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2016年12月の2件の記事

2016年12月23日 (金)

ふろくの花園 55.少女とふろくの歳時記 みんなでメリー・クリスマス♪

 クリスマスのふろくには、お部屋に飾るツリーやリースといった、クリスマス独自のアイテムだけでなく、みんなでクリスマスを楽しむためのものも登場しています。
 ここからは、友だちや家族などとのコミュニケーションツールとしてのクリスマスふろくを紹介していきましょう。

 まずは、年賀状(29.少女とふろくの歳時記 お正月(後) 参照)や暑中見舞い(45.少女とふろくの歳時記 暑中お見舞い申し上げます)と同じく、季節の挨拶に使うクリスマスカードです。1955(昭和30)年の『なかよし』『りぼん』創刊当初から年代を問わず登場してきた、クリスマスふろくの大定番ともいえるでしょう。先生方の美しいイラストやかわいいキャラクターが描かれたカードは、どれもクリスマスムード満点で、まさに少女漫画誌の本領発揮。1980年代に入ると、イラストだけでなく遊びごころもプラスされ、友だちに贈っても、自分の部屋に飾っても楽しめるふろくになっています。

 「ジグソーパズル・クリスマスカード(りぼん 1980年12月号)」や「スウのクリスマスジグソーカード(なかよし 1984年12月号)」、「ちびまる子ちゃん カード・パズル(りぼん 1990年12月号)」は、ジグソーパズルとしても遊べます。
 「魔法のほうき&クリスマスカード(なかよし 1986年12月号)」は願いがかなう“魔法のほうき”がついているカード。恋の願いをかけて憧れのカレに送れば、恋が実ることまちがいなし!
 「光るツリーのクリスマスカード(なかよし 1990年12月号)」は、ツリーの星が暗闇で光ります。
 「パラダイス・カフェ 香りのクリスマスケーキカード(なかよし 1991年12月号)」は、いちごの香りがついたスペシャルカード。
 「怪盗セイント・テール 絵がわりクリスマスカード(なかよし 1995年12月号)」は、カードを開くとイラストが早変わり! の仕掛けカードです。

 友だちとのプレゼント交換も、クリスマスの楽しみのひとつですね。プレゼントのラッピングに使いたくなるクリスマス用グッズも続々登場しています。 

 「りぼんアイドル6人+くまちゃん クリスマスラッピングペーパー(りぼん 1995年12月号)」は、とってもかわいいラッピングペーパーがなんと6種類! このペーパーでできるラッピングのやり方もついているから、すぐに使えて便利です。
 「ミルクちゃん クリア・ラッピングペーパー(りぼん 1996年12月号)」は、中のものが透けて見えるオシャレなラッピングペーパー。

 「メリークリスマスギフトBOX(なかよし 1977年12月号)」や「北〈ペー〉くん シェイシェイツリーボックス(なかよし 1986年12月号)」、「香澄ちゃん ツリー・ボックス(りぼん 1986年12月号)」は、クリスマスツリーをデザインしたおしゃれなプチボックスです。
 「ハッピーギフトBOX(なかよし 1987年12月号)」はリボンの形がかわいいボックス。
 「ミンミン あっとびっくりギフトボックス(なかよし 1990年12月号)」は、フタを開けるとキャラクターがとびだして、もらった人が名前どおり、“あっ!とびっくり”しちゃうギフトです。
 「るりちゃん クリスマス・バッグ(ちゃお 1995年12月号)」は、ちょっとしたプレゼントを渡すのにピッタリな手さげ袋。かわいい袋に入れて、ライバルに差をつけちゃおう。
 「鈴ちゃん キラキラ・リースバッグ(りぼん 2001年12月号)」は、上品なピンクパールがツヤツヤのバッグ。CDがピッタリ入るサイズです。
 「チャチャ きらきらメッセージシール(りぼん 1996年12月号)」は、ピカッと光るメタリック素材のシール。ひとことメッセージを書いてプレゼントにペタンと貼れちゃいます。

 カードとプレゼントの用意ができたら、次はクリスマスパーティの準備です。

 大人も子どももみんなでできるパーティゲームやクリスマスリースの作り方、クリスマスについての豆知識もわかる「まるちゃん わくわくクリスマスブック(りぼん 1988年12月号)」や、
 ケーキやカナッペなどパーティ用のお料理がバッチリ作れちゃう「未央ちゃん クリスマスパーティークッキングブック(りぼん 1991年12月号)」、
 リースやカード、オーナメントなどのクリスマスアイテムが手作りできたり、プレゼント交換や恋占いまで、女の子だけのクリスマスパーティーガイド「クリスマスパーティーブック(なかよし 1994年12月号)」、
 カードやツリーの作り方、ラッピングやクッキングのアイデアがいっぱい! みんなでいっしょにクリスマスを手作りできちゃう「クリスマス★パーフェクトブック(ちゃお 1998年12月号)」、
 お料理やクリスマスファッションほか、手作りパーティで盛り上がれるテクが満載の「ワーキング娘。 ゴールドクリスマスブック(なかよし 2000年12月号)」といった、
 ハンディサイズの実用別冊ふろくがお役立ちです。

 かわいいキャラクターが“ぜったいきてね!”と誘ってくれる「優ちゃん クリスマス招待カード(ちゃお 1993年12月号)」や、チケットを水でぬらすとパーティで行う出し物が浮かび上がってドキドキの「うぇるかむ! おたのしみパーティーチケット(なかよし 1991年12月号)」など、友だちにわたすパーティーの招待状も忘れずに。

 「シロちゃん テーブル・ネームスタンド(りぼん 1988年12月号)」に友だちの名前を書いて席に置いたら、準備OK!
 全員揃ったら、いよいよクリスマスパーティを始めましょう。

 「変装めがね(ちゃお 1988年12月号)」や「斉くん ダンディーアイマスク(りぼん 1997年12月号)」などの仮装グッズをつけると、みんなにバカウケ! いちやく人気者になれちゃいますよ。

 ワイワイ遊べるゲームも、パーティには欠かせないアイテムです。クリスマスパーティなので、クリスマスにちなんだゲームをやってみましょう。
 「わんころべえ うたってサンタゲーム(なかよし 1988年12月号)」は、同じ絵のカードを4枚そろえる競争。一番最初にそろった人が「あがり!」と叫んで、人数より1個少なく場に置いてあるコマを1個取ります。それに続いて他の人もコマを取り、取れなかった人が負け。負けた人は自分のスコア欄に「う」「た」「っ」「て」「サ」「ン」「タ」と負けるごとに書いていき、「うたってサンタ」が完成してしまったら、みんなの前で歌をうたわないといけません。罰ゲームもセットされて、ハラハラドキドキのゲームです。
 「いそいで!サンタさんゲーム(なかよし 1993年12月号)」は、プレーヤーがサンタさんになって、キャラクターの家へプレゼントを届けに行くすごろく形式のゲーム。まずはプレゼント、トナカイ、そりのカードを揃えて、プレゼントカードのウラに描かれたキャラクターの家にプレゼントを置きに行きます。プレゼントを全部配り終わったサンタさんが勝ち! 『なかよし』の人気漫画キャラクターが総出演のゲームで、どのキャラクターにプレゼントを届けに行けるかも楽しみのひとつです。
 「わんころべえ ドキドキパーティーゲーム(なかよし 1996年12月号)」は、クリスマスパーティーにきたカップルがパーティー会場を一周して、早くテーブルにもどったら勝ちという設定。1人で2個のコマを持ってサイコロで1個ずつ進めていき、2個のコマが両方ともゲーム盤を1周したらゴールです。他の人が同じマスに止まったら、もう1個のコマがそのマスを通過するまで進めなくなってしまうため、それぞれのコマをいかにうまく使い分けて進めていくかがコツ。場合によってはコマが2個ともストップしてしまうこともあり、順番が回ってきたときにサイコロの1の目を出すまでひたすらガマンし続けないといけない、なかなかハードなゲームです。

 くじ引き感覚で、クリスマスにちなんだ占いをやってみるのはいかかですか?
 「クリムちゃん めざせクリスマス占い(りぼん 1990年12月号)」は、好きな銀色の絵をコインでこすって出たキャラクターで今日の運勢を占います。
 「B-ウォンテッド ドキドキ・くつした占い(なかよし 2001年12月号)」は、家の窓をえんぴつでぬりつぶし、出てきた靴下の模様でクリスマスの運勢がわかります。
 どちらも本来は、クリスマスまでのカウントダウンとして1人で1日1回行う占いなのですが、あえてみんなで運試しというのもパーティならではの楽しみ方です。 

 パーティの最後に、おなじみのクリスマスソングをみんなで歌いましょう。
 「歌の別冊 クリスマスソング集(りぼん 1967年12月号)」は、「ジングルベル」や「もろ人こぞりて」など全部で8曲のクリスマスソングが入った歌集。反対側には当時人気の歌が入った「りぼん紅白歌合戦」もついていて、クリスマスから年末年始まで楽しめる一冊です。
 「クリスマスソングレコード(りぼん 1969年12月号)」は、「きよしこの夜」と「神のみ子」の2曲が入ったソノシート。お店で売っているレコードのようなステキなジャケットに入っています。美しい歌声に合わせて歌うと、クリスマスムードも盛り上がります。
 「とびだす! クリスマス・ソングブック(りぼん 1998年12月号)」は、立体絵本形式のとびだすクリスマスソングブック。『りぼん』の人気キャラクターと一緒に、「ジングルベル」「あわてんぼうのサンタクロース」「おめでとうクリスマス」「きよしこのよる」の4曲を歌えますよ。

 友だちや家族と一緒のにぎやかなクリスマスもいいけれど、本当は、大好きなカレと胸キュンなクリスマスを過ごせるようになりたいな……
 こんな秘かな野望を胸に抱く少女たちのために、クリスマスに向けた“恋する乙女”の願掛けふろくも届けられています。
 「クリスマス 占い・おまじないカード(ちゃお 1989年12月号)」は、カードに願いごとや欲しいプレゼントを書いて、ツリーにつるすとラッキーが訪れるカードと、好きな子の名前を書いてクリスマスの前々日まで身につけていると、恋が実ってクリスマスを一緒にすごせるというお守りカードがセットになっています。
 「ワイルドだもん クリスマス直前! おまじないBOOK(なかよし 2003年12月号)」は、大好きなカレとハッピークリスマスを迎えるためのキレイになるおまじない、大好きなカレにプレゼントを渡すとき助けてくれるおまじないなど、全部で6つの恋に効くおまじないを紹介。これで恋のチャンスをつかみましょう。めざせ両思い!
 1人でこっそりやっても、友だちとヒミツの集会を開いて恋バナしながら試しても、願いがかなえられるといいですね。

 このように、少女たちのクリスマスが楽しく思い出深いものになるよう、長い間全力でバックアップしてきたクリスマスふろくですが、新世紀を迎えて10年以上が過ぎた現在、様子が大きく変わってしまいました。

 「小川とゆかいな斎藤たち メリクリ!サンタのプレゼント占い☆(なかよし 2007年12月号)」や「飛び出す★ハッピークリスマスカード(りぼん 2007年12月号)」、「株式会社ラブコットン クリスマスツリー小物入れ(りぼん 2008年12月号)」の頃を最後に、ふろくの名前に「クリスマス」や「サンタ」などのキーワードが入った、クリスマスアイテムが見当たらなくなっています。少女漫画誌における最大のシーズンイベントといわんばかりの勢いだったクリスマスもついに、「お正月」(29.少女とふろくの歳時記 お正月(前) 参照)や「ひなまつり」(33.少女とふろくの歳時記 ひな祭り 参照)、「母の日」(39.少女とふろくの歳時記 お母さん、ありがとう 参照)などの他の年中行事と同様、ふろくから姿を消してしまったのです。

 1月の「お正月」から12月の「クリスマス」まで、少女たちが1年12か月に出会う、様々な季節の行事や習慣を取り上げたふろくをこれまで紹介してきましたが、今まであまり意識してこなかった、それぞれの行事の由来もふろくを通じて知ることができました。

 これら「歳時記ふろく」の全般的な傾向として、『なかよし』『りぼん』に教育的な役割があり、まだ漫画雑誌になっていなかった1960年代までと、人気漫画が花盛りでふろくが登場人物のキャラクターグッズとなっていた1990年代に多く取り上げられています。その間にあたる時期は、雑誌生まれのスターである「マスコットキャラクター」(18.雑誌が生んだ人気者 (1)マスコットキャラクター 参照)や「まんが家」の先生方(19.雑誌が生んだ人気者 (2)憧れの先生・まんが家 参照)、「漫画作品と登場人物」(20.雑誌が生んだ人気者 (3)連載漫画のTVアニメ化 参照)が輝きを見せていたにもかかわらず、実はあまり目立って取り上げられていません。
 1980年前後は、サンリオなどの市販のキャラクターグッズが少女たちの間に爆発的に普及した時期でもあり、ふろくに年中行事を忠実に取り入れるよりも、雑誌生まれのスターたちを推しながら、文房具やインテリア小物などの実用品を紙でどれだけ再現できるかに重点を置くことで、少女たちのニーズに応えていたのです。
 1980年代の終わりごろから1990年代にかけては、発行部数が大きく伸びてひと月あたりのふろくの数も多くなったことで、実用品の中に年中行事を取り入れる余裕が出てきました。メインふろくも完成品だけではなく、紙のパーツを自分で型から抜いて組み立てる形式が増えていきます。メインふろくのパーツ以外に細々としたサブふろくも同じ型に組み込めたため、毎月のように季節感のあるふろくを付けることができたのです。

 そして、新世紀を迎えて「歳時記ふろく」が姿を消したのは、“ホンモノ”ふろく(23.新世紀のふろくの花園 (1)ホンモノがふろくに!? 参照)の登場で紙のふろくが少なくなったことや、発行部数の激減といった要因がありますが、なんといっても、読者である少女たちが漫画よりもファッションのほうに関心を持ってしまい(25.新世紀のふろくの花園 (3)オシャレが大好き! 参照)、『なかよし』『りぼん』『ちゃお』のライバルがお互いではなく、少女向けのファッション誌になってしまったことが大きいのではないでしょうか。
 少女たちの“好きなもの・欲しいもの”を60年間ずっと詰め込み続けてきた少女漫画誌ふろくが2010年代の今、少女たちに届けたいものは、ファッション誌のふろくに負けないオシャレでインパクトを与える雑貨であり、そこに伝統、風習といったものや、さらには雑誌生まれのスターでさえもあまり必要がなくなってしまいました。生活に密着した日本の四季・伝統・行事を少女たちに伝えるという、ふろくの大切な役割が失われてしまうことも、時代の自然な流れといえるのかもしれません。

 小学生なら誰もが通ってきた道だった『小学○年生』も、2017年からは1年生向けを残すのみとなってしまいました。多くのモノや情報に囲まれて育っている、現代の子どもたちの興味・嗜好は早い年代から細分化していて、一冊で子ども向けの全てのジャンルを網羅する総合情報誌的なモノは難しい時代になってきているのではないでしょうか。
 雑誌を読んだりふろくで遊ぶだけで、自分が今まで知らなかった世界を目にし、興味の幅を広げることができるような、かつての『なかよし』『りぼん』が持っていた、娯楽や生活情報だけではない様々な分野の雑学・教養・一般常識を少女たちに伝えるという役割が、少女漫画誌やそのふろくに今後また戻ってくるかどうかは、少女たちと少女漫画誌を取り巻く環境次第でしょう。

 みんなで楽しんだクリスマスが終わると、翌日の26日にはもう、街はクリスマスなどなかったかのように一瞬にして和の雰囲気に包まれ、お正月を迎える準備で人々がせわしなく動き回ります。この手のひらを返すような変わり身の早さもまた、日本の12月ならではの風景です。
 いろいろなことがあった1年の終わりと、新たな1年の始まりが、もうすぐそこまで来ています。どうぞみなさま、良いお年をお迎えくださいませ。

 さて、当『少女漫画 ふろくの花園』は冬の間、休園させていただきます。春の花咲くころに、またお会いしましょう。

2016年12月18日 (日)

ふろくの花園 54.少女とふろくの歳時記 クリスマスがやってくる☆

 12月を迎えると、早いもので今年もあとひと月です。いよいよ一大イベント「クリスマス」の季節がやってきました。街中が大きなクリスマスツリーやイルミネーションで彩られると、寒さ厳しい夜にもかかわらずウキウキした気分になって、つい遅くまで出歩きたくなってしまいます。

 12月25日の「クリスマス」とは、「キリスト(救世主)のミサ(礼拝の儀式)」という意味で、キリスト教を開いたイエス・キリストの誕生を祝う日として知られています。キリストの誕生といえば、ベツレヘム(現在のイスラエル)の馬小屋で3人の博士と羊飼い、動物に囲まれた場面が思い浮かびますが、実のところ、キリストの誕生日がいつなのかは、まだはっきりわかっていません。
 この日が「クリスマス」と決められたのは、4世紀の中ごろにニカイア(現在のトルコ)で行われたキリスト教の総会議でした。古いヨーロッパの暦で1年でもっとも昼が短い冬至に当たり、「日が再び長くなり、太陽の力がよみがえることを祝う日」であることが、世界に光をもたらす救世主・キリストの誕生日にふさわしいとされたようです。さらに、12月17日に古代ローマで行われていた、プレゼントを贈ったり交換したりする農業の神様のお祭りや、いろいろな祭日などがまざって「クリスマス」ができたと考えられています。その後19世紀の中ごろから、クリスマスツリーを飾り家族でごちそうを食べて祝うという形になっていきました。

 西洋で始まった「クリスマス」が日本に伝わったのは、16世紀ごろといわれています。布教のために来日した外国人宣教師が日本で初めてクリスマスのミサを行い、明治時代には来日していた外国人やキリスト教徒の日本人によってミサやパーティが行われます。大型商店やホテルもツリーを飾り、パーティを開きました。
 当時の新聞記事を要約してみると、1875(明治8)年の読売新聞に「築地の女学校で行われたクリスマスイベントに大勢の人が集まり、立派な飾りや音楽の演奏でにぎやかだった」や、1881(明治14)年の毎日新聞に「横浜本町通の天主堂は大繁盛で、“キリスト教信者以外の参堂はできません”という札が掲げられるほどだった」、1883(明治16)年の朝日新聞に「クリスマス休暇中の神戸居留地は、門にクリスマスの飾りがされていて、まるで日本のお正月のようだ」など、すでに日本の都市部でクリスマスの行事が行われていたことがわかります。
 その後大正時代に入って一部の家庭でも祝うようになり、第二次世界大戦後にはアメリカの影響を受けて日本中に広まります。昭和30年代になると、家庭でもクリスマスケーキを食べたり、プレゼントをもらったりする習慣が定着しました。現在ではハロウィン(50.少女とふろくの歳時記 私たちのハッピー・ハロウィン♪ 参照)同様、もともとの宗教的な意味とは関係のない「日本風クリスマス」として、私たちの生活にすっかりなじんだ年中行事となっています。
 現在の日本ではどちらかというと、前日の12月24日のほうがクリスマス色が強い感じがしますが、キリスト教では太陽が沈んだときを新しい一日の始まりとしていたため、クリスマス当日の始まりとなる12月24日の夜を「クリスマス・イブ」として、お祝いを始めたということからきているようです。

 1955(昭和30)年に創刊した『なかよし』と『りぼん』。ちょうどこの頃からクリスマスのいろいろな習慣が日本の子どもたちに浸透してきたこともあり、創刊当初から「クリスマス・カード(りぼん 1955年12月号)」「クリスマス・セット(なかよし、りぼん 1956年12月号)」「クリスマス・シール集(なかよし 1957年12月号)」などのクリスマスにちなんだふろくが少女たちに届けられています。その後も、12月号のふろくは「クリスマス」のためにあるといわんばかりの勢いで、少女漫画誌界において最大のシーズンイベントとなりました。

例をあげると、

『なかよし』1965年12月号ふろく

・クリスマスおかざりセット
・マリアさまのブローチ
・サンタのおさいふ
・ブック型クリスマスケース
・クリスマスカードと絵はがき
※ほか別冊まんが4点

『りぼん』1967年12月号ふろく

・赤いブーツのセンターピース
・クリスマスミニツリー
・クリスマスカラーのフォークケース
・エンゼルのコップしき
・サンタクロース紙ナプキン
・ギフト・カード
・歌の別冊 クリスマスソング集
・クリスマス★カード
※ほか別冊まんが1点

このように、別冊まんが以外のふろくが全てクリスマスという年もあったほどです。実際、この『少女とふろくの歳時記』を書くにあたり、所蔵しているふろくの中から年中行事のモノを探してみた際にも、クリスマス関連のふろくが他に比べて圧倒的な数量でした。

 さて前置きが長くなりましたが、今回は、そんな「クリスマス」ならではのアイテムを取り上げたふろくを紹介します。

 まずは、クリスマスのシンボルともいえるクリスマスツリーです。モミの木に華やかな飾りをつけるクリスマスツリーは、11世紀ごろのドイツ北西部がはじまりといわれています。冬でも常に新しい緑色の葉をつける常緑樹を使うことで、強い生命力や永遠の命を表しています。

 暗い所でツリーの星が光る「久太郎 ピカピカツリーカード(りぼん 1987年12月号)」や、
 アクセサリーがかけられる「ドリーミングクリスマスツリー(なかよし 1988年12月号)」「GALS! ジュエリー★ツリーBOX(りぼん 2000年12月号)」、
 小物やお菓子が入れられる「シンデレラツリートレイ(なかよし 1989年12月号)」、
 銀はがしで占いができる「青子ちゃん ごきげん銀はがしカレンダーツリー(りぼん 1995年12月号)」「くるみちゃん 銀はがしクリスマス占い(りぼん 1997年12月号)」、
 ツリーを開くと中からキャラクターが出てくる「東京ミュウミュウ クリスマスツリーカード(なかよし 2001年12月号)」など、
ただ飾るだけではなく、いろいろなアイデアがプラスされた組み立て式クリスマスツリーが登場しました。
 ツリーの下の穴から上の穴へ進んでてっぺんの星にたどりつく立体すごろく「姫ちゃん クリスマスツリーすごろく(りぼん 1991年12月号)」や、「りえちゃん クリスマス・ツリーゲーム(りぼん 1994年12月号)」といった、みんなでゲームを楽しめるクリスマスツリーも。
 「ぷくぷく天然かいらんばん 山田さんのぷっくりすますツリー(ちゃお 2000年12月号)」は、キャラクター型のバルーンに空気を入れて土台にセットすると、かわいいキャラクターのクリスマスツリーができあがります。

 クリスマスツリーには、古くはろうそくを飾っていましたが、現在では様々な飾りや電球などをつけるのが一般的です。
 ツリーのてっぺんに飾る「星」はキリストが生まれたときに空に輝いていたとされる「ベツレヘムの星」を表していたり、「ろうそく」は世の中を照らす明かりであるキリストを表していたり、「りんご」はアダムとイブの伝説に出てくるリンゴや聖書に出てくるエデンの園を表していたり、「ベル」は「教会」を表していたりと、その飾りにもそれぞれ意味があるそうです。

 これらの伝統的な飾りにプラスして、「ミモリちゃん ツリーかざりメッセージセット(りぼん 1996年12月号)」や「B-ウォンテッド オーナメントメッセージボックス(なかよし 1999年12月号)」、「みるくSHAKE! オーナメントボックス(なかよし 2001年12月号)」、「ふぉうちゅんドッグす わんわんクリスマスハウスBOX&マスコットオーナメント(なかよし 2002年12月号)」などの、メッセージカードやプレゼントBOXにもなる、ふろくのオーナメントでツリーをかわいく彩りましょう。

 「あさり&プニプニ おもしろツリーオーナメント(ちゃお 1993年12月号)」や「桃花ちゃん おねだりカード(りぼん 2001年12月号)」は、サンタさんへのお願いごとをウラにこっそり書くことができます。クリスマスツリーがもはや七夕(44.少女とふろくの歳時記 七夕☆星に願いを 参照)の笹飾りのようになってしまっていますが、少女たちの願いごとは季節を問いません。

 にぎやかな飾りつけをすると、モミの木に住んでいる小人が喜んで、幸せをもたらしてくれるという言い伝えもあるそうです。みんなの願いが届くといいですね。

 玄関などに飾るクリスマスリースも、すっかりおなじみになりました。
 モミの木やヒイラギなどを輪にして木の実や花などを付けるクリスマスリースは、キリストが十字架にかけられたときにかぶっていた冠にちなんでいたり、神の永遠の愛を示したり、その力による魔よけを表す古代信仰のなごりなど、様々な由来があります。

 「きんぎょ注意報! クリスマススターリース(なかよし 1992年12月号)」と「怪盗セイント・テール ふわふわクリスマスリース(なかよし 1996年12月号)」は、どちらも空気を入れてふくらませる画期的なクリスマスリース。両面テープで好きな場所にくっつけて飾れるので、お部屋のクリスマス気分がかわいく盛り上がりますよ。
 「のえる&まりあ メッセージリース(りぼん 1999年12月号)」は、クリスマスリースとメッセージボードがひとつになったリースです。お部屋のドアにかけると、クリスマスの雰囲気になるだけでなく、プライバシーもばっちりキープします。

 少女たちにとってのクリスマスのお楽しみといえば、なんといっても12月24日の夜、寝ている間にプレゼントを枕元の靴下に入れてくれるサンタクロースでしょう。
 サンタクロースは、4世紀初めに現在のトルコでキリスト教の司教だった、セント・ニコラウスがモデルといわれています。多くの貧しい人に救いの手をさしのべていたニコラウスは、結婚を控えた姉妹の家の煙突に金貨を投げ込んだところ、たまたま暖炉に干していた靴下に入りました。ここからサンタクロースのプレゼントをもらうために靴下をツリーにつるす風習が始まったそうです。また、クリスマスツリーに飾る「玉」には、ニコラウスが人々に配ったプレゼントや投げた金貨という意味もあるとのこと。
 サンタクロースは、赤い服と白いひげ、トナカイが引くソリに乗ってやってくるというイメージですが、19世紀ごろから絵本などにこの姿が描かれるようになり定着していきました。その特徴的な服装は、司祭の服が元になっているとされていますが、コカコーラのポスターに描かれた赤い服が広まったという説もあります。トナカイはヒゲの老人が白馬やシカに乗ってくるというヨーロッパの伝説、ソリは北欧神話の神様が冬に空を飛んでやってくるという伝説に、それぞれ由来しているそうです。

 クリスマスには、キャラクターがかわいいサンタクロースに扮して、少女たちにふろくのプレゼントを届けてくれています。
 「姫ちゃん サンタカード&サンタ袋(りぼん 1990年12月号)」は、袋の中にプレゼントを入れ、袋の端をサンタカードの手の部分に開いている穴に通すと、まるでキャラクターのサンタクロースがプレゼントを運んでいるかのよう。
 「わんころべえ おねがいサンタブーツ(なかよし 1991年12月号)」は靴下型のプレゼント用袋。サンタクロースへのおねがいカードもついているので、クリスマスプレゼントのおねだりはこれでバッチリです。
 「茶美ちゃん・ハッピークリスマスファイル(ちゃお 1993年12月号)」はトナカイのソリに乗ったサンタクロース姿のキャラクターがかわいいファイル。季節を問わずふろくになるファイルも、このイラストでクリスマス用の特別なグッズになります。お友だちからのクリスマスカードを入れちゃいましょう。
 「光希ちゃん のびのびサンタカード(りぼん 1994年12月号)」は3人のサンタクロース姿のキャラクターが次々と飛び出してくるクリスマスカードです。

 クリスマスのもうひとつのお楽しみは、ごちそうと一緒に食べるクリスマスケーキですね。
 1910(明治10)年に「不二家」が日本で初めてクリスマスケーキを発売し、洋菓子普及のきっかけを作りました。スポンジケーキに生クリームやバタークリームをぬり、イチゴとサンタクロース形などの菓子をのせたデコレーションケーキが、日本のクリスマスケーキのスタンダードになっています。砂糖菓子のサンタクロースやウエハースで作られた家、チョコレートのメッセージプレートを誰が食べるかじゃんけんやゲームで決めたことも楽しい思い出です。

 「電脳少女★Mink デコレーションケーキトップ(なかよし 1999年12月号)」はクリスマスケーキに飾れるマスコット。このデコレーションでケーキをドレスアップできちゃいますよ。

 世界では、ドイツの「シュトーレン」やイタリアの「パネトーネ」など、さまざまな伝統菓子がクリスマスの食卓を飾ります。
 日本でも人気で見た目にも楽しいお菓子が、木の切り株をかたどったケーキ、フランスの「ブッシュ・ド・ノエル」です。フランスではクリスマス・イブに大きな薪を焼いた習慣があり、その薪をまねて作ったそうです。

 「麻衣ちゃん ブッシュ・ド・ノエルボックス(りぼん 2001年12月号)」と「ハッピーアイスクリーム! ブッシュ・ド・ノエルBOX(なかよし 2003年12月号)」は、どちらもこの「ブッシュ・ド・ノエル」をデザインした小物入れ。まるで本物のクリスマスケーキみたいでデコレーションもいっぱいです。机の上に置いて文房具を入れても、パーティのテーブルに置いてお菓子を入れても、ウキウキワクワクなクリスマス気分を味わえちゃいます。

 クリスマスならではのアイテムを取り上げたふろくを見ることで、クリスマスをめぐる様々なコト・モノの由来を知ることもできました。
 おうちやお部屋をクリスマスのふろくで飾ったら、いよいよみんなでクリスマスを楽しみましょう♪

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 12月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所 編 三省堂 2009年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『21世紀こども百科 もののはじまり館』小学館 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『まるごとわかる「日本人」はじめて百科 2 食べ物・飲み物をつくった人』湯本豪一 監修 日本図書センター 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年

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