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2021年8月 8日 (日)

ふろくの花園 61.人気キャラとふろくで応援! オリンピック

 紆余曲折を経て、1年遅れの“特別な時期”にようやく開幕した2度目の東京オリンピック。日本選手のメダルラッシュが連日報道され、獲得数は金も総数も過去最多とのこと。何だかんだ言っても始まってみれば地元開催で時差もなし、朝から晩まで画面の前で選手たちの活躍に声援を送るという日々も、いよいよ終盤戦です。

 前回の東京オリンピックは1964(昭和39)年10月にアジアで初めて開催され、戦後日本の復興と“TOKYO”を世界にアピールする絶好の機会となりました。

 日本中が熱狂し、少女雑誌の『りぼん』では開幕1か月前(9月3日)に発売する号を「オリンピック特集号」とし、本誌もふろくもオリンピックムード満載でした。(10.ニュースとふろく 昭和30・40年代 参照)
 『なかよし』でも、青・黄・黒・緑・赤の5色の輪で遊ぶ「五輪ゲーム マスコット輪なげ(1964年4月号)」や五輪マークや世界の国旗をモチーフにした「世界のブローチ・ワッペンセット(1964年10月号)」といった、“TOKYO1964”を意識したふろくが登場しています。

 これらはスポーツ競技を楽しむというよりも、少女たちにオリンピックや世界の国々について知ってもらうことに重点が置かれているようで、昭和30年代ならではの学習的要素を感じさせるふろく(4.ふろくでお勉強 参照)といえるでしょう。

 それから24年後の1988(昭和63)年、お隣の国・韓国でソウルオリンピックが行われます。アジアで2度目の夏季オリンピックというほかに、東西冷戦の終結を反映してアメリカとソ連(当時)が参加し、両陣営の国々が12年ぶりに顔をそろえることでも注目を集める大会となりました。

 その開幕に合わせて少女たちに届けられたふろくが、「ときめきトゥナイト ときめきスポーツランド コレクションノート(りぼん 1988年10月号)」です。

 人気連載漫画「ときめきトゥナイト」のキャラクターが、様々なスポーツに挑戦しているという設定でイラストが描かれたノートで、バレーボールや柔道、新体操などのメジャー競技だけでなく、フェンシングや馬術、ボートや射撃といったオリンピックならではの競技もとりあげていて、スポーツ気分がいっぱいです。
 巻末とじこみ「なるみちゃんのオリンピックMINI知識BOOK」には、オリンピックにつよくなれる豆知識が6ページに詰まっています。切りはなして折りたたむと手のひらサイズのミニブックに。

 このふろくを見たときに、最初は「10月号のふろく? 9月3日発売だとオリンピック終わってない?」と思いましたが、開会式は9月17日だったそう。今よりも遅かったのが意外でした。

 そして4年後の1992(平成4)年、7月25日からはじまるスペインでのバルセロナオリンピックにちなんだふろくが「ミラクル★ガールズ ガンバレ日本! オリンピックすごろく(なかよし 1992年7月号)」です。

 こちらも人気連載漫画「ミラクル★ガールズ」のキャラクターがオリンピックの競技種目に挑戦しているイラストが描かれています。
 「'92バルセロナオリンピック開催記念特別ふろく なかよし少女はすごろくでオリンピックに参加しよう!」のコピーで、開幕の1か月以上も前から(6月3日発売)少女たちのオリンピック気分を盛り上げました。
 開会式のスタートから、体操 → シンクロナイズドスイミング(当時) → ハードル走 → 100メートル走 → 個人メドレー → マラソンといろいろな競技をクリアして、いちばん先にゴールした人が金メダルというこのすごろく、開会式のマスには「入場行進にちこく 1つもどる」、体操のマスには「10点満点 3つすすむ」、シンクロや個人メドレーのマスには「不覚にもおぼれる 1回休み」、マラソンのマスには「給水所 1回休み」など、それぞれの競技にちなんだ指示がかかれていて、コピーどおりオリンピックに参加している気分が味わえます。
 「おもわず熱中しちゃったわ。友だちとワイワイやるときにピッタリ。何回もやってるんだけど、まだわたしが一番になったことがないんだ。くやし~~~。一番になる日までこのすごろくをやりつづけるゾ!」という読者からのおたよりも届きました。

 バルセロナオリンピックでは、水泳200m平泳ぎで岩崎恭子選手が当時史上最年少の14歳で金メダルをとったことが一大ニュースになりました。このすごろくで遊んだなかよし少女たちの応援が、少しだけお姉さんの岩崎選手にも届いたのかもしれませんね。

 ソウルオリンピックやバルセロナオリンピックが開催されたころのふろくは人気漫画のキャラクターグッズの色合いが濃く、昭和30年代のように時事ネタが取り入れられる余地はあまりありませんでした。(20.雑誌が生んだ人気者 (3)連載漫画のTVアニメ化 参照)
 それゆえに、4年に一度のスポーツの祭典であるオリンピックを人気漫画のキャラクターと一緒に楽しめるこれらのふろくは当時では画期的なものであり、オリンピックが持つ世の中への影響力〈パワー〉を改めて感じさせられました。

〈参考文献〉
『週刊昭和』 1号(昭和39年) 40号(昭和63・64年) 朝日新聞出版 2008・2009年
『週刊昭和タイムス』 1号(昭和39年) 47号(昭和63年) ディアゴスティーニ・ジャパン 2007・2008年
『週刊日録20世紀』 1964年 1988年 1992年 講談社 1997・1998年

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