ふろくの花園 50.少女とふろくの歳時記 秋の大運動会
今日は10月10日。「スポーツに親しみ、健康な心身をつちかう」ことを目的とした祝日「体育の日」です。
1964(昭和39)年のこの日に「東京オリンピック(第18回夏季大会)」の開会式が行われたことを記念して1966(昭和41)年に制定された祝日であることや、当時東京で最も晴れる確率の高い日だったことから開会式が10月10日に決まったこと、「敬老の日」(49.少女とふろくの歳時記 おじいちゃんおばあちゃんを大切に 参照)同様、「ハッピーマンデー」制度の導入により2000(平成12)年から10月の第2月曜日に変更されたことは、すでにご存知のことと思います。
この「東京オリンピック」が10月に開催されたことで「スポーツの秋」といわれるようになりました。さわやかな秋晴れの日が多く体を動かすのに最適なこの時期、地域や学校などでは秋の運動会シーズン到来です。といっても今年の場合は暑さやジメジメ感、雨や曇りがしつこく続き、なかなか澄み切った青空の下とはいきませんが……
そんなこの季節は、ふろくでも秋の大運動会が開催されています。
「真奈美&浩一 かけっこノート(りぼん 1985年10月号)」や「ラブわん!
うんどうかいバッグ(りぼん 2003年10月号)」は、キャラクターたちが障害物競走や大玉ころがし、パン食い競争などに奮闘するイラストが描かれていて、持ってるだけで運動会気分が味わえます。
「まぼろし谷のねんねこ谷 ガンバレ!はちまきタマゴ(なかよし 1995年10月号)」は、ゆでタマゴに熱でくっつけることができるフィルム。運動会のお昼休み、おべんとうのフタをあけると“一等賞”の旗を持ったキャラクターのかわいいゆでタマゴが現れますよ。
運動会でおなじみの、あの種目を楽しめるゲームも登場しました。
「電脳少女★Mink 運動会かりものゲーム(なかよし 1999年10月号)」は、コースの途中に置かれた紙を拾ってそこに書かれている品物を借りてくる「借り物競争」をテーマにしたゲーム。
サイコロをふってスタートから出た目の数だけコマを進めていき、止まったマスに指示があればそれに従います。途中2ヵ所ある“かりものゾーン”でかりものカードをめくり、カードに書かれたコースを進み、最初にゴールインした人が優勝です。名前は「かりものゲーム」なのですが、かりものカードに書いてあるものを実際に借りてくるというルールはなく、選んだコースによってマスが多かったり少なかったり、指示の内容が簡単だったり難しかったりと進みやすさが変わるので、“借り物競争”というよりは“障害物競走”に近いのかもしれません。「変な顔をしてみんなを笑わせる」や「好きな人の名まえをいう」といった指示は、少女たちには結構難易度が高いのではないでしょうか。
「夢見なサイキック! 親ゆび騎馬戦バトル(なかよし 2001年11月号)」は、「騎馬戦」をテーマにしたゲーム。
2、3人で組んで馬を作りその上に別の1人が乗って、敵味方に分かれて上に乗っている人を落とし合ったり帽子などを取り合ったりする「騎馬戦」は、1874(明治7)年に日本で最初の運動会とされる海軍兵学校の「競闘遊戯会」ですでに行われており、戦国時代の馬に乗っての戦いからできたともいわれています。ケガ人出る度も観てる方のエキサイト度も高い伝統の種目です。
このゲームは運動会のトラックを描いたゲーム板に穴が2ヵ所開いていて、そこに自分と相手の親指を入れて遊ぶという、過去に登場した指ずもうゲーム「クラッシュ対極悪同盟 レスリングゲーム(なかよし
1986年3月号)」(昭和60年代の花園 ふろくでファイト! 参照)と同じしくみになっています。ただ、こちらの騎馬戦バトルゲームは単なる指ずもうではなく、運動会の「騎馬戦」ならではのアイテム“紅白帽”がキーポイントとなります。指ずもうのように自分と相手の手を組んで、それぞれの親指に指輪型の紅白帽とゲーム板をセットし、「ようい、ドン!」のかけ声でゲームスタート! 親指をうまく使って相手の帽子をはずしたほうが勝ちです。本物の騎馬戦みたいにみんなでワイワイ楽しめそうですね。
運動会で自分のチームを勝利に導くために、熱い応援はとっても大切。ふろくの応援グッズが、少女たちの必勝祈願をサポートします。
「シロちゃん はちまきサンバイザー(りぼん 1991年10月号)」は、自分のはちまきを使って頭にセットする紙製サンバイザー。「ガンバレガンバレ」と声援を送るチアガールのイラストがかわいくて、クラスの女子みんなで着けて応援したくなっちゃいそう。
「清香&由布子 スポーツわっしょい・セット(りぼん 1988年10月号)」は、応援うちわやあがらないお守り札、勝った人の胸につけるおめでとカード、優勝カップカードなど、運動会を盛り上げる、面白くて使える応援グッズが満載です。
応援グッズの代表的存在といえば、なんといっても「メガホン」でしょう。
遠くまで音声を届かせるために、口に当てて用いるラッパ型の器具である「メガホン」は、今やスポーツの応援に欠かせません。
「ゆみタンのキャピキャピ応援メガホン(ひとみ 1985年10月号)」をはじめ、
振るとシャカシャカ音がする「シロちゃん
CHACHACHAメガホン(りぼん 1990年10月号)」と「チャチャのチャッチャッチャッメガホン(りぼん 1993年10月号)」、
ひも付きで首から下げられる「翠ちゃん
おうえんメガホン(りぼん 1991年10月号)」、
姫ちゃんイラストの口の部分にメガホンが付いている「姫ちゃん
ガンバレメガホン(りぼん 1992年10月号)」、
メガホンをふると旗や手が動く「友香ちゃん
ファイトメガホン(りぼん 1994年10月号)」、
虹子ちゃんがチアガールのポンポンを持っていて、振るとパタパタ音がする「虹子ちゃん
チアガールパタパタメガホン(ちゃお 1994年10月号)」、
手のひらサイズでかわいい「どーなつプリン
がんばれモエちゃん!応援メガホン(なかよし 2002年10月号)」など、「メガホン」は特に1990年代前半、10月号の定番ふろくとなっています。
平らな紙を丸めて立体的なラッパ型の筒を作ることで市販のメガホンの形を再現し、さらに細かなチップを入れた箱を差し込んだり、筒の内側や外側に紙を1~2枚付けることで、振ると音が鳴るように工夫する。1枚の紙からどうしてこれほどのモノが作れるのだろうかと、紙という素材の可能性を改めて感じさせられたふろくです。
これらのかわいいメガホンで、少女たちの声援もバッチリ届いたことでしょう。
今年は2011年以来、久々に10月10日が「体育の日」にあたりました。8日から14日まで、年によっていろいろな日付になりますが、やっぱり本来の意味であるこの日がいちばんしっくりきます。リオデジャネイロでのオリンピックが終わり、いよいよ次はまた東京でのオリンピックだという実感が湧いてきた今年、10月10日が「体育の日」になるのは何か特別なめぐりあわせがあるような気がします。
※行事・風習の由来については諸説あります
〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男
監修 PHP研究所 2015年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 10月のまき』かこさとし
文・絵 小峰書店 2012年
『辞書びきえほん もののはじまり』陰山英男
監修 ひかりのくに 2010年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所
編 三省堂 2009年
『21世紀こども百科 もののはじまり館』小学館 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『まるごとわかる「日本人」はじめて百科 (1)生活・行事をはじめた人』日本図書センター 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア
編著 毎日コミュニケーションズ 2007年
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