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2016年11月の2件の記事

2016年11月20日 (日)

ふろくの花園 52.少女とふろくの歳時記 ○○の秋(前)

 にぎやかだったハロウィンも終わり、11月に入ってようやく本格的な秋の到来となりました。

 “秋”を表す言葉として、「スポーツの秋」(50.少女とふろくの歳時記 スポーツの秋☆運動会 参照)や「行楽の秋」、「食欲の秋」、「読書の秋」、「芸術の秋」などいろいろなものが挙げられ、なぜ秋にだけこんなに「○○の」があるんだろうとつい思ってしまいます。気温も湿度も下がりさわやかな気候になって、何をするにも快適な時期だからというのはもちろんのこと、私にとっての秋は、暑くてジメジメしてしかも近年は期間も長い、厳しくツラい夏の日々を乗り越えたことへのご褒美でもあり、たくさんのことを楽しもうという気分にさせてくれる、1年で一番大好きな季節です。

 今回は、いろいろな「○○の秋」を満喫するために少女たちへ届けられたふろくを紹介しましょう。

 秋になると、日本の各地で山野の木々が赤や黄に美しく色づきます。その光景をニュースなどで目にすると、この季節ならではの自然のイベント「紅葉狩り」を楽しむために出かけたくなりますね。あざやかな色に染まったカエデやイチョウを眺めたり、どんぐりやトチの実を探したりと、「山野などに行って遊び楽しむこと(デジタル大辞泉)」という「行楽」にうってつけの時期、すなわち「行楽の秋」なのです。
 「行楽の秋」という言葉がいつごろから使われているのかを新聞各紙のデータベースで調べてみたところ、1925(大正23)年11月の朝日新聞に「行楽の秋深く」という東武線の広告を見つけました。すでに戦前から使われていたことに驚きましたが、もっとも秋の行楽の代表ともいえる「紅葉狩り」も、奈良・平安時代の貴族たちが始めて江戸時代に町民たちに広まった歴史ある秋の遊びであり、古くから秋はお花見の春と並ぶ行楽シーズンとして認知されていたようです。

 また、秋は穀物や果物などの収穫が多くなる季節でもあり、「収穫の秋」や「実りの秋」ともいわれます。

 「行楽の秋」や「収穫の秋」、「実りの秋」の雰囲気を味わえるグッズや占い、ゲームのふろくが登場しました。

 「陸奥A子のデイトバッグ(りぼん 1977年10月号)」は、六角形のボックスに持ち手をつけたユニークなスタイルのバッグで、当時の少女たちに流行していたトランクタイプ。秋らしいオレンジ色を基調にしたデザインと丈夫なつくりは、紙製だけど市販のものにも負けないくらい。おでかけにだって持って行きたくなっちゃうくらいオシャレなふろくです。

 「虹子ちゃん ピクニックレターセット(ちゃお 1994年11月号)」は、ピクニックシーンのイラストが超かわいいレターセット。なんと105cmのロングサイズで使う長さによって切りはなせるびんせんや、メッセージを書いて折りたたむとリュック型になるP.S.カードなど工夫もいっぱいです。

 「マリアっぽいの! カラーデュエット占い(なかよし 2000年11月号)」は、イチョウやもみじなどの葉っぱと栗の実の中から2つを選び、こすって出た色の組み合わせで今日のラブ運が占えます。

 「ワイルドだもん ワイルド秋の味覚占い(なかよし 2003年10月号)」は、よいしょ! よいしょ! とおイモのつるを引っ張るキャラクターの中から好きなものを選び、その地面の下をエンピツでこすります。出てきたおイモの種類と大きさ、個数で今日の運勢をチェック。イモほり気分で楽しめちゃう占いです。

 「オールスター 列車でGO! 秋のおでかけ占い(なかよし 2004年10月号)」は、遊園地・温泉・ハイキング・水族館・ショッピングの中から今日行きたい場所を1つ選び、好きな色の車両に書き、車両の銀をはがします。でてきたキャラクターと行きたい場所との組み合わせで今日の運勢が占えます。

 「わんころべえ キノコがりゲーム(なかよし 1998年11月号)」は、秋の味覚のキノコがりをして点数を競うゲームを2種類楽しめます。
 まず1つは、ゲーム盤のマスの上にキノコカードを置き、スタート地点からサイコロで出た目の数だけコマをタテ・ヨコに進めて、カードのあるマスに止まったらキノコをGET! ゲーム盤上のキノコカードがなくなったらゲーム終了で、取ったカードの裏に書かれた点数の合計がいちばん多い人が勝ち。ただし、キノコカードに紛れ込んでいる「毒キノコカード」を取ってしまったら、その分点数がマイナスされてしまいます。単純にキノコをたくさん取ったほうが勝ちではなく、運も重要なゲームです。
 もう1つはすごろく形式で、簡単にゴールできるけどキノコはあまり取れないハイキングコースか、ゴールするのは大変だけどキノコをたくさん取れるチャンスがあるロッククライミングコースのどちらかを選んでスタート。途中止まったマスに「キノコカードを場からとる」の指示があればキノコをGET! 誰かがゴールしたらゲーム終了。取ったキノコカードの裏の点数を合計し、いちばん多い人が勝ち! としたいところですが、ゴールした人にはさらに50点加算されるため、早くゴールした人とキノコをたくさん取った人、どちらが真の勝者なのかは終わってみないとわからない、ドキドキ感いっぱいのゲームなのです。

 「電脳少女★Mink どんぐりバトルゲーム(なかよし 2000年11月号)」は、山の形をした立体的なゲーム盤を使って、どんぐりひろい競争がお部屋の中でできちゃうゲームです。自分の進むコースを決めて山の頂上にどんぐりチップを置きます。サイコロで出た目の数だけチップを進め、山の下に着けたらそれをGET! 次からは頂上にある新しいチップを進めていき、頂上のどんぐりチップがなくなったらゲーム終了。GETしたチップの裏に書かれた点数の合計で順位が決まります。コースの途中には竹やぶや池などの落とし穴があり、そこにチップが入ってしまったらGETできません。また山の動物たちや風がとなりのコースにどんぐりチップを運んで他の人にGETさせてしまうことも。野山や公園では簡単にできるどんぐりひろいも、このゲームではなかなか一筋縄ではいかないようです。

 「○○の秋」で忘れてはいけないのは、なんといっても「食欲の秋」でしょう。夏の暑さで落ちた体力も回復し、最も食欲の増進する季節であり、さらに「収穫の秋」で海の幸山の幸ともに豊富です。昔の人は、その豊かな恵みを神様に感謝しながら秋の味を楽しみました。
 「食欲の秋」についても、いつごろから使われている言葉なのかを新聞各紙のデータベースで調べてみましたが、1934(昭和9年)9月の朝日新聞に「食慾の秋はまづ魚河岸に現れる」という記事があり、こちらも戦前にはすでに使われていた表現のようです。

 さて、「行楽の秋」にはハイキングやピクニックに出かける機会も多くなりますが、日頃気軽に使っている「ハイキング」と「ピクニック」の違い、みなさんはご存知でしたか?
 辞書でそれぞれの言葉を調べてみると、ハイキングは「自然と楽しみながら野山などを歩くこと(デジタル大辞泉)」で、ピクニックは「野山に出かけて遊んだり食事をしたりすること。野遊び、遠足(デジタル大辞泉)」となっています。どちらも野山に出かけることに変わりはないのですが、ハイキングは野山の散策が目的で、ピクニックは野山で遊びや食事をすることが目的のようで、どうやらピクニックは「行楽の秋」だけでなく「食欲の秋」も兼ね備えたレジャーともいえそうです。

 そんなピクニックに欠かせないのがお昼のお弁当なのですが、この季節にはランチボックスやピクニックセットといった、少女たちにとって秋の遠足にもお役立ちとなるふろくが多数登場しています。

 「ピクニックセット(りぼん 1976年11月号)」は、紙皿+紙ナプキン+コースター+紙コップ+おてふき+ストローのいろいろ入って便利なペアセット。先生方のイラストがステキすぎ&袋にセットされた様子がカンペキすぎて、使うのがもったいなくなりそう。

 2箱のランチボックス&ボックスケース+ビニール製ランチバッグがセットになった「姫ちゃん ランチタイムセット(りぼん 1990年11月号)」や、
 大小2つのランチボックス+ビニール製のランチバッグ&ランチマットがセットになった「友香ちゃん ハッピーランチセット(りぼん 1993年11月号)」、
 おにぎりが3コ入るゆったりサイズのケースとチビおつけものケース、一目でおにぎりの中身がわかるシール、お弁当やおにぎりなどがたくさんのせられるゆったりサイズのランチマットがセットになった「茶美ちゃん おでかけ・おにぎりケース&おにぎりめじるしシール&おでかけランチマット(ちゃお 1994年10月号)」、
 おにぎりボックス+サンドイッチボックス+ビニール製ランチバッグがセットになった「せあらちゃん わくわくランチセット(りぼん 1996年10月号)」など、複数のランチボックスとランチバッグ、ランチマットなどがセットになったものも。

 「いち・に・のさんだんランチBOX&おしゃれナプキン(なかよし 1987年11月号)」は、3つのランチBOXとナプキンケースをまとめてセットできちゃうよくばりなセットです。

 「なるみちゃん ランチボックス(りぼん 1989年10月号)」や、「菜緒ちゃん ランチボックス(りぼん 1999年10月号)」、「蘭ちゃん おでかけランチボックス(りぼん 2000年10月号)」は、中にトレイがついている2段構造。フルーツやナプキン、ウェットティッシュも入れられます。

 サンドイッチボックスとおてふき、紙ナプキンがセットになった「スパンク ウキウキピクニックセット(なかよし 1979年10月号)」や、「チャーミングサンドイッチトレー&ペアペアナプキン(なかよし 1981年10月号)」などの、サンドイッチ用のランチセットも登場しました。子どものころ、お弁当にサンドイッチを持ってくる子はどことなくオシャレな感じがしたものです。

 「一条ゆかりのピクニックバッグ(りぼん 1976年11月号)」や「ラブリー・ランチボックス(なかよし 1980年10月号)」、「きんぎょ注意報! ピクニックボックス(なかよし 1992年11月号)」、「紗南ちゃん ランチボックス(りぼん 1995年10月号)」、「夢のクレヨン王国 おでかけランチボックス(なかよし 1998年10月号)」などの持ち手がついたシンプルなランチボックスも、もちろんありました。箱の上部に丸みをつけたり、ひもを使って箱を閉じたり、真ん中からパカッと開くようにしたりといった工夫が凝らされています。

 これらのランチボックスは紙製ながら、どれも多彩なデザインと機能で市販品を見事に再現していて、紙の可能性を感じさせるものばかりです。ただ食べ物を入れるため、汚れたり濡れたりしてもう使えなくなってしまうかもという不安もありました。ラップやアルミホイルを敷いてガードしたり、食べ物は入れずに小物入れにしたりするなど、少女たちは様々なアイデアでふろくのランチボックスを使っていたようです。

 しかし、そんな心配などご無用の“ホンモノ”ランチボックスがついに登場します。
 「マーメイドメロディーぴちぴちピッチ ラブリーランチBOX(なかよし 2004年11月号)」は、フタも本体もプラスチック製なので汚れても水で洗えます。食べ終わったあとは本体を折り畳んでフタにしまえるから持ち歩きもラクチンの超使えるふろくです。

 「行楽の秋」、「収穫の秋」、「実りの秋」、「食欲の秋」は、自然と触れ合い、自然のモノを味わうアウトドア的な「○○の秋」ともいえるでしょう。
 さわやかな秋晴れの日は、ふろくと一緒にお出かけしても楽しそうですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『ポプラディア情報館 年中行事』新谷尚紀 監修 ポプラ社 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年

2016年11月25日 (金)

ふろくの花園 53.少女とふろくの歳時記 ○○の秋(後)

 秋は外に出かけて自然と親しむだけでなく、過ごしやすい気候だからこそ、自分の趣味とじっくり向き合うのにももってこいの季節です。
 後編では、どちらかといえばインドア方面の「○○の秋」ふろくについて紹介していきましょう。

 夜が長くなる秋は、本を読む時間が多く取れるようになることから、読書に適した季節として「読書の秋」と言われることはもうすっかりおなじみで、「○○の秋」のトップにあげる人もたくさんいるのではないでしょうか。新聞各紙のデータベースで調べてみても、1918(大正7)年9月の読売新聞「讀書の秋 図書館通ひの人々」の記事ですでに使われています。

 この「秋は読書の季節」というイメージが広まったのは、中国、唐の文学者・思想家である韓愈の詩の一部分
 「灯火稍く親しむべく 簡編巻舒すべし〈とうかようやくしたしむべく かんべんけんじょすべし〉」
 (時は秋、夜が長くなり灯火に親しむ機会が多くなった。書物をひもといて読むのに適した季節だ)で、
 一般に「灯火親しむべし」というかたちで使われるフレーズが、1908(明治41)年に発表された夏目漱石の小説『三四郎』に登場したこともきっかけの一つだそうです。

 毎年秋に実施される「読書週間」も、人々に「読書の秋」を普及させるのに大きな役割を果たしています。
 もともと、関東大震災後の1924(大正13)年に日本図書館協会が始め1939(昭和14)年に途絶したものを起源としており、第二次世界大戦後の1947(昭和22)年11月17日に、「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取次会社・書店と公共図書館、新聞・放送のマスコミ機関が協力し、第1回「読書週間」が開催されました。翌年からは文化の日をはさんだ2週間(10月27日~11月9日)と定められ、全国に広まっていきました。今では読書感想文のコンクールなど、さまざまなイベントが行われています。

 そんな「読書の秋」にちなんで、少女たちに楽しく本を読んでほしいという気持ちが込められた、読書グッズがたくさんふろくに登場しています。

 まずは、本の収納に便利なマガジンラックやブックスタンド、ブックエンドです。

 「一条ゆかりのカラフルマガジンラック(りぼん 1973年11月号)」は『りぼん』本誌がスッポリ入る大きさで、小物入れにも使えます。持ち手がついているので移動もラクチン。
 「スパンク ファンシーマガジンラック(なかよし 1981年11月号)」は、両サイド2ヵ所に収納できて『なかよし』本誌もコミックスも入る大きくて丈夫な作り。お部屋でずっと使えるゴーカなラックです。
 「アリスちゃん マガジンラック(ちゃお 1995年10月号)」は、『ちゃお』本誌が4冊も入る大きさで使いでタップリ。2つのスペースには段差がついていて本を取り出しやすくする心配りもされています。
 「わーい! アニマルコミックス・ラック(りぼん 1986年11月号)」は両サイドについた大きなキャラクターがかわいいブックスタンド。コミックスだけでなくビデオカセットラックにも使えるところに時代を感じるふろくです。
 「いつみちゃん どりいむブックエンド(なかよし 1984年11月号)」と「光希ちゃん バンドブックエンド(りぼん 1992年11月号)」は、どちらもペンやメモなどの小物を入れられるスペースがついているブックエンド。机の上に置いて教科書を立てるなど、とっても便利に使えます。
 「ミルモでポン! ラブラブぶっくすたんど(ちゃお 2005年10月号)」は、ちっちゃいけれどコミックスをしっかり並べてくれるブックエンドです。

 これらもランチボックス(52.少女とふろくの歳時記 ○○の秋(前)  参照)同様、紙で市販品を見事に再現している一例で、少しでも長く使ってもらえるよう色・形や機能などに様々な工夫がされています。いつかは底が抜けたり破れたりして壊れてしまうのはわかっているけれど、次号のお知らせに大きなラックやボックスの写真が載っていると発売日が待ち遠しくなってしまう、楽しみにしていたふろくの一つでした。

 お気に入りの本を大切に守ってくれる、ブックカバーも「読書の秋」には欠かせません。
 「テディ・ベア ラブリーブックカバー(ひとみ 1978年11月号)」と「くるみと七人のこびとたち メルヘンブックカバー(りぼん 1993年11月号)」は、どちらも丈夫なビニール製なので水や汚れも怖くありません。
 「実果子ちゃん アキンド・ブックカバー(りぼん 1996年10月号)」や「りぼんオールスター キラキラブックカバー(りぼん 1997年11月号)」、「みきなちゃん ブックカバー(ちゃお 1997年11月号)」、「愛里ちゃん クラフトブックカバー(りぼん 2002年10月号)」、「アゲハ100% シンデレラブックカバー(りぼん 2005年10月号)」はどれも紙製だけど、人気漫画のキャラクターのイラストがとってもステキ。コミックスにピッタリのサイズです。
 ふろくのブックカバーは、本誌が漫画雑誌ということでコミックスサイズが多いのですが、新学期などには教科書サイズの少し大きめのブックカバーもふろくになっています。1枚の紙を折って大きさを自由に調整できるものもありました。

 この本どこまで読んだっけ? を解決してくれる、しおりもたくさんありますよ。
 本にはさむしおりは、「りぼんしおり(りぼん 1955年11月号)」や「バレーしおり(なかよし 1957年11月号)」など、『なかよし』『りぼん』の創刊当初から登場している、少女向け紙製ふろくの超定番の一つですが、時代を経て、形や素材もバリエーションに富んできています。
 「キッシーズ ブックマーク(りぼん 1977年11月号)」や「リノちゃん おしゃれしおり(りぼん 1996年10月号)」は、細長い紙にキャラクターのイラストが描かれているオーソドックスなタイプ。
 「チャチャ りんごの香りしおり(りぼん 1992年11月号)」は、オーソドックスなタイプにプラスして、りんごの絵をこすると香りがする、ちょっとだけ「収穫の秋」気分も味わえるしおりです。
 「コンコンブックマーク(りぼん 1978年10月号)」や「チャーミング聖羅ブックマーク(りぼん 1987年10月号)」はクリップのように本にはさむタイプ。本の中にしおりが落ちることもなく、メモを止めるクリップとしても使えます。
 「なるみちゃん ブックマーク(りぼん 1990年10月号)」や「ユキちゃん とうめいしおり(りぼん 1998年10月号)」、「結婚しようよ 桐子の読書しおり(なかよし 2003年11月号)」はフィルム製で透けているのがオシャレです。紙にピッタリくっついて滑り落ちません。
 「カードキャプターさくら さくらちゃんブックマーカー(なかよし 1998年10月号)」は、キャラクターの形がかわいいピンク色の透明ビニール製しおり。エプロンの部分にページをはさめるクリップタイプです。
 「りりかちゃん ブランコしおり(りぼん 1995年11月号)」はピンク色のプラスチック製しおり。本の間にはさむとスイングします。
 「わんころべえ ゆらゆらしおり(なかよし 1996年11月号)」は、2つのキャラクターマスコットをリリアンでつなぎ、片方を本にはさみ、もう片方を本の外側にぶら下げるタイプのしおり。マスコットがゆらゆらゆれて、かわいいだけでなくオシャレ度もアップ!

 本の世界にもっと入り込める、ブック型のグッズも登場しています。
 「姫ちゃん ブック型レターセット(りぼん 1992年11月号)」は、びんせん+ふうとう+帯シールがセットになった、本物の絵本みたいなレターセット。表紙をあけると中はびんせんで、表紙にかぶせる帯がシールになっています。
 「奈緒ちゃん ブック・レターセット(りぼん 1998年10月号)」は、ブック型ケース+びんせん+ふうとう+シール+P.S.カードがセットになった、「読書の秋」にピッタリのレターセット。ケースごと本棚にしまってもOKです。
 「12歳。 魔法のスウィーツBOOK型ポーチ(ちゃお 2015年11月号)」は、サテン風の生地と背表紙部分の金色文字がオシャレなブック型ポーチ。コミックスも入るサイズで、ついついバッグから出して見せたくなっちゃうキュートなデザインになっています。

 そして、「○○の秋」の最後を飾るのは「芸術の秋」です。

 日展や二科展をはじめとする、絵画・彫刻・工芸などの芸術作品の展覧会が多く秋に開催されることなどから、秋が芸術を楽しむのに適しているのをいう言葉で、新聞各紙のデータベースを調べると、1928(昭和3)年9月の朝日新聞に「藝術の秋に」という記者のコラム記事があり、昭和の初めにはすでに使われていた表現だったことがわかります。もっともこの頃にはすでに、日展(当時は帝展)も二科展も開催されていて、人々が芸術作品に親しむようになってきていました。また、1951(昭和26)年8月の読売新聞「二科展の搬入始まる」の中には、「“芸術の秋ひらく” シーズンのトップを切って二科展の搬入が」という一文も見られます。美術館がいくつもあり、秋にいろいろな展覧会が開催される東京・上野のことを「上野の秋」「芸術の上野」とも称していました。

 さて、少女たちが身近で楽しめる芸術といえば、“お絵かき”でしょう。「芸術の秋」には、いろいろなお絵かきグッズのふろくが少女たちに届けられました。

 「るんるんスケッチブック(なかよし 1983年10月号)」は、ハンディーなバッグ形で持ち運びにも便利なスケッチブック。いつものふろくのノートよりも厚手で画用紙のような紙が使われていて、お店で売っているスケッチブックと同じくらいしっかりとした作りです。ワンポイントでプリントされたイラストもかわいくて、使うのがもったいなくなっちゃいます。

 少女たちの遊びの代表的なもので、今では大人の間でも人気の「ぬり絵」もふろくになっています。憧れの先生方が描いた下絵を、自分が色をぬって仕上げることに胸がワクワクすると同時に、うまくぬれなかったらどうしようとちょっぴり緊張もしたふろくです。

 「ペイントペイントポスター(りぼん 1976年11月号)」は、色をぬり終わるとポスターカレンダーとして使えます。
 「ステンドグラスぬりえ(りぼん 1978年11月号)」は、グラシン紙のような紙に印刷されたイラストにサインペンで色をぬるアイデアぬり絵。できあがったものを窓にはるとまるでステンドグラスのような透け感がでて、とってもキレイ。
 「なかよしオリジナルぬり絵カード(なかよし 1980年10月号)」は、3人の先生方がイラストを描いたB5サイズのぬり絵。お手本のカラーイラストもついていたのですが、ぬり絵そっちのけでそれをカードケースに入れ、下じきとして使って楽しんでいました。
 「NAKAYOSIカラーリングポストカード(なかよし 1981年10月号)」は、色をぬった後はお友だちに送れる「ぬり絵ハガキ」です。色のセンスを発揮しちゃおう。
 「くるみと七人のこびとたち カラフルパレット&手づくりアートカード(なかよし 1994年10月号)」と「クレヨン王国 カラフルパレット&メルヘン絵はがき(なかよし 1997年10月号)」は、紙のパレットに絵の具が4色分ついていて、水をつけた筆で絵の具の部分をさわるとちゃんと色がでる画期的なふろく。セットのカードに色をぬって、オリジナルのカードが作れます。

 新世紀を迎え、ついに色エンピツやクレヨンまでもがセットになった“ホンモノ”お絵かきふろくが登場しました。
 「チョコミミ ドリーミー★おえかきセット(りぼん 2007年10月号)」は、プラスチック製でかわいくて丈夫なケースの中に、水彩色エンピツ6色+筆1本+クレヨン6色と、カラフルなお絵かき道具がたっぷり入っている豪華なセットです。水彩色エンピツでぬって水を含んだ筆でなぞると、なんと絵の具に変身! 一緒についている「りぼん★メルヘンぬりえ絵本」に色をつけたり、「りぼんちゃん×ハローキティ おえかきノート」に好きな絵を描いたりして、お絵かき上手になっちゃいましょう。 

 少女漫画のイラストは細かいものが多いため、少女たちがキレイにぬり分けるのは結構大変だったのではないかと思います。特に1970年代の『りぼん』のものは、もはや“大人のぬり絵”レベルの緻密さでしょう。私の場合は一つしかないものを失敗して台無しにしてしまうのがイヤだったので、あまり積極的にぬり絵のふろくは使わなかったのですが、そんなことなど気にせず、思うままに色エンピツを動かして色をぬること自体を楽しんでいた少女たちのほうが、心から「芸術の秋」を満喫していたのかもしれません。

 ハロウィンとクリスマスにはさまれて派手なイベントが少ない11月は、どことなく存在感が薄い月という印象があります。だからこそ、じっくりと落ち着いて秋の雰囲気を味わうことができるのです。
 11月に早くも東京で初雪が降るなど、1年でいちばん快適に過ごせる秋は年々短くなってきているような感じがしますが、この貴重な時期にたくさんの「○○の秋」を楽しみたいものですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『三省堂中国名言名句辞典』大島晃 編 三省堂 2011年
『年中行事大辞典』加藤友康、高埜利彦、長沢利明、山田邦明 編 吉川弘文館 2009年
「公益社団法人 読書推進運動協議会」webサイト
「公益社団法人 日展」webサイト
「公益社団法人 二科会」webサイト

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