« 特別展示「少女漫画 ふろくの花園」開催のお知らせ | トップページ | オシャレ街〈タウン〉を持ち歩こう »

2017年4月28日 (金)

ふろくの花園 56.少女とふろくの歳時記 ついにブレイク!?の春イベント

 4月も中旬を過ぎると、東京のソメイヨシノはすっかり葉桜に変わりましたが、花咲く季節はまだまだこれからが本番です。

 さて今年は春先から、パステルカラーでカラフルに彩られた「たまご」と「ウサギ」がデザインされたモノ、そして「イースター」という言葉をやたらと街で見かけたような気がします。
 いつも食べているお菓子のパッケージが「たまご」と「ウサギ」のデザインに変わっていたり、デパートやコンビニで「たまご」と「ウサギ」の形をしたスイーツが販売されたり、スーパーで卵料理のレシピを配っていたり、ホテルではイースターをテーマにしたスイーツビュッフェが開催されたり、人気アーティストの新曲がイースターソングだったり、東京ディズニーランドに「たまご」と「ウサギ」にちなんだ新キャラクターが誕生したりなど、秋の「ハロウィン」(50.少女とふろくの歳時記 私たちのハッピー・ハロウィン♪  参照)に続くシーズンイベントとしてここ数年、来るか来るかと噂されていた「イースター」がついに今年、商業的にプレイクしたようです。

 そもそも「イースター」はキリスト教の重要な行事のひとつ。金曜日に十字架にかけられたキリストが3日目の日曜日に復活したことを祝う「復活祭」であるとともに、無事に冬を越せたことに感謝し春の訪れを喜び合う日でもあります。「イースター」という言葉は、キリスト教が広まる前から行われていた春の女神エストレの祭りからきたものだそう。
 その年によって日付が変わる移動祝祭日で、「春分の日の次の満月の後の最初の日曜日」と定められています。毎年3月下旬から4月下旬に行われることになり、今年(2017年)は4月16日に当たります。
 新しい命が生まれる「たまご」とたくさん子どもを産む「ウサギ」は復活のシンボルとして、イースターには欠かせない存在です。
 たまごのカラに色をぬり模様を描く「イースターエッグ」は、もともとはあざやかな色に染めたり、カラに細工をしたゆで卵でした。この風習はキリスト教が始まる前からあって、子孫繁栄を願ったものといわれています。この「イースターエッグ」を春のプレゼントとしてウサギが運んできてくれるそうです。家のあちこちに隠した「イースターエッグ」を探す遊び「エッグハント」も、イースターならではのお楽しみでしょう。

 日本では、2010年に東京ディズニーランドがイベントを始めたのをきっかけに、イースターの習慣が徐々に知られるようになったとされています。
 子どものころに絵本や漫画などで見て、イースターやイースターエッグのことを知ってはいましたが、当時はあくまでも外国のお祭りとしての認識で、自分の日々の生活とはかけ離れた場所で行われている風習に過ぎませんでした。
 その後、大手食品メーカーや小売り・サービス各社が期間限定の関連商品を展開、家族や友だちとのパーティーを提案するなど、販売促進のきっかけが少ない春に、イースターをシーズンイベントとして定着させ、市場を盛り上げようとする動きがでてきたのです。

 「ハロウィンの次はコレ!」という、「イースター」にかける各業界の気合いと熱気が届いたのでしょうか。ここ数年、季節感が消えつつあった少女向けふろくに、この「イースター」をとりあげた新たな「歳時記ふろく」がついに登場しました。

 「キョロちゃんイースター HAPPYメッセージカード(ちゃお 2017年4月号)」は、少女たちに人気のお菓子、チョコボールのキャラクター・キョロちゃんとコラボしたイースターデザインのメッセージカードです。
 旅行バッグ型とノート型、2種類のカードにはチョコボールの箱がセットできるので、メッセージを書いたらそのままプレゼントできます。新しいお友だちにはプロフ(37.少女とふろくの歳時記 新学期の友だちづくり 参照)がわりに渡して会話のきっかけに。春の友活の強い味方になってくれますよ。ヒミツのメッセージも書けるのでおまじないだってOK。願いをこめながら食べると、キョロちゃんのハッピーパワーで夢が叶っちゃうかもしれません。

 もうひとつは『ちゃお』の妹雑誌『ぷっちぐみ』のふろくから。「イースター スイーツスタンド(ぷっちぐみ 2017年3月号)」は、女子の憧れともいえる、ケーキやスコーン、サンドイッチを載せるアフタヌーンティーの3段スイーツスタンドをイメージしています。カラフルでかわいいイースターエッグのチップが約40個もついているので、エッグハントゲームや神経衰弱のようなエッグマッチゲームも楽しめます。イースターパーティーのテーブルに置いてスイーツやお料理を並べれば、ぐ~んと華やかになって雰囲気満点! パーティーをしなくても、ヘアアクセやネイルカラーなどのおしゃれグッズ、消しゴムやマスキングテープなどのステーショナリーといった、自分の好きなものを置いて机の上に飾れば、すぐに使えるしお片付けにも便利です。

 『ちゃお』『ぷっちぐみ』のほか、イースターのふろくをつけていない『なかよし』『りぼん』でも、本誌にイースターを紹介する記事を載せています。どちらかというと「キリスト教の復活祭」というよりも「春の訪れをお祝いするお祭り」のほうを強調していて、宗教的要素を和らげています。
 イースターエッグを作って部屋を飾ったり、友だちや家族とイースターパーティーを開いたり、卵料理を作ってイースター限定のお菓子を食べたり、ウサギのコスプレをしたり、ウサギのぬいぐるみをイースターバニーとして連れ歩いたりといった、少女たちならではのイースターの楽しみ方を提案しています。

 日本記念日協会によると、2016年のイースター関連の推計市場規模は前年に比べて25%増、5年間で2倍近くに成長していて、ハロウィーンよりも規模は小さいが、イースターの方が伸びが大きいとのこと。日付が毎年変わるわかりにくさはあるが、ここ数年で認知度も高まり企業も参加しやすくなったため、今後のサービス次第ではハロウィンのような定着も期待できそうです。
 イースターのシンボルである「たまご」と「ウサギ」は、どちらも少女たちに親しみやすいかわいらしさがあり、実際にこの2つをモチーフにしたキャラクターもすでに人気となっています。また「春分の日の次の満月の後の最初の日曜日」という、早口言葉か呪文のような日付の設定も、神秘的で不思議なモノに心惹かれる少女たちにはもってこい。春先のイベントなので卒業や新学期などの学校関連にも絡めやすく、イースターが少女たちの心をつかむ素養は十分にありそうです。ただ、新世紀のおしゃれ少女たちに何かを普及させるためにはファッション性も重要で、ハロウィンが爆発的に盛り上がったのはコスプレというファッション的要素も大きかったのかもしれません。

 来年(2018年)のイースターは4月1日です。そのころにはもしかしたら、少女たちがウサギのコスプレをしたり、ウサギのぬいぐるみを連れて街を歩いていたり、「たまご」や「ウサギ」をモチーフにしたファッション雑貨や文房具、アクサセリーが少女向けのふろくに登場するかもしれないですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『イラストでわかる日本の伝統行事・行事食』谷田貝公昭 第1部監修、坂本廣子 第2部著 合同出版 2017年
『世界の国々と祝日』本村凌二 監修 理論社 2016年
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 4月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『親子でいっしょに楽しもう! 四季の行事12か月』季節の遊びを楽しむ会 著 メイツ出版 2010年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『子どもに教える 今日はどんな日?』髙橋司 著 PHP研究所 2006年
『イースター:商機 バレンタインデー、ハロウィーンに続き SNSで拡散、女性客狙う』毎日新聞 2017年4月14日朝刊
『春はイースター 「第2のハロウィーン」へ…業界狙う次の商機」』東京新聞 2017年4月8日夕刊
『イースター商戦拡大中 キリスト教の春祭り』読売新聞 2016年3月22日朝刊

« 特別展示「少女漫画 ふろくの花園」開催のお知らせ | トップページ | オシャレ街〈タウン〉を持ち歩こう »

ふろくの花園」カテゴリの記事

管理人プロフィール

まぼろしチャンネル

  • powered by.

    ...トップページへ移動
無料ブログはココログ