの“好きなもの・欲しいもの”を60年間ずっと詰め込み続けてきた少女漫画誌ふろくが2010年代の今、少女たちに届けたいものは、ファッション誌のふろくに負けないオシャレでインパクトを与える雑貨であり、そこに伝統、風習といったものや、さらには雑誌生まれのスターでさえもあまり必要がなくなってしまいました。生活に密着した日本の四季・伝統・行事を少女たちに伝えるという、ふろくの大切な役割が失われてしまうことも、時代の自然な流れといえるのかもしれません。

 小学生なら誰もが通ってきた道だった『小学○年生』も、2017年からは1年生向けを残すのみとなってしまいました。多くのモノや情報に囲まれて育っている、現代の子どもたちの興味・嗜好は早い年代から細分化し、また同じ学年でも知識量の個人差が開いてきたと思われるため、学年ごとの総合情報誌は難しい時代になったのではないでしょうか。
 雑誌を読んだりふろくで遊ぶだけで、自分が今まで知らなかった世界を目にし、興味の幅を広げることができるような、かつての『なかよし』『りぼん』が持っていた、娯楽や生活情報だけではない様々な分野の雑学・教養・一般常識を少女たちに伝えるという役割が、少女漫画誌やそのふろくに今後また戻ってくるかどうかは、少女たちと少女漫画誌を取り巻く環境次第でしょう。

 みんなで楽しんだクリスマスが終わると、翌日の26日にはもう、街はクリスマスなどなかったかのように一瞬にして和の雰囲気に包まれ、お正月を迎える準備で人々がせわしなく動き回ります。この手のひらを返すような変わり身の早さもまた、日本の12月ならではの風景です。
 いろいろなことがあった1年の終わりと、新たな1年の始まりが、もうすぐそこまで来ています。どうぞみなさま、良いお年をお迎えくださいませ。

 さて、当『少女漫画 ふろくの花園』は冬の間、休園させていただきます。春の花咲くころに、またお会いしましょう。

2016年12月18日 (日)

ふろくの花園 54.少女とふろくの歳時記 クリスマスがやってくる☆

 12月を迎えると、早いもので今年もあとひと月です。いよいよ一大イベント「クリスマス」の季節がやってきました。街中が大きなクリスマスツリーやイルミネーションで彩られると、寒さ厳しい夜にもかかわらずウキウキした気分になって、つい遅くまで出歩きたくなってしまいます。

 12月25日の「クリスマス」とは、「キリスト(救世主)のミサ(礼拝の儀式)」という意味で、キリスト教を開いたイエス・キリストの誕生を祝う日として知られています。キリストの誕生といえば、ベツレヘム(現在のイスラエル)の馬小屋で3人の博士と羊飼い、動物に囲まれた場面が思い浮かびますが、実のところ、キリストの誕生日がいつなのかは、まだはっきりわかっていません。
 この日が「クリスマス」と決められたのは、4世紀の中ごろにニカイア(現在のトルコ)で行われたキリスト教の総会議でした。古いヨーロッパの暦で1年でもっとも昼が短い冬至に当たり、「日が再び長くなり、太陽の力がよみがえることを祝う日」であることが、世界に光をもたらす救世主・キリストの誕生日にふさわしいとされたようです。さらに、12月17日に古代ローマで行われていた、プレゼントを贈ったり交換したりする農業の神様のお祭りや、いろいろな祭日などがまざって「クリスマス」ができたと考えられています。その後19世紀の中ごろから、クリスマスツリーを飾り家族でごちそうを食べて祝うという形になっていきました。

 西洋で始まった「クリスマス」が日本に伝わったのは、16世紀ごろといわれています。布教のために来日した外国人宣教師が日本で初めてクリスマスのミサを行い、明治時代には来日していた外国人やキリスト教徒の日本人によってミサやパーティが行われます。大型商店やホテルもツリーを飾り、パーティを開きました。
 当時の新聞記事を要約してみると、1875(明治8)年の読売新聞に「築地の女学校で行われたクリスマスイベントに大勢の人が集まり、立派な飾りや音楽の演奏でにぎやかだった」や、1881(明治14)年の毎日新聞に「横浜本町通の天主堂は大繁盛で、“キリスト教信者以外の参堂はできません”という札が掲げられるほどだった」、1883(明治16)年の朝日新聞に「クリスマス休暇中の神戸居留地は、門にクリスマスの飾りがされていて、まるで日本のお正月のようだ」など、すでに日本の都市部でクリスマスの行事が行われていたことがわかります。
 その後大正時代に入って一部の家庭でも祝うようになり、第二次世界大戦後にはアメリカの影響を受けて日本中に広まります。昭和30年代になると、家庭でもクリスマスケーキを食べたり、プレゼントをもらったりする習慣が定着しました。現在ではハロウィン(50.少女とふろくの歳時記 私たちのハッピー・ハロウィン♪ 参照)同様、もともとの宗教的な意味とは関係のない「日本風クリスマス」として、私たちの生活にすっかりなじんだ年中行事となっています。
 現在の日本ではどちらかというと、前日の12月24日のほうがクリスマス色が強い感じがしますが、キリスト教では太陽が沈んだときを新しい一日の始まりとしていたため、クリスマス当日の始まりとなる12月24日の夜を「クリスマス・イブ」として、お祝いを始めたということからきているようです。

 1955(昭和30)年に創刊した『なかよし』と『りぼん』。ちょうどこの頃からクリスマスのいろいろな習慣が日本の子どもたちに浸透してきたこともあり、創刊当初から「クリスマス・カード(りぼん 1955年12月号)」「クリスマス・セット(なかよし、りぼん 1956年12月号)」「クリスマス・シール集(なかよし 1957年12月号)」などのクリスマスにちなんだふろくが少女たちに届けられています。その後も、12月号のふろくは「クリスマス」のためにあるといわんばかりの勢いで、少女漫画誌界において最大のシーズンイベントとなりました。

例をあげると、

『なかよし』1965年12月号ふろく

・クリスマスおかざりセット
・マリアさまのブローチ
・サンタのおさいふ
・ブック型クリスマスケース
・クリスマスカードと絵はがき
※ほか別冊まんが4点

『りぼん』1967年12月号ふろく

・赤いブーツのセンターピース
・クリスマスミニツリー
・クリスマスカラーのフォークケース
・エンゼルのコップしき
・サンタクロース紙ナプキン
・ギフト・カード
・歌の別冊 クリスマスソング集
・クリスマス★カード
※ほか別冊まんが1点

このように、別冊まんが以外のふろくが全てクリスマスという年もあったほどです。実際、この『少女とふろくの歳時記』を書くにあたり、所蔵しているふろくの中から年中行事のモノを探してみた際にも、クリスマス関連のふろくが他に比べて圧倒的な数量でした。

 さて前置きが長くなりましたが、今回は、そんな「クリスマス」ならではのアイテムを取り上げたふろくを紹介します。

 まずは、クリスマスのシンボルともいえるクリスマスツリーです。モミの木に華やかな飾りをつけるクリスマスツリーは、11世紀ごろのドイツ北西部がはじまりといわれています。冬でも常に新しい緑色の葉をつける常緑樹を使うことで、強い生命力や永遠の命を表しています。

 暗い所でツリーの星が光る「久太郎 ピカピカツリーカード(りぼん 1987年12月号)」や、
 アクセサリーがかけられる「ドリーミングクリスマスツリー(なかよし 1988年12月号)」「GALS! ジュエリー★ツリーBOX(りぼん 2000年12月号)」、
 小物やお菓子が入れられる「シンデレラツリートレイ(なかよし 1989年12月号)」、
 銀はがしで占いができる「青子ちゃん ごきげん銀はがしカレンダーツリー(りぼん 1995年12月号)」「くるみちゃん 銀はがしクリスマス占い(りぼん 1997年12月号)」、
 ツリーを開くと中からキャラクターが出てくる「東京ミュウミュウ クリスマスツリーカード(なかよし 2001年12月号)」など、
ただ飾るだけではなく、いろいろなアイデアがプラスされた組み立て式クリスマスツリーが登場しました。
 ツリーの下の穴から上の穴へ進んでてっぺんの星にたどりつく立体すごろく「姫ちゃん クリスマスツリーすごろく(りぼん 1991年12月号)」や、「りえちゃん クリスマス・ツリーゲーム(りぼん 1994年12月号)」といった、みんなでゲームを楽しめるクリスマスツリーも。
 「ぷくぷく天然かいらんばん 山田さんのぷっくりすますツリー(ちゃお 2000年12月号)」は、キャラクター型のバルーンに空気を入れて土台にセットすると、かわいいキャラクターのクリスマスツリーができあがります。

 クリスマスツリーには、古くはろうそくを飾っていましたが、現在では様々な飾りや電球などをつけるのが一般的です。
 ツリーのてっぺんに飾る「星」はキリストが生まれたときに空に輝いていたとされる「ベツレヘムの星」を表していたり、「ろうそく」は世の中を照らす明かりであるキリストを表していたり、「りんご」はアダムとイブの伝説に出てくるリンゴや聖書に出てくるエデンの園を表していたり、「ベル」は「教会」を表していたりと、その飾りにもそれぞれ意味があるそうです。

 これらの伝統的な飾りにプラスして、「ミモリちゃん ツリーかざりメッセージセット(りぼん 1996年12月号)」や「B-ウォンテッド オーナメントメッセージボックス(なかよし 1999年12月号)」、「みるくSHAKE! オーナメントボックス(なかよし 2001年12月号)」、「ふぉうちゅんドッグす わんわんクリスマスハウスBOX&マスコットオーナメント(なかよし 2002年12月号)」などの、メッセージカードやプレゼントBOXにもなる、ふろくのオーナメントでツリーをかわいく彩りましょう。

 「あさり&プニプニ おもしろツリーオーナメント(ちゃお 1993年12月号)」や「桃花ちゃん おねだりカード(りぼん 2001年12月号)」は、サンタさんへのお願いごとをウラにこっそり書くことができます。クリスマスツリーがもはや七夕(44.少女とふろくの歳時記 七夕☆星に願いを 参照)の笹飾りのようになってしまっていますが、少女たちの願いごとは季節を問いません。

 にぎやかな飾りつけをすると、モミの木に住んでいる小人が喜んで、幸せをもたらしてくれるという言い伝えもあるそうです。みんなの願いが届くといいですね。

 玄関などに飾るクリスマスリースも、すっかりおなじみになりました。
 モミの木やヒイラギなどを輪にして木の実や花などを付けるクリスマスリースは、キリストが十字架にかけられたときにかぶっていた冠にちなんでいたり、神の永遠の愛を示したり、その力による魔よけを表す古代信仰のなごりなど、様々な由来があります。

 「きんぎょ注意報! クリスマススターリース(なかよし 1992年12月号)」と「怪盗セイント・テール ふわふわクリスマスリース(なかよし 1996年12月号)」は、どちらも空気を入れてふくらませる画期的なクリスマスリース。両面テープで好きな場所にくっつけて飾れるので、お部屋のクリスマス気分がかわいく盛り上がりますよ。
 「のえる&まりあ メッセージリース(りぼん 1999年12月号)」は、クリスマスリースとメッセージボードがひとつになったリースです。お部屋のドアにかけると、クリスマスの雰囲気になるだけでなく、プライバシーもばっちりキープします。

 少女たちにとってのクリスマスのお楽しみといえば、なんといっても12月24日の夜、寝ている間にプレゼントを枕元の靴下に入れてくれるサンタクロースでしょう。
 サンタクロースは、4世紀初めに現在のトルコでキリスト教の司教だった、セント・ニコラウスがモデルといわれています。多くの貧しい人に救いの手をさしのべていたニコラウスは、結婚を控えた姉妹の家の煙突に金貨を投げ込んだところ、たまたま暖炉に干していた靴下に入りました。ここからサンタクロースのプレゼントをもらうために靴下をツリーにつるす風習が始まったそうです。また、クリスマスツリーに飾る「玉」には、ニコラウスが人々に配ったプレゼントや投げた金貨という意味もあるとのこと。
 サンタクロースは、赤い服と白いひげ、トナカイが引くソリに乗ってやってくるというイメージですが、19世紀ごろから絵本などにこの姿が描かれるようになり定着していきました。その特徴的な服装は、司祭の服が元になっているとされていますが、コカコーラのポスターに描かれた赤い服が広まったという説もあります。トナカイはヒゲの老人が白馬やシカに乗ってくるというヨーロッパの伝説、ソリは北欧神話の神様が冬に空を飛んでやってくるという伝説に、それぞれ由来しているそうです。

 クリスマスには、キャラクターがかわいいサンタクロースに扮して、少女たちにふろくのプレゼントを届けてくれています。
 「姫ちゃん サンタカード&サンタ袋(りぼん 1990年12月号)」は、袋の中にプレゼントを入れ、袋の端をサンタカードの手の部分に開いている穴に通すと、まるでキャラクターのサンタクロースがプレゼントを運んでいるかのよう。
 「わんころべえ おねがいサンタブーツ(なかよし 1991年12月号)」は靴下型のプレゼント用袋。サンタクロースへのおねがいカードもついているので、クリスマスプレゼントのおねだりはこれでバッチリです。
 「茶美ちゃん・ハッピークリスマスファイル(ちゃお 1993年12月号)」はトナカイのソリに乗ったサンタクロース姿のキャラクターがかわいいファイル。季節を問わずふろくになるファイルも、このイラストでクリスマス用の特別なグッズになります。お友だちからのクリスマスカードを入れちゃいましょう。
 「光希ちゃん のびのびサンタカード(りぼん 1994年12月号)」は3人のサンタクロース姿のキャラクターが次々と飛び出してくるクリスマスカードです。

 クリスマスのもうひとつのお楽しみは、ごちそうと一緒に食べるクリスマスケーキですね。
 1910(明治10)年に「不二家」が日本で初めてクリスマスケーキを発売し、洋菓子普及のきっかけを作りました。スポンジケーキに生クリームやバタークリームをぬり、イチゴとサンタクロース形などの菓子をのせたデコレーションケーキが、日本のクリスマスケーキのスタンダードになっています。砂糖菓子のサンタクロースやウエハースで作られた家、チョコレートのメッセージプレートを誰が食べるかじゃんけんやゲームで決めたことも楽しい思い出です。

 「電脳少女★Mink デコレーションケーキトップ(なかよし 1999年12月号)」はクリスマスケーキに飾れるマスコット。このデコレーションでケーキをドレスアップできちゃいますよ。

 世界では、ドイツの「シュトーレン」やイタリアの「パネトーネ」など、さまざまな伝統菓子がクリスマスの食卓を飾ります。
 日本でも人気で見た目にも楽しいお菓子が、木の切り株をかたどったケーキ、フランスの「ブッシュ・ド・ノエル」です。フランスではクリスマス・イブに大きな薪を焼いた習慣があり、その薪をまねて作ったそうです。

 「麻衣ちゃん ブッシュ・ド・ノエルボックス(りぼん 2001年12月号)」と「ハッピーアイスクリーム! ブッシュ・ド・ノエルBOX(なかよし 2003年12月号)」は、どちらもこの「ブッシュ・ド・ノエル」をデザインした小物入れ。まるで本物のクリスマスケーキみたいでデコレーションもいっぱいです。机の上に置いて文房具を入れても、パーティのテーブルに置いてお菓子を入れても、ウキウキワクワクなクリスマス気分を味わえちゃいます。

 クリスマスならではのアイテムを取り上げたふろくを見ることで、クリスマスをめぐる様々なコト・モノの由来を知ることもできました。
 おうちやお部屋をクリスマスのふろくで飾ったら、いよいよみんなでクリスマスを楽しみましょう♪

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 12月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所 編 三省堂 2009年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『21世紀こども百科 もののはじまり館』小学館 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『まるごとわかる「日本人」はじめて百科 2 食べ物・飲み物をつくった人』湯本豪一 監修 日本図書センター 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年

2016年11月25日 (金)

ふろくの花園 53.少女とふろくの歳時記 ○○の秋(後)

 秋は外に出かけて自然と親しむだけでなく、過ごしやすい気候だからこそ、自分の趣味とじっくり向き合うのにももってこいの季節です。
 後編では、どちらかといえばインドア方面の「○○の秋」ふろくについて紹介していきましょう。

 夜が長くなる秋は、本を読む時間が多く取れるようになることから、読書に適した季節として「読書の秋」と言われることはもうすっかりおなじみで、「○○の秋」のトップにあげる人もたくさんいるのではないでしょうか。新聞各紙のデータベースで調べてみても、1918(大正7)年9月の読売新聞「讀書の秋 図書館通ひの人々」の記事ですでに使われています。

 この「秋は読書の季節」というイメージが広まったのは、中国、唐の文学者・思想家である韓愈の詩の一部分
 「灯火稍く親しむべく 簡編巻舒すべし〈とうかようやくしたしむべく かんべんけんじょすべし〉」
 (時は秋、夜が長くなり灯火に親しむ機会が多くなった。書物をひもといて読むのに適した季節だ)で、
 一般に「灯火親しむべし」というかたちで使われるフレーズが、1908(明治41)年に発表された夏目漱石の小説『三四郎』に登場したこともきっかけの一つだそうです。

 毎年秋に実施される「読書週間」も、人々に「読書の秋」を普及させるのに大きな役割を果たしています。
 もともと、関東大震災後の1924(大正13)年に日本図書館協会が始め1939(昭和14)年に途絶したものを起源としており、第二次世界大戦後の1947(昭和22)年11月17日に、「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取次会社・書店と公共図書館、新聞・放送のマスコミ機関が協力し、第1回「読書週間」が開催されました。翌年からは文化の日をはさんだ2週間(10月27日~11月9日)と定められ、全国に広まっていきました。今では読書感想文のコンクールなど、さまざまなイベントが行われています。

 そんな「読書の秋」にちなんで、少女たちに楽しく本を読んでほしいという気持ちが込められた、読書グッズがたくさんふろくに登場しています。

 まずは、本の収納に便利なマガジンラックやブックスタンド、ブックエンドです。

 「一条ゆかりのカラフルマガジンラック(りぼん 1973年11月号)」は『りぼん』本誌がスッポリ入る大きさで、小物入れにも使えます。持ち手がついているので移動もラクチン。
 「スパンク ファンシーマガジンラック(なかよし 1981年11月号)」は、両サイド2ヵ所に収納できて『なかよし』本誌もコミックスも入る大きくて丈夫な作り。お部屋でずっと使えるゴーカなラックです。
 「アリスちゃん マガジンラック(ちゃお 1995年10月号)」は、『ちゃお』本誌が4冊も入る大きさで使いでタップリ。2つのスペースには段差がついていて本を取り出しやすくする心配りもされています。
 「わーい! アニマルコミックス・ラック(りぼん 1986年11月号)」は両サイドについた大きなキャラクターがかわいいブックスタンド。コミックスだけでなくビデオカセットラックにも使えるところに時代を感じるふろくです。
 「いつみちゃん どりいむブックエンド(なかよし 1984年11月号)」と「光希ちゃん バンドブックエンド(りぼん 1992年11月号)」は、どちらもペンやメモなどの小物を入れられるスペースがついているブックエンド。机の上に置いて教科書を立てるなど、とっても便利に使えます。
 「ミルモでポン! ラブラブぶっくすたんど(ちゃお 2005年10月号)」は、ちっちゃいけれどコミックスをしっかり並べてくれるブックエンドです。

 これらもランチボックス(52.少女とふろくの歳時記 ○○の秋(前)  参照)同様、紙で市販品を見事に再現している一例で、少しでも長く使ってもらえるよう色・形や機能などに様々な工夫がされています。いつかは底が抜けたり破れたりして壊れてしまうのはわかっているけれど、次号のお知らせに大きなラックやボックスの写真が載っていると発売日が待ち遠しくなってしまう、楽しみにしていたふろくの一つでした。

 お気に入りの本を大切に守ってくれる、ブックカバーも「読書の秋」には欠かせません。
 「テディ・ベア ラブリーブックカバー(ひとみ 1978年11月号)」と「くるみと七人のこびとたち メルヘンブックカバー(りぼん 1993年11月号)」は、どちらも丈夫なビニール製なので水や汚れも怖くありません。
 「実果子ちゃん アキンド・ブックカバー(りぼん 1996年10月号)」や「りぼんオールスター キラキラブックカバー(りぼん 1997年11月号)」、「みきなちゃん ブックカバー(ちゃお 1997年11月号)」、「愛里ちゃん クラフトブックカバー(りぼん 2002年10月号)」、「アゲハ100% シンデレラブックカバー(りぼん 2005年10月号)」はどれも紙製だけど、人気漫画のキャラクターのイラストがとってもステキ。コミックスにピッタリのサイズです。
 ふろくのブックカバーは、本誌が漫画雑誌ということでコミックスサイズが多いのですが、新学期などには教科書サイズの少し大きめのブックカバーもふろくになっています。1枚の紙を折って大きさを自由に調整できるものもありました。

 この本どこまで読んだっけ? を解決してくれる、しおりもたくさんありますよ。
 本にはさむしおりは、「りぼんしおり(りぼん 1955年11月号)」や「バレーしおり(なかよし 1957年11月号)」など、『なかよし』『りぼん』の創刊当初から登場している、少女向け紙製ふろくの超定番の一つですが、時代を経て、形や素材もバリエーションに富んできています。
 「キッシーズ ブックマーク(りぼん 1977年11月号)」や「リノちゃん おしゃれしおり(りぼん 1996年10月号)」は、細長い紙にキャラクターのイラストが描かれているオーソドックスなタイプ。
 「チャチャ りんごの香りしおり(りぼん 1992年11月号)」は、オーソドックスなタイプにプラスして、りんごの絵をこすると香りがする、ちょっとだけ「収穫の秋」気分も味わえるしおりです。
 「コンコンブックマーク(りぼん 1978年10月号)」や「チャーミング聖羅ブックマーク(りぼん 1987年10月号)」はクリップのように本にはさむタイプ。本の中にしおりが落ちることもなく、メモを止めるクリップとしても使えます。
 「なるみちゃん ブックマーク(りぼん 1990年10月号)」や「ユキちゃん とうめいしおり(りぼん 1998年10月号)」、「結婚しようよ 桐子の読書しおり(なかよし 2003年11月号)」はフィルム製で透けているのがオシャレです。紙にピッタリくっついて滑り落ちません。
 「カードキャプターさくら さくらちゃんブックマーカー(なかよし 1998年10月号)」は、キャラクターの形がかわいいピンク色の透明ビニール製しおり。エプロンの部分にページをはさめるクリップタイプです。
 「りりかちゃん ブランコしおり(りぼん 1995年11月号)」はピンク色のプラスチック製しおり。本の間にはさむとスイングします。
 「わんころべえ ゆらゆらしおり(なかよし 1996年11月号)」は、2つのキャラクターマスコットをリリアンでつなぎ、片方を本にはさみ、もう片方を本の外側にぶら下げるタイプのしおり。マスコットがゆらゆらゆれて、かわいいだけでなくオシャレ度もアップ!

 本の世界にもっと入り込める、ブック型のグッズも登場しています。
 「姫ちゃん ブック型レターセット(りぼん 1992年11月号)」は、びんせん+ふうとう+帯シールがセットになった、本物の絵本みたいなレターセット。表紙をあけると中はびんせんで、表紙にかぶせる帯がシールになっています。
 「奈緒ちゃん ブック・レターセット(りぼん 1998年10月号)」は、ブック型ケース+びんせん+ふうとう+シール+P.S.カードがセットになった、「読書の秋」にピッタリのレターセット。ケースごと本棚にしまってもOKです。
 「12歳。 魔法のスウィーツBOOK型ポーチ(ちゃお 2015年11月号)」は、サテン風の生地と背表紙部分の金色文字がオシャレなブック型ポーチ。コミックスも入るサイズで、ついついバッグから出して見せたくなっちゃうキュートなデザインになっています。

 そして、「○○の秋」の最後を飾るのは「芸術の秋」です。

 日展や二科展をはじめとする、絵画・彫刻・工芸などの芸術作品の展覧会が多く秋に開催されることなどから、秋が芸術を楽しむのに適しているのをいう言葉で、新聞各紙のデータベースを調べると、1928(昭和3)年9月の朝日新聞に「藝術の秋に」という記者のコラム記事があり、昭和の初めにはすでに使われていた表現だったことがわかります。もっともこの頃にはすでに、日展(当時は帝展)も二科展も開催されていて、人々が芸術作品に親しむようになってきていました。また、1951(昭和26)年8月の読売新聞「二科展の搬入始まる」の中には、「“芸術の秋ひらく” シーズンのトップを切って二科展の搬入が」という一文も見られます。美術館がいくつもあり、秋にいろいろな展覧会が開催される東京・上野のことを「上野の秋」「芸術の上野」とも称していました。

 さて、少女たちが身近で楽しめる芸術といえば、“お絵かき”でしょう。「芸術の秋」には、いろいろなお絵かきグッズのふろくが少女たちに届けられました。

 「るんるんスケッチブック(なかよし 1983年10月号)」は、ハンディーなバッグ形で持ち運びにも便利なスケッチブック。いつものふろくのノートよりも厚手で画用紙のような紙が使われていて、お店で売っているスケッチブックと同じくらいしっかりとした作りです。ワンポイントでプリントされたイラストもかわいくて、使うのがもったいなくなっちゃいます。

 少女たちの遊びの代表的なもので、今では大人の間でも人気の「ぬり絵」もふろくになっています。憧れの先生方が描いた下絵を、自分が色をぬって仕上げることに胸がワクワクすると同時に、うまくぬれなかったらどうしようとちょっぴり緊張もしたふろくです。

 「ペイントペイントポスター(りぼん 1976年11月号)」は、色をぬり終わるとポスターカレンダーとして使えます。
 「ステンドグラスぬりえ(りぼん 1978年11月号)」は、グラシン紙のような紙に印刷されたイラストにサインペンで色をぬるアイデアぬり絵。できあがったものを窓にはるとまるでステンドグラスのような透け感がでて、とってもキレイ。
 「なかよしオリジナルぬり絵カード(なかよし 1980年10月号)」は、3人の先生方がイラストを描いたB5サイズのぬり絵。お手本のカラーイラストもついていたのですが、ぬり絵そっちのけでそれをカードケースに入れ、下じきとして使って楽しんでいました。
 「NAKAYOSIカラーリングポストカード(なかよし 1981年10月号)」は、色をぬった後はお友だちに送れる「ぬり絵ハガキ」です。色のセンスを発揮しちゃおう。
 「くるみと七人のこびとたち カラフルパレット&手づくりアートカード(なかよし 1994年10月号)」と「クレヨン王国 カラフルパレット&メルヘン絵はがき(なかよし 1997年10月号)」は、紙のパレットに絵の具が4色分ついていて、水をつけた筆で絵の具の部分をさわるとちゃんと色がでる画期的なふろく。セットのカードに色をぬって、オリジナルのカードが作れます。

 新世紀を迎え、ついに色エンピツやクレヨンまでもがセットになった“ホンモノ”お絵かきふろくが登場しました。
 「チョコミミ ドリーミー★おえかきセット(りぼん 2007年10月号)」は、プラスチック製でかわいくて丈夫なケースの中に、水彩色エンピツ6色+筆1本+クレヨン6色と、カラフルなお絵かき道具がたっぷり入っている豪華なセットです。水彩色エンピツでぬって水を含んだ筆でなぞると、なんと絵の具に変身! 一緒についている「りぼん★メルヘンぬりえ絵本」に色をつけたり、「りぼんちゃん×ハローキティ おえかきノート」に好きな絵を描いたりして、お絵かき上手になっちゃいましょう。 

 少女漫画のイラストは細かいものが多いため、少女たちがキレイにぬり分けるのは結構大変だったのではないかと思います。特に1970年代の『りぼん』のものは、もはや“大人のぬり絵”レベルの緻密さでしょう。私の場合は一つしかないものを失敗して台無しにしてしまうのがイヤだったので、あまり積極的にぬり絵のふろくは使わなかったのですが、そんなことなど気にせず、思うままに色エンピツを動かして色をぬること自体を楽しんでいた少女たちのほうが、心から「芸術の秋」を満喫していたのかもしれません。

 ハロウィンとクリスマスにはさまれて派手なイベントが少ない11月は、どことなく存在感が薄い月という印象があります。だからこそ、じっくりと落ち着いて秋の雰囲気を味わうことができるのです。
 11月に早くも東京で初雪が降るなど、1年でいちばん快適に過ごせる秋は年々短くなってきているような感じがしますが、この貴重な時期にたくさんの「○○の秋」を楽しみたいものですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『三省堂中国名言名句辞典』大島晃 編 三省堂 2011年
『年中行事大辞典』加藤友康、高埜利彦、長沢利明、山田邦明 編 吉川弘文館 2009年
「公益社団法人 読書推進運動協議会」webサイト
「公益社団法人 日展」webサイト
「公益社団法人 二科会」webサイト

2016年11月20日 (日)

ふろくの花園 52.少女とふろくの歳時記 ○○の秋(前)

 にぎやかだったハロウィンも終わり、11月に入ってようやく本格的な秋の到来となりました。

 “秋”を表す言葉として、「スポーツの秋」(50.少女とふろくの歳時記 スポーツの秋☆運動会 参照)や「行楽の秋」、「食欲の秋」、「読書の秋」、「芸術の秋」などいろいろなものが挙げられ、なぜ秋にだけこんなに「○○の」があるんだろうとつい思ってしまいます。気温も湿度も下がりさわやかな気候になって、何をするにも快適な時期だからというのはもちろんのこと、私にとっての秋は、暑くてジメジメしてしかも近年は期間も長い、厳しくツラい夏の日々を乗り越えたことへのご褒美でもあり、たくさんのことを楽しもうという気分にさせてくれる、1年で一番大好きな季節です。

 今回は、いろいろな「○○の秋」を満喫するために少女たちへ届けられたふろくを紹介しましょう。

 秋になると、日本の各地で山野の木々が赤や黄に美しく色づきます。その光景をニュースなどで目にすると、この季節ならではの自然のイベント「紅葉狩り」を楽しむために出かけたくなりますね。あざやかな色に染まったカエデやイチョウを眺めたり、どんぐりやトチの実を探したりと、「山野などに行って遊び楽しむこと(デジタル大辞泉)」という「行楽」にうってつけの時期、すなわち「行楽の秋」なのです。
 「行楽の秋」という言葉がいつごろから使われているのかを新聞各紙のデータベースで調べてみたところ、1925(大正23)年11月の朝日新聞に「行楽の秋深く」という東武線の広告を見つけました。すでに戦前から使われていたことに驚きましたが、もっとも秋の行楽の代表ともいえる「紅葉狩り」も、奈良・平安時代の貴族たちが始めて江戸時代に町民たちに広まった歴史ある秋の遊びであり、古くから秋はお花見の春と並ぶ行楽シーズンとして認知されていたようです。

 また、秋は穀物や果物などの収穫が多くなる季節でもあり、「収穫の秋」や「実りの秋」ともいわれます。

 「行楽の秋」や「収穫の秋」、「実りの秋」の雰囲気を味わえるグッズや占い、ゲームのふろくが登場しました。

 「陸奥A子のデイトバッグ(りぼん 1977年10月号)」は、六角形のボックスに持ち手をつけたユニークなスタイルのバッグで、当時の少女たちに流行していたトランクタイプ。秋らしいオレンジ色を基調にしたデザインと丈夫なつくりは、紙製だけど市販のものにも負けないくらい。おでかけにだって持って行きたくなっちゃうくらいオシャレなふろくです。

 「虹子ちゃん ピクニックレターセット(ちゃお 1994年11月号)」は、ピクニックシーンのイラストが超かわいいレターセット。なんと105cmのロングサイズで使う長さによって切りはなせるびんせんや、メッセージを書いて折りたたむとリュック型になるP.S.カードなど工夫もいっぱいです。

 「マリアっぽいの! カラーデュエット占い(なかよし 2000年11月号)」は、イチョウやもみじなどの葉っぱと栗の実の中から2つを選び、こすって出た色の組み合わせで今日のラブ運が占えます。

 「ワイルドだもん ワイルド秋の味覚占い(なかよし 2003年10月号)」は、よいしょ! よいしょ! とおイモのつるを引っ張るキャラクターの中から好きなものを選び、その地面の下をエンピツでこすります。出てきたおイモの種類と大きさ、個数で今日の運勢をチェック。イモほり気分で楽しめちゃう占いです。

 「オールスター 列車でGO! 秋のおでかけ占い(なかよし 2004年10月号)」は、遊園地・温泉・ハイキング・水族館・ショッピングの中から今日行きたい場所を1つ選び、好きな色の車両に書き、車両の銀をはがします。でてきたキャラクターと行きたい場所との組み合わせで今日の運勢が占えます。

 「わんころべえ キノコがりゲーム(なかよし 1998年11月号)」は、秋の味覚のキノコがりをして点数を競うゲームを2種類楽しめます。
 まず1つは、ゲーム盤のマスの上にキノコカードを置き、スタート地点からサイコロで出た目の数だけコマをタテ・ヨコに進めて、カードのあるマスに止まったらキノコをGET! ゲーム盤上のキノコカードがなくなったらゲーム終了で、取ったカードの裏に書かれた点数の合計がいちばん多い人が勝ち。ただし、キノコカードに紛れ込んでいる「毒キノコカード」を取ってしまったら、その分点数がマイナスされてしまいます。単純にキノコをたくさん取ったほうが勝ちではなく、運も重要なゲームです。
 もう1つはすごろく形式で、簡単にゴールできるけどキノコはあまり取れないハイキングコースか、ゴールするのは大変だけどキノコをたくさん取れるチャンスがあるロッククライミングコースのどちらかを選んでスタート。途中止まったマスに「キノコカードを場からとる」の指示があればキノコをGET! 誰かがゴールしたらゲーム終了。取ったキノコカードの裏の点数を合計し、いちばん多い人が勝ち! としたいところですが、ゴールした人にはさらに50点加算されるため、早くゴールした人とキノコをたくさん取った人、どちらが真の勝者なのかは終わってみないとわからない、ドキドキ感いっぱいのゲームなのです。

 「電脳少女★Mink どんぐりバトルゲーム(なかよし 2000年11月号)」は、山の形をした立体的なゲーム盤を使って、どんぐりひろい競争がお部屋の中でできちゃうゲームです。自分の進むコースを決めて山の頂上にどんぐりチップを置きます。サイコロで出た目の数だけチップを進め、山の下に着けたらそれをGET! 次からは頂上にある新しいチップを進めていき、頂上のどんぐりチップがなくなったらゲーム終了。GETしたチップの裏に書かれた点数の合計で順位が決まります。コースの途中には竹やぶや池などの落とし穴があり、そこにチップが入ってしまったらGETできません。また山の動物たちや風がとなりのコースにどんぐりチップを運んで他の人にGETさせてしまうことも。野山や公園では簡単にできるどんぐりひろいも、このゲームではなかなか一筋縄ではいかないようです。

 「○○の秋」で忘れてはいけないのは、なんといっても「食欲の秋」でしょう。夏の暑さで落ちた体力も回復し、最も食欲の増進する季節であり、さらに「収穫の秋」で海の幸山の幸ともに豊富です。昔の人は、その豊かな恵みを神様に感謝しながら秋の味を楽しみました。
 「食欲の秋」についても、いつごろから使われている言葉なのかを新聞各紙のデータベースで調べてみましたが、1934(昭和9年)9月の朝日新聞に「食慾の秋はまづ魚河岸に現れる」という記事があり、こちらも戦前にはすでに使われていた表現のようです。

 さて、「行楽の秋」にはハイキングやピクニックに出かける機会も多くなりますが、日頃気軽に使っている「ハイキング」と「ピクニック」の違い、みなさんはご存知でしたか?
 辞書でそれぞれの言葉を調べてみると、ハイキングは「自然と楽しみながら野山などを歩くこと(デジタル大辞泉)」で、ピクニックは「野山に出かけて遊んだり食事をしたりすること。野遊び、遠足(デジタル大辞泉)」となっています。どちらも野山に出かけることに変わりはないのですが、ハイキングは野山の散策が目的で、ピクニックは野山で遊びや食事をすることが目的のようで、どうやらピクニックは「行楽の秋」だけでなく「食欲の秋」も兼ね備えたレジャーともいえそうです。

 そんなピクニックに欠かせないのがお昼のお弁当なのですが、この季節にはランチボックスやピクニックセットといった、少女たちにとって秋の遠足にもお役立ちとなるふろくが多数登場しています。

 「ピクニックセット(りぼん 1976年11月号)」は、紙皿+紙ナプキン+コースター+紙コップ+おてふき+ストローのいろいろ入って便利なペアセット。先生方のイラストがステキすぎ&袋にセットされた様子がカンペキすぎて、使うのがもったいなくなりそう。

 2箱のランチボックス&ボックスケース+ビニール製ランチバッグがセットになった「姫ちゃん ランチタイムセット(りぼん 1990年11月号)」や、
 大小2つのランチボックス+ビニール製のランチバッグ&ランチマットがセットになった「友香ちゃん ハッピーランチセット(りぼん 1993年11月号)」、
 おにぎりが3コ入るゆったりサイズのケースとチビおつけものケース、一目でおにぎりの中身がわかるシール、お弁当やおにぎりなどがたくさんのせられるゆったりサイズのランチマットがセットになった「茶美ちゃん おでかけ・おにぎりケース&おにぎりめじるしシール&おでかけランチマット(ちゃお 1994年10月号)」、
 おにぎりボックス+サンドイッチボックス+ビニール製ランチバッグがセットになった「せあらちゃん わくわくランチセット(りぼん 1996年10月号)」など、複数のランチボックスとランチバッグ、ランチマットなどがセットになったものも。

 「いち・に・のさんだんランチBOX&おしゃれナプキン(なかよし 1987年11月号)」は、3つのランチBOXとナプキンケースをまとめてセットできちゃうよくばりなセットです。

 「なるみちゃん ランチボックス(りぼん 1989年10月号)」や、「菜緒ちゃん ランチボックス(りぼん 1999年10月号)」、「蘭ちゃん おでかけランチボックス(りぼん 2000年10月号)」は、中にトレイがついている2段構造。フルーツやナプキン、ウェットティッシュも入れられます。

 サンドイッチボックスとおてふき、紙ナプキンがセットになった「スパンク ウキウキピクニックセット(なかよし 1979年10月号)」や、「チャーミングサンドイッチトレー&ペアペアナプキン(なかよし 1981年10月号)」などの、サンドイッチ用のランチセットも登場しました。子どものころ、お弁当にサンドイッチを持ってくる子はどことなくオシャレな感じがしたものです。

 「一条ゆかりのピクニックバッグ(りぼん 1976年11月号)」や「ラブリー・ランチボックス(なかよし 1980年10月号)」、「きんぎょ注意報! ピクニックボックス(なかよし 1992年11月号)」、「紗南ちゃん ランチボックス(りぼん 1995年10月号)」、「夢のクレヨン王国 おでかけランチボックス(なかよし 1998年10月号)」などの持ち手がついたシンプルなランチボックスも、もちろんありました。箱の上部に丸みをつけたり、ひもを使って箱を閉じたり、真ん中からパカッと開くようにしたりといった工夫が凝らされています。

 これらのランチボックスは紙製ながら、どれも多彩なデザインと機能で市販品を見事に再現していて、紙の可能性を感じさせるものばかりです。ただ食べ物を入れるため、汚れたり濡れたりしてもう使えなくなってしまうかもという不安もありました。ラップやアルミホイルを敷いてガードしたり、食べ物は入れずに小物入れにしたりするなど、少女たちは様々なアイデアでふろくのランチボックスを使っていたようです。

 しかし、そんな心配などご無用の“ホンモノ”ランチボックスがついに登場します。
 「マーメイドメロディーぴちぴちピッチ ラブリーランチBOX(なかよし 2004年11月号)」は、フタも本体もプラスチック製なので汚れても水で洗えます。食べ終わったあとは本体を折り畳んでフタにしまえるから持ち歩きもラクチンの超使えるふろくです。

 「行楽の秋」、「収穫の秋」、「実りの秋」、「食欲の秋」は、自然と触れ合い、自然のモノを味わうアウトドア的な「○○の秋」ともいえるでしょう。
 さわやかな秋晴れの日は、ふろくと一緒にお出かけしても楽しそうですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年

2016年10月27日 (木)

ふろくの花園 51.少女とふろくの歳時記 私たちのハッピー・ハロウィン♪

 昨年の10月31日、様々な仮装をした若者たちが渋谷のスクランブル交差点や六本木に集まっているところが多くのメディアに取り上げられました。テレビの画面に映し出されるその騒ぎっぷりを見て、「この人たちは何でこんなことをしているの?」「今、日本でいったい何が起こっているのか?」と、頭の中が“?”でいっぱいになったことを今でも覚えています。
 今年もまた、この「ハロウィン」の季節がやってきました。ハロウィンの市場規模は年々伸びていて、日本記念日協会によると3年前に1000億円を初めて突破し、この6年で3.5倍に膨らんだとのこと。特にここ2~3年で、夏休みが終わって9月に入ると街は早くもオレンジと紫に染まるようになり、夏休みとクリスマスの間をつなぐイベントとしてすっかり定着したようです。
 さて、ハロウィンに若者たちが大騒ぎする様子を見て顔をしかめる人々が決まって口にするのが、「ハロウィン本来の意味を分かっているのか」なのですが、みなさんは「ハロウィン」の本来の意味を知っていましたか? 私が持っていたハロウィンのイメージは「日本のお盆のようなもの」だったのですが、周りの人に「ハロウィンって何の日?」とたずねてみたところ、そのほかに「仮装して街を歩く日」「カボチャを飾る日」「いろんな家を回ってお菓子をもらう日」「収穫祭」などいろんな答えが返ってきて、いまひとつその実態がつかみにくかった風習なのです。

 オシャレ大好き少女たちにとっては、「仮装とお菓子」の日になっているハロウィン。今回はハロウィンにちなんだふろくを紹介するとともに、ハロウィンについての“?”を調べてみました。

 そもそも「ハロウィン」とは何の日なのでしょうか?

 10月31日のハロウィンを一言でいうと、「キリスト教の聖人を記念する祝日・万聖節の前夜祭」で、古代ヨーロッパ民族であるケルト人が2000年以上前から行ってきた、1年の終わりに秋の収穫を祝って先祖の霊を迎える祭りに由来するとされています。古代ケルトでは10月31日が1年の終わりとされ、その日の夜に先祖の霊が家族のもとに帰ってくると信じられていました。ただ、この世に帰ってくるのは先祖の霊だけでなく、悪霊や魔女、妖精も現れます。人々は身を守るために仮面をかぶり、魔除けのたき火を焚いていたそうです。
 3~4世紀ごろにヨーロッパにキリスト教が広まると、7世紀の初めごろにケルトのこの風習がキリスト教の祝日である11月1日の万聖節の前夜祭と結びつき、「All Hallow's Eve(諸聖人の日の前夜祭)」を短くした「ハロウィン」と呼ばれる行事になりました。
 17世紀以降、ヨーロッパからアメリカに渡った移民たちがハロウィンの風習を持ち込んだことでアメリカ全土に広まります。次第に宗教色は薄まって大衆化し、カボチャをオバケの顔のようにくりぬいて飾ったり、子どもたちが仮装して「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」と言って近所を回ってお菓子をもらったりするイベントも加わり、現在のような楽しいイベントへと変わっていきました。

 ハロウィンの行事が日本で広まり始めたのは1980年代に入ってからとされています。そのきっかけは1983年に東京・原宿で行われた仮装パレードだそうです。新聞各紙の記事データベースで日本でのハロウィン関連記事を調べてみたところ、「ハロウィンの31日、六本木のディスコで仮装パーティー(1987年)」「ハロウィン仮装 楽しいゾ 恵比寿、代官山に2千人(1987年)」「仮装列車で行こう! ハロウィンエクスプレス号(1989年)」など、1980年代の終わりごろから都市部でのハロウィン仮装イベントの記事が目立つようになってきました。1990年代に入ると各デパートなどが商戦として展開し、1997年に始まった東京ディズニーランドのハロウィンイベントと川崎ハロウィンパレードにより、行事の認知度が一気にアップします。保育園や幼稚園、商店街などでもイベントが行わるようになり、子どもたちにとっての楽しいお祭りがまた一つ増えたのです。

 そんな子どもたちが大好きなお祭りを、ふろくが見逃すわけがありません。

 「ハロウィン」をとりあげたふろくは、「ゆりのハロウィン・ブックカバー(ひとみ 1989年10月号)」や、あざやかハロウィンデザインの「Pなつ通り ジョイフルレターセット(なかよし 1989年10月号)」が、1980年代の終わりごろに登場しています。

 1990年代に入ると「吹雪ちゃん ハロウィーンしたじき(りぼん 1993年10月号)」や、立体的なアートフレーム「ミモリちゃん ハロウィン・フレーム(りぼん 1997年10月号)」、かぼちゃ形の「りぼんギャグキャラ びっくり伝言メモ(りぼん 2002年10月号)」などのハロウィンシーンを描いたふろくが登場。ハロウィンの雰囲気を楽しめます。

 ハロウィンの合言葉といえば「トリック・オア・トリート(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)」です。
 なぜ、この言葉が使われるようになったのでしょうか?

 ケルト民族が祭りのための食糧を集めて歩いたことや、11月2日に亡くなった人がいるキリスト教徒の家を訪ねてパンケーキをもらい、そのお礼にお祈りをすると死者が天国に行けるという中世ヨーロッパの風習、家の前に供え物を出しておかないと通りかかった幽霊が怒って翌年その家に災いをもたらすなど、その由来には様々な説がありますが、仮装をした子どもたちが近所の家を回り、この言葉でお菓子をもらう現在のような形式は、アメリカで20世紀に入ってからできあがりました。
 子どもたちが食べ物をもらって回る風習はアメリカでも以前からあちこちで存在していましたが、ハロウィンが広まりはじめた1920年代になると、さまざまな土地の新聞に「トリック・オア・トリート」という言葉が登場し始めます。やがて子ども向けの人気雑誌やラジオ番組が「トリック・オア・トリート」について取りあげ、1950年代になると全国的に知られる習慣になったそうです。

 「ぜんまいじかけのティナ スウィート・ハロウィンゲーム(なかよし 2000年10月号)」は、4人で遊んでゲーム盤を1周する間におうちのマスにあるおかしチップを集めるゲーム。特にルールには書かれていないのですが、おうちのマスに止まったとき「トリック・オア・トリート」と言っておかしチップをもらうと、よりハロウィンっぽくなりそうですね。    

 カボチャのタグがついた「まゆみのハロウィン・バッグ(ひとみ 1990年11月号)」や、ビニールタイつきの「実果子ちゃん ハロウィーン・バッグ(りぼん 1995年10月号)」、「チャチャ パンプキン・プレゼントバッグ(りぼん 1997年10月号)」、1つずつ切り離せる袋が3つついた「ぷくぷく ハロウィンキャンディーパック(ちゃお 1999年10月号)」、「ミルモ ハロウィンキャンディバスケット(ちゃお 2004年10月号)」は、お友だちにお菓子をあげるときはもちろん、自分がお菓子をもらいに行くときにも使えるかわいいギフトパッケージです。
 また、お面にメッセージをかいてキャラクターカードにかぶせて渡す「ハロウィンごあいさつカード(ちゃお 1994年11月号)」や、「株式会社ラブコットン スライドメッセージハロウィンカード(りぼん 2008年11月号)」といった、メッセージカードをお菓子のプレゼントに添えるとより楽しんでもらえそう。

 ハロウィンの代表的なシンボルといえるのが、オレンジ色のカボチャに目・鼻・口をくりぬいて作るランタン(手さげのランプ)「ジャック・オー・ランタン」です。
 なぜ、カボチャに顔を彫るのでしょうか?

 「ジャック・オー・ランタン」は、元々はカブを使って作られていました。ジャックという悪い男が悪魔をだました罰として、死んだ後もカブで作ったランタンを持ちあの世とこの世の間を永遠にさまよい歩いているという、アイルランドに伝わる「けちんぼジャック」の伝説がもとになっています。アメリカにハロウィンが伝わったときに、カボチャの生産量が多いのと、ちょうど収穫の時期にあたるため、カブの代わりにカボチャを使ってランタンを作るようになりました。カボチャに怖い顔を彫って、ろうそくを灯して家の前にかざっておくと悪霊を払ってくれると信じられています。ちなみに現在でもアイルランドなどでは、カブを使って作っているそうです。
 ジャックの悪霊を避けるために怖い顔を彫ったはずなのですが、その表情はどことなくユーモラス。それが日本人の“カワイイ”心を刺激したのか、日本においてはハロウィンのマスコットキャラクターとなり、この時期になると街中が「ジャック・オー・ランタン」風のグッズでいっぱいになります。

 ふろくにも、「コンなパニック ハロウィンボックス(なかよし 1992年10月号)」や、「のえる&まりあ ハッピーハロウィーンペンスタンド(りぼん 1998年10月号)」、「はじけてB.B. ハロウィンBOX(ちゃお 1998年10月号)」、「デリシャス! ハロウィン・かぼちゃボックス(なかよし 1996年10月号)」、「結婚しようよ ハロウィンパンプキンボックス(なかよし 2002年10月号)」、「13日は金曜日? パンプキンボックス(りぼん 2003年10月号)」、「聖〈セイント〉ドラゴンガールみらくる ハロウィーン★パーティーボックス(りぼん 2004年10月号)」といった、「ジャック・オー・ランタン」をモチーフにしたカボチャ型の小物入れが登場しています。
 大きさは様々ですが、ふたや仕切りもついていて机の上の小物をバッチリ収納。ハロウィンが終わっても使いたくなりそうなかわいさです。

 現在のハロウィンのメインとなっている仮装。
 なぜ、オバケや魔女の仮装をするのでしょうか?

 ハロウィンには先祖の霊だけでなく悪霊もこの世に現れると先に書きましたが、避けたい霊に出会ってしまったときに自分だとバレないよう、霊をだまして追い払うためにオバケや魔女など怖いものの仮装をするようになりました。中世のキリスト教社会では、神秘的なものや魔術が生活に根付いていたため、魔女や悪魔が恐れられていたそうです。

 鼻つきメガネとヘアバンドで楽しくお茶目に変装できる「アニマル横丁 ハロウィン変装セット(りぼん 2001年10月号)」や、コウモリと黒猫ミミのヘッドドレス2個セット「ラブ・ベリッシュ! ハロウィーン★おしゃれ仮装グッズ(りぼん 2006年10月号)」といった、ふろくの仮装グッズは紙製だけどバッチリ使えます。パーティーだけでなく、学芸会や運動会の応援合戦につけても目立てそうですよ。

 そして、ハロウィンが盛り上がりを見せてきたここ数年は、“ホンモノ”ふろくを中心にした雑貨セットがふろくになっています。

 「クラスアイドルセット(なかよし 2014年10月号)」は、暗い所で光るイヤーアクセがついたダテメガネと、ワイヤー入りで形が変えられるカチューシャのセット。イヤーアクセは黒猫モチーフで、カチューシャにはカボチャやオバケ、黒猫のほか、コウモリ、クモの巣のイラストが散りばめられていて、ハロウィンパーティに大活躍しそうです。
 「ハッピーハロウィン☆ステショセット(りぼん 2014年11月号)」は、ウエハース型のボールペンとロリポップキャンディ型のマーカー、パンプキン柄のきんちゃく、カップケーキ型メモ、袋入りグミ型消しゴムといった、ハロウィンに欠かせないスイーツモチーフの文房具に、仮装に使えるボディペイントシールのセット。
 「ハロウィン☆パーティーセット(りぼん 2015年11月号)」は、キュートなネコに変装できるメガネペンと、写真を撮るときに付けたいヒゲ型のふせん、電気を消すと魔女が光るウォールステッカー、開くと絵柄が変わる仮装メモ、カボチャ型のパンプキン馬車ボックス、暗闇で光るオバケ型消しゴム、そして前年に引き続きボディシールのセット。ハロウィンに友だちと一緒にワイワイ遊べるグッズが大集合。
 「ハロウィンパーティーセット(りぼん 2016年11月号)」は、変装して記念写真が撮れるヒゲ付ボールペン、4つの柄が1本に詰まったマスキングテープ、アプリスタンプ風シール、オバケイラストのきんちゃく、オバケ・カボチャ・黒猫・コウモリが大集合で壁に貼ってお部屋を飾れるガーランドのセット。オールオバケで身の回りのモノをハロウィン仕様にかわいくデコれます。

 これらのふろくに描かれる、カボチャ・オバケ・魔女・黒猫・コウモリ・クモの巣。
 なぜこれらがハロウィンのシンボルになっているのでしょうか?

 カボチャ・オバケ・魔女については先ほど書きましたが、黒猫は魔女の使いの中でも特別な存在であったこと、コウモリはハロウィンのたき火に寄ってきた虫を食べようと集まってくること、クモやクモの巣はそれらから生命のサイクルや時の流れを感じ取ってきたことなどからハロウィンに欠かせないモノになったようです。
 ハロウィンのシンボルはもともと人々に恐れられていたものなのですが、今では怖いはずの幽霊がにっこり笑っていたり、黒猫やクモ、コウモリがかわいく描かれていたりと楽しい遊びに変わっています。

 ハロウィンについての“?”をひととおり調べてみたところで、話を最初に戻しましょう。ここ最近のハロウィンに街へ繰り出して騒いでいる若者の中で、アニメやマンガのキャラクターなどハロウィンとは全く関係ない仮装も目につくようになり、なぜ今ここでこの格好をするのかと思うこともあります。外からその様子を見ている人々に「ただ騒いでいるだけで、ハロウィンが何なのか分かっているのか」という感想を抱かせてしまうのは、これも理由の一つなのかもしれません。

 最後に、なぜ日本のハロウィンは幅広いジャンルの仮装イベントなのでしょうか?

 一部の愛好家が行ってきたコスプレのイベントがハロウィン行事の一つである仮装と結びついた、テーマパークのハロウィンイベントで仮装ができるようになった、地域の仮装パレードが普及してきたなど、ハロウィンの仮装イベントが広まった理由は様々です。その中でもキーとなるのは、自分たちがとびついた新しいモノ・コトを他の若者たちに拡散・伝播し強い影響を与えることができる、流行の仕掛人的な若者たちの存在でしょう。彼・彼女らが2007~2008年ごろ東京でハロウィンに面白がって始めた仮装が、2013~2015年には日本全国の幅広い年代が参加する国民的イベントになっていきました。スマートフォンでイベントの様子を撮影し、SNSに続々と投稿してたくさんの人に見せることもその普及に一役買っています。若者たちは、友だちを集めてみんなでワイワイ楽しむ場としてハロウィンを取り入れ、自分たちのアレンジを加えて「ハロウィン=仮装をして楽しく騒ぐ日」というスタイルを確立させました。そんな若者たちにとってハロウィンとは宗教的意味合いなど関係のない、普段は押さえている変身願望を1年に一度、ここぞとばかりに開放する仮装のお祭り、いわば“ハレの日”なのです。

 『りぼん』『ちゃお』の本誌に安くて簡単にできるハロウィン用コスプレとメイク、おもしろ写真撮影のガイド記事が掲載されたり、読者世代の少女たちに向けた「今年なに着る? がぜったい見つかる!!」をキャッチコピーにしたハロウィンコーデ=仮装のガイドブックが出版されるなど、少女たちの間でもハロウィンの楽しみは今や、どんな仮装をするか(+ハロウィン限定スイーツ)になっているようです。

 古代ヨーロッパで始まった神秘的な儀式がアメリカに渡り、暗くて不気味なイベントだったハロウィンは、今では明るいイベントになりました。場所が変わり、時代の流れによってハロウィンという行事の意味合いも変わっていきます。日本にやってきたハロウィンも独自に進化していくのは自然なことでしょう。
 本来の意味からちょっと外れていても、仮装メインのこのスタイルが、今を生きる“私たちの”ハロウィンなのです。
 でも、いろいろなシンボルの由来を知れば、これまでよりもっと深く、ハロウィンという行事に興味を持てるようになるかもしれませんよ。

 今年のハロウィンを楽しめるのもあとわずか、仮装もお菓子も、思いっきり「ハッピー・ハロウィン」しちゃいましょう♪

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす』原田曜平 著 新潮社 2016年
『HAPPY★ハロウィンBOOK』ぷっちぐみ10月号増刊 小学館 2016年
『マイ・ヴィンテージ・ハロウィン』マリオン・ポール 著 グラフィック社 2015年
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『まるごとかぼちゃ 絵図解やさい応援団』八田尚子 構成・文 絵本塾出版 2014年
『絵でわかる社会科事典 (4)年中行事・祭り』鎌田和宏 監修 学研教育出版 2013年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 10月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『21世紀こども百科 もののはじまり館』小学館 2009年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年
『ハロウィーン SNSで熱く』読売新聞 2016年10月17日朝刊

2016年10月10日 (月)

ふろくの花園 50.少女とふろくの歳時記 秋の大運動会

 今日は10月10日。「スポーツに親しみ、健康な心身をつちかう」ことを目的とした祝日「体育の日」です。
 1964(昭和39)年のこの日に「東京オリンピック(第18回夏季大会)」の開会式が行われたことを記念して1966(昭和41)年に制定された祝日であることや、当時東京で最も晴れる確率の高い日だったことから開会式が10月10日に決まったこと、「敬老の日」(49.少女とふろくの歳時記 おじいちゃんおばあちゃんを大切に 参照)同様、「ハッピーマンデー」制度の導入により2000(平成12)年から10月の第2月曜日に変更されたことは、すでにご存知のことと思います。
 この「東京オリンピック」が10月に開催されたことで「スポーツの秋」といわれるようになりました。さわやかな秋晴れの日が多く体を動かすのに最適なこの時期、地域や学校などでは秋の運動会シーズン到来です。といっても今年の場合は暑さやジメジメ感、雨や曇りがしつこく続き、なかなか澄み切った青空の下とはいきませんが……

 そんなこの季節は、ふろくでも秋の大運動会が開催されています。

 「真奈美&浩一 かけっこノート(りぼん 1985年10月号)」や「ラブわん! うんどうかいバッグ(りぼん 2003年10月号)」は、キャラクターたちが障害物競走や大玉ころがし、パン食い競争などに奮闘するイラストが描かれていて、持ってるだけで運動会気分が味わえます。
 「まぼろし谷のねんねこ谷 ガンバレ!はちまきタマゴ(なかよし 1995年10月号)」は、ゆでタマゴに熱でくっつけることができるフィルム。運動会のお昼休み、おべんとうのフタをあけると“一等賞”の旗を持ったキャラクターのかわいいゆでタマゴが現れますよ。

 運動会でおなじみの、あの種目を楽しめるゲームも登場しました。

 「電脳少女★Mink 運動会かりものゲーム(なかよし 1999年10月号)」は、コースの途中に置かれた紙を拾ってそこに書かれている品物を借りてくる「借り物競争」をテーマにしたゲーム。
 サイコロをふってスタートから出た目の数だけコマを進めていき、止まったマスに指示があればそれに従います。途中2ヵ所ある“かりものゾーン”でかりものカードをめくり、カードに書かれたコースを進み、最初にゴールインした人が優勝です。名前は「かりものゲーム」なのですが、かりものカードに書いてあるものを実際に借りてくるというルールはなく、選んだコースによってマスが多かったり少なかったり、指示の内容が簡単だったり難しかったりと進みやすさが変わるので、“借り物競争”というよりは“障害物競走”に近いのかもしれません。「変な顔をしてみんなを笑わせる」や「好きな人の名まえをいう」といった指示は、少女たちには結構難易度が高いのではないでしょうか。

 「夢見なサイキック! 親ゆび騎馬戦バトル(なかよし 2001年11月号)」は、「騎馬戦」をテーマにしたゲーム。
 2、3人で組んで馬を作りその上に別の1人が乗って、敵味方に分かれて上に乗っている人を落とし合ったり帽子などを取り合ったりする「騎馬戦」は、1874(明治7)年に日本で最初の運動会とされる海軍兵学校の「競闘遊戯会」ですでに行われており、戦国時代の馬に乗っての戦いからできたともいわれています。ケガ人出る度も観てる方のエキサイト度も高い伝統の種目です。
 このゲームは運動会のトラックを描いたゲーム板に穴が2ヵ所開いていて、そこに自分と相手の親指を入れて遊ぶという、過去に登場した指ずもうゲーム「クラッシュ対極悪同盟 レスリングゲーム(なかよし 1986年3月号)」(昭和60年代の花園 ふろくでファイト! 参照)と同じしくみになっています。ただ、こちらの騎馬戦バトルゲームは単なる指ずもうではなく、運動会の「騎馬戦」ならではのアイテム“紅白帽”がキーポイントとなります。指ずもうのように自分と相手の手を組んで、それぞれの親指に指輪型の紅白帽とゲーム板をセットし、「ようい、ドン!」のかけ声でゲームスタート! 親指をうまく使って相手の帽子をはずしたほうが勝ちです。本物の騎馬戦みたいにみんなでワイワイ楽しめそうですね。 

 運動会で自分のチームを勝利に導くために、熱い応援はとっても大切。ふろくの応援グッズが、少女たちの必勝祈願をサポートします。

 「シロちゃん はちまきサンバイザー(りぼん 1991年10月号)」は、自分のはちまきを使って頭にセットする紙製サンバイザー。「ガンバレガンバレ」と声援を送るチアガールのイラストがかわいくて、クラスの女子みんなで着けて応援したくなっちゃいそう。
 「清香&由布子 スポーツわっしょい・セット(りぼん 1988年10月号)」は、応援うちわやあがらないお守り札、勝った人の胸につけるおめでとカード、優勝カップカードなど、運動会を盛り上げる、面白くて使える応援グッズが満載です。

 応援グッズの代表的存在といえば、なんといっても「メガホン」でしょう。
 遠くまで音声を届かせるために、口に当てて用いるラッパ型の器具である「メガホン」は、今やスポーツの応援に欠かせません。

 「ゆみタンのキャピキャピ応援メガホン(ひとみ 1985年10月号)」をはじめ、
 振るとシャカシャカ音がする「シロちゃん CHACHACHAメガホン(りぼん 1990年10月号)」と「チャチャのチャッチャッチャッメガホン(りぼん 1993年10月号)」、
 ひも付きで首から下げられる「翠ちゃん おうえんメガホン(りぼん 1991年10月号)」、
 姫ちゃんイラストの口の部分にメガホンが付いている「姫ちゃん ガンバレメガホン(りぼん 1992年10月号)」、
 メガホンをふると旗や手が動く「友香ちゃん ファイトメガホン(りぼん 1994年10月号)」、
 虹子ちゃんがチアガールのポンポンを持っていて、振るとパタパタ音がする「虹子ちゃん チアガールパタパタメガホン(ちゃお 1994年10月号)」、
 手のひらサイズでかわいい「どーなつプリン がんばれモエちゃん!応援メガホン(なかよし 2002年10月号)」など、「メガホン」は特に1990年代前半、10月号の定番ふろくとなっています。

 平らな紙を丸めて立体的なラッパ型の筒を作ることで市販のメガホンの形を再現し、さらに細かなチップを入れた箱を差し込んだり、筒の内側や外側に紙を1~2枚付けることで、振ると音が鳴るように工夫する。1枚の紙からどうしてこれほどのモノが作れるのだろうかと、紙という素材の可能性を改めて感じさせられたふろくです。
 これらのかわいいメガホンで、少女たちの声援もバッチリ届いたことでしょう。

 今年は2011年以来、久々に10月10日が「体育の日」にあたりました。8日から14日まで、年によっていろいろな日付になりますが、やっぱり本来の意味であるこの日がいちばんしっくりきます。リオデジャネイロでのオリンピックが終わり、いよいよ次はまた東京でのオリンピックだという実感が湧いてきた今年、10月10日が「体育の日」になるのは何か特別なめぐりあわせがあるような気がします。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 10月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『辞書びきえほん もののはじまり』陰山英男 監修 ひかりのくに 2010年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所 編 三省堂 2009年
『21世紀こども百科 もののはじまり館』小学館 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『まるごとわかる「日本人」はじめて百科 (1)生活・行事をはじめた人』日本図書センター 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年

2016年9月25日 (日)

ふろくの花園 49.少女とふろくの歳時記 おじいちゃんおばあちゃんを大切に

 9月の第3月曜日は「敬老の日」。今年は9月19日です。長い間社会につくしてきたお年寄りを敬い長寿をお祝いする日で、様々な経験をしてきた“人生の大先輩”であるおじいちゃんとおばあちゃんに感謝の気持ちを伝えましょう。

 「敬老の日」はもともと9月15日でした。
 兵庫県野間谷村(現在の多可町)の村長が、1947年の9月15日に敬老会を開き「としよりの日」としたことがはじまりで、1966年に「敬老の日」として国民の祝日になりました。
 また、それ以前から9月15日は、聖徳太子が身寄りのないお年寄りや病人の世話をするための施設「悲田院」を、大阪の四天王寺に建てた日とも伝えられています。
 このように9月15日は、お年寄りにとって二重に意味のある日だったのです。しかし、祝日を特定の月曜日に移動させることで土日と合わせて3連休にするという「ハッピーマンデー」制度の導入により、2003年から「敬老の日」は9月の第3月曜日に移動することになりました。連休が増えるのはうれしいですが、日付が不定になることで祝日の本来の意味がわかりにくくなってしまうのには少し寂しさも感じます。

 そんな「敬老の日」にピッタリな、おじいちゃんとおばあちゃんへのプレゼントにもなるふろくが登場しました。

 「まゆみ! ご長寿お守&メガネふき(りぼん 1998年9月号)」は、人気漫画のキャラクターが描かれた不織布のような素材のかわいいメガネふきと、メッセージも書けるメガネふきケースのご長寿お守、プリクラが貼れる印籠お守の3点セットです。メガネふきはウラもオモテも使えて、時計や電話、アクサセリーの汚れをふくときにも使えるお役立ちグッズ。1998年のふろくのため、「9月15日は敬老の日」と書かれているところに時代を感じます。
 「お守りの中にメガネふきと印籠お守を入れ、おじいちゃん・おばあちゃんにプレゼントを!」や、「おじいちゃんやおばあちゃんにメッセージをかこう」、「メガネふきを入れてわたそう。長生きしてねのメッセージといっしょに…」など、「敬老の日」のプレゼントとして使うことを強力にプッシュしていたのですが、少女たちから寄せられた感想のおたよりを見てみると、「メガネをかけている私にとっては嬉しいもの。これでいつもメガネはピカピカです」「めがねふき なんだかやたらと役にたつ なんか自分で使ってるし」など、プレゼントよりも自分で使ってしまっていたようです。
 大好きなおじいちゃんやおばあちゃんにでも、あげちゃうのはもったいないくらい魅力的なふろくだったのでしょう。

 家族への尊敬や感謝の気持ちを伝える祝日は、他にも「母の日」(39.少女とふろくの歳時記 お母さん、ありがとう 参照)と「父の日」(41.少女とふろくの歳時記 お父さん、おつかれさま 参照)がありますが、アメリカから伝わったこの2つとは違い、「敬老の日」は日本生まれの長寿国ならではの祝日なのです。
 この日をきっかけに、自分の身内でなくても日々の生活の中でお年寄りを大切にして、手助けしようとする気持ちを忘れないようにしたいですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 9月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所 編 三省堂 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年

2016年9月21日 (水)

ふろくの花園 48.少女とふろくの歳時記 十五夜にお月見

 9月も半ばになると、ようやく秋らしいさわやかな気候に変わりはじめ、夜は涼しい風に交じって虫の声が聞こえるようになりました。夜空に浮かぶお月さまも、澄んだ空気の中ハッキリと見えるようになってくると、そろそろ「十五夜」がやってきます。

 「十五夜」とは旧暦8月15日の夜のこと。現在の9月中旬~10月上旬にあたり、今年は9月15日です。1年でいちばん月が美しくみえる夜とされていて、お供えものをして月をながめる「お月見」の風習があります。7・8・9月を秋とする旧暦では8月15日が秋の真ん中になるため、「十五夜」に出る月は「中秋の名月」ともよばれています。

 中国では唐の時代から旧暦8月15日の夜に満月をながめる中秋節が行われていて、日本では奈良時代にその風習が伝わりました。平安時代の貴族たちは「月見の宴」を催し、水面にうつる月の美しさを和歌に詠んだり、音楽を演奏したり、お酒をたしなんだりして、華やかに月見を楽しんでいたそうです。
 江戸時代になると庶民の間にも月をながめる風習が広まりますが、「十五夜」が秋の農作物を収穫する時期にあたることから、とれたばかりの農作物を神様にお供えして豊かな実りを感謝する“収穫祭”としての意味合いも持つようになり、これが現在の「お月見」の始まりといわれています。

 和紙を使ったまぶしすぎる金ピカシール「おつきみ和風シール(ちゃお 1999年9月号)」と、持っているだけで神秘的な気持ちになれる和風シール「紳士同盟†〈クロス〉 お月見シール(りぼん 2006年9月号)」は、どちらも「お月見」シーンが描かれていて雰囲気を味わえるふろくです。

 「お月見」シーンといえば、まん丸の満月のほか、お供えもののススキと月見だんごが定番でしょう。
 秋の七草のひとつであるススキはお月さまを招く目印で、実る稲穂に見立てています。魔除けになるとされていて、お月見のあとに家の軒下につるす風習もあるとのこと。
 月見だんごは満月に見立てた真っ白いまん丸のおだんごを、三方と呼ばれる台の上に1年の月数である12個または「十五夜」にちなんだ15個供えますが、地域によってはあんを巻いたり、だんごの中央をくぼませています。
 また、ひと株でたくさんのイモが実るサトイモを子孫繁栄の縁起ものとして供えることもあり、中秋の名月は「芋名月」とも呼ばれています。

 昔の人々にとって月とは、夜の明かりとなるだけでなく、月日や時間の経過を知る目安でもあったのです。月の満ち欠けをもとに1か月を決め、日によって少しずつ形を変えていく月を見ておおまかな日付を知り、農作業や行事の時期を決めていました。
 そして、平安時代の貴族たちは変わっていく月の形や出る時間などにちなんだ様々な呼び名を付けます。
 新月を「初月〈はつづき〉」、三日月を「眉月〈まゆづき〉」、上弦・下弦の月を「弓張月〈ゆみはりづき〉」、満月を「望月〈もちづき〉」と呼んだほか、16日目の月を「十六夜月〈いざよいづき〉←満月より遅い時刻に出て月がいざよう(ためらう)」、17日目の月を「立待月〈たちまちづき〉←さらに出るのが遅くなる月を今か今かと立って待つ」、18日目の月を「居待月〈いまちづき〉←出るのをゆっくり座って待つ」、19日目の月を「臥待月〈ふしまちづき〉←出るころにはすでに寝床に入っている」、20日目の月を「更待月〈ふけまちづき〉←夜が更けるころに出る」とも名付けました。月を表すこれらの美しく詩的な呼び名は和歌などにも詠まれています。

 そんな人々の生活に密着した、月の満ち欠けを取り入れた占いのふろくも登場しています。

 「アリスちゃん お月さま・くるくる占い盤(ちゃお 1994年9月号)」と「シュガシュガルーン ムーンゲート占い(なかよし 2004年9月号)」は、どちらも円盤を回すタイプの占いです。内側と外側の円盤に描かれているマークを好きな位置もしくは日付の数だけ回して合わせ、占い盤を裏返すと満月や三日月、半月などの形にくり抜かれたいくつかの窓のうち、どこか一つが黄色のお月さまになります。出た月の形で1日の運勢を占うのですが、結果にはお月さまが出ない=新月もあります。どのお月さまが出るのかワクワクドキドキで、神秘的な月のパワーももらえちゃうそうな、なかなかロマンチックな占いふろくです。

 さて、「十五夜」の月といえば満月のイメージがあるかと思いますが、実は「十五夜」の夜は必ずしも満月になるとは限らないのです。実際、今年は「十五夜」が9月15日、満月は2日後の9月17日でした。
 それでも秋の夜長に、満月だけではなくいろいろな形の月で、その呼び名とともに「お月見」を楽しむのもまた風流かもしれませんね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 9月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所 編 三省堂 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年

2016年8月29日 (月)

ふろくの花園 47.少女とふろくの歳時記 夏を涼しく過ごそう

 もうすぐ8月も終わりになりますが、まだまだ暑い日は続きそうですね。
 さて、毎年7月と8月は、「浮輪のキーブローチ(りぼん 1968年9月号)」の浮き輪や、「サマーギフトBOX(なかよし 1988年8月号)」、「未央ちゃん スイカ貯金箱(りぼん 1991年7月号)」、「ワイルドだもん ワイルドスイカBOX(なかよし 2003年7月号)」のスイカ、「だぁ!だぁ!だぁ! 蚊取りワンニャーカードラック(なかよし 2001年7月号)」、「どこでもハムスター ぐるぐるメモなのねー!(なかよし 2001年7月号)」の蚊取り線香、「ひえひえアイスクリームメモ(ちゃお 2001年7月号)」、「ほっぺにチューボー! 冷え冷えアイスメモ(なかよし 2002年7月号)」のアイスクリームなど、夏の風物詩、夏ならではのモノがデザインされたふろくの数々が夏気分を盛り上げて、少女たちの目を楽しませてくれます。

 それとともに夏の定番として登場しているのが、クールな気分を味わえて暑い日を涼しく過ごせるふろくです。

 まずは冷たい飲み物や食べ物をより楽しむためのアイテムを紹介します。

 グラスに氷とジュースを入れるだけでも充分おいしいけれど、ふろくを使ってもっと見た目も涼しく楽しんじゃいましょう。
 ジュースを飲むためのストローは、「変身ストロー(なかよし 1988年8月号)」や「ぎょぴちゃんストロー(なかよし 1990年7月号)」など、1980年代の終わりごろから夏におなじみのふろくとなりました。
 「菜緒ちゃん ピンキーストロー(りぼん 1999年7月号)」や「だぁ!だぁ!だぁ! ふしぎストロー(なかよし 2001年7月号)」、「ビビってむ~ちょ ビビの王女様ストロー(なかよし 2002年7月号)」、「アイがなくちゃね! 宇宙デパート限定販売ストロー(なかよし 2003年7月号)」といったストローは、袋だけでなくカラフルな本体にも細かなイラストが印刷されていて、グラスに入れると華やかさがアップします。お店のストローだと袋を開けたあと、クシャクシャっとしてテーブルに置いてしまうことが多いけど、こちらは開けても袋を捨ててしまうのがもったいないくらいのかわいさで、使い終わったらまた袋にしまって何度でも使いたくなってしまいます。
 グラスの下に敷くコースターも、ジグソーパズルもできる「知夏 ジグソーパズルコースター(なかよし 1989年7月号)」や、冷たいグラスをのせると色が変わる「みずき クールサマーコースター(なかよし 1990年7月号)」、「花ちゃん ひえひえコースター(りぼん 1989年7月号)」など、遊び心が詰まっています。
 グラスに貼って楽しめる、中のジュースの色がシールの窓から見える「翠ちゃん グラスシール(りぼん 1992年7月号)」や、冷やすと絵柄が変わる「Go→Go→ひえ2シール(ちゃお 2000年8月号)」、「みい子のひえ~るシール(ちゃお 2001年8月号)」などの仕掛け付きシールも暑さが続くこの時期ならではのふろくです。

 暑い日に食べたくなる、あのおやつをつくれるふろくも登場しています。
 「セーラームーン ルナ型ミニアイスセット(なかよし 1993年8月号)」や「アキハバラ電脳組パタPi! ひえひえアイスキャンディーセット(なかよし 1998年8月号)」、「ムーぽん ひえひえアイスキャンディーセット(なかよし 1999年8月号)」は、かわいいアイスキャンディーが簡単につくれちゃうキットです。人気漫画のキャラクターの形をした型にジュースを注いで冷凍庫に入れると、色とりどりのアイスキャンディーのできあがり。スティックもついているから食べやすくて本格的だけど、食べ過ぎには要注意ですよ。

 そして、暑い日に欠かせない持ち物といえば、涼しい風を送ってくれる「うちわ」と「扇子」です。

 うちわは奈良時代に中国から伝えられ、平安時代に折りたためる形の扇子が日本で考え出されました。貴族の間では、日よけや顔を隠すことにも使われていて、現在のようにあおいで風を起こす道具になったのは江戸時代からといわれています。竹細工と紙の技術が発達したことで庶民の間にもうちわや扇子が普及していき、江戸では女性の間でうちわを持つことが流行します。役者の似顔絵を描いたものや絹でつくったものなどさまざまなうちわが現れて、お盆やお中元に贈答が行われていたそうです。

 『なかよし』『りぼん』のふろくにも、「お花のせんす(りぼん 1961年8月号)」や「くじゃくのうちわ(りぼん 1963年8月号)」「モダン扇子(なかよし 1965年7月号)」など昭和30年代後半から、夏の夕涼みにピッタリのうちわや扇子が登場しました。

 「陸奥A子のファンシー・ファン(りぼん 1981年8月号)」や「わんころべえ まんまるうちわ(なかよし 1993年7月号)」は、まん丸の形で持ち手に穴が空いています。
 「わんころべえ 夏まつり納涼うちわ(なかよし 1988年7月号)」や、あおぐ部分が透明フィルムで涼しげな「メロディ パタパタふぁん(りぼん 1988年7月号)」は持ち手がついているタイプです。
 「くいしんぼまるちゃんうちわ(りぼん 1989年7月号)」や「玉三郎 パタパタうちわ(りぼん 2004年8月号)」は、人気漫画のキャラクターの形で涼しさだけでなくかわいさも満点。
 「姫ちゃん シーサイドせんす(りぼん 1993年7月号)」や「風子ちゃん コンパクトせんす(りぼん 2002年7月号)」は紙製の扇子。折りたたみができて持ち運びにも便利です。
 「菜緒ちゃん さわやかせんす(りぼん 2001年7月号)」はレモンの香りつき扇子。あおぐたびにさわやかな風が吹いてきます。
 「かみちゃまかりんchu トロピカル☆折りたたみウチワ(なかよし 2007年7月号)」や「甘~い折りたたみウチワ(なかよし 2011年8月号)」は、お店で売っているものと同じくらいしっかりとしたつくり。折りたたんでいるときは長さ約13cmでバッグに入れて持ち歩けるコンパクトサイズだけど、プラスチック製の持ち手をぐるっと開いて止め具で固定すると、大きなうちわに変身! 使いやすくておでかけ先でも涼めちゃう、新世紀の“ホンモノ”ふろく(23.新世紀のふろくの花園 (1)ホンモノがふろくに!? 参照)の扇子型うちわです。

 夏を涼しく過ごすための“ホンモノ”ふろくの真骨頂は、なんといっても電気で動く「扇風機」でしょう。
 江戸時代には、うちわを放射状に取り付け、ろくろを使って手回しで風を作り出す「手回し扇風機」が使われていましたが、その後明治30年に、スイッチ一つで風を起こせる日本初の電気扇風機が発売されました。
 この技術の進歩同様、ふろくが起こす涼しい風も手動→電動に進化したのです。
 最初に登場したのは「きらりん☆レボリューション すずし~い☆なーぷうき(ちゃお 2007年7月号)」でした。長さ約11cmの手で持って使うタイプで、ネックストラップもついて持ち歩きにも便利。やわらかい羽根で安全にも配慮されています。
 その後も、せんぷうきとボールペンが合体した「ちび☆デビ! すずしくてクマっちゃう! ペンぷうき(ちゃお 2008年8月号)」や、スタンド付きで机にも置ける「ぐぐっと極上!!めちゃモテ委員長 チョコっとミントな!アイスキャンディーせんぷうき(ちゃお 2009年8月号)」、ソフトクリーム型でバッグにもつけられるボールチェーンつき「スターダスト★ウィンク スウィート★せんぷうき(りぼん 2009年7月号)」、扇風機の羽根と消しゴムが付けかえられて、電動消しゴムとしても使える「ぐぐっと極上!!めちゃモテ委員長 ファン★ケシ(ちゃお 2010年7月号)」のように機能が少しずつプラスされ、より便利で使いやすいものが届けられました。
 電池は自分で用意しなくてはいけないけれど、きっと少女たちの夏のお供になったことでしょう。

 日本では昔から暑い夏に涼しさを求めるため、うちわや扇子のほか、すだれやよしず、金魚、風鈴、打ち水など様々な工夫をしてきました。
 夏のふろくにも同じように、少女たちに夏休みを楽しんでほしいという気持ちだけでなく、より快適に暑い毎日を過ごせるようにという工夫と心配りがされています。
 そんなかわいいふろくと一緒に、夏の暑さを乗り切りましょう。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『総合百科事典 ポプラディア』ポプラ社 2011年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『まるごとわかる「モノ」のはじまり百科 (2) くらし・生活用品』山口昌男 監修 日本図書センター 2008年
『カラー版 日本装身具史』露木宏 編著 美術出版社 2008年

より以前の記事一覧

管理人プロフィール

まぼろしチャンネル

  • powered by.

    ...トップページへ移動
無料ブログはココログ