ふろくの花園 49.少女とふろくの歳時記 おじいちゃんおばあちゃんを大切に
9月の第3月曜日は「敬老の日」。今年は9月19日です。長い間社会につくしてきたお年寄りを敬い長寿をお祝いする日で、様々な経験をしてきた“人生の大先輩”であるおじいちゃんとおばあちゃんに感謝の気持ちを伝えましょう。
「敬老の日」はもともと9月15日でした。
兵庫県野間谷村(現在の多可町)の村長が、1947年の9月15日に敬老会を開き「としよりの日」としたことがはじまりで、1966年に「敬老の日」として国民の祝日になりました。
また、それ以前から9月15日は、聖徳太子が身寄りのないお年寄りや病人の世話をするための施設「悲田院」を、大阪の四天王寺に建てた日とも伝えられています。
このように9月15日は、お年寄りにとって二重に意味のある日だったのです。しかし、祝日を特定の月曜日に移動させることで土日と合わせて3連休にするという「ハッピーマンデー」制度の導入により、2003年から「敬老の日」は9月の第3月曜日に移動することになりました。連休が増えるのはうれしいですが、日付が不定になることで祝日の本来の意味がわかりにくくなってしまうのには少し寂しさも感じます。
そんな「敬老の日」にピッタリな、おじいちゃんとおばあちゃんへのプレゼントにもなるふろくが登場しました。
「まゆみ! ご長寿お守&メガネふき(りぼん 1998年9月号)」は、人気漫画のキャラクターが描かれた不織布のような素材のかわいいメガネふきと、メッセージも書けるメガネふきケースのご長寿お守、プリクラが貼れる印籠お守の3点セットです。メガネふきはウラもオモテも使えて、時計や電話、アクサセリーの汚れをふくときにも使えるお役立ちグッズ。1998年のふろくのため、「9月15日は敬老の日」と書かれているところに時代を感じます。
「お守りの中にメガネふきと印籠お守を入れ、おじいちゃん・おばあちゃんにプレゼントを!」や、「おじいちゃんやおばあちゃんにメッセージをかこう」、「メガネふきを入れてわたそう。長生きしてねのメッセージといっしょに…」など、「敬老の日」のプレゼントとして使うことを強力にプッシュしていたのですが、少女たちから寄せられた感想のおたよりを見てみると、「メガネをかけている私にとっては嬉しいもの。これでいつもメガネはピカピカです」「めがねふき
なんだかやたらと役にたつ なんか自分で使ってるし」など、プレゼントよりも自分で使ってしまっていたようです。
大好きなおじいちゃんやおばあちゃんにでも、あげちゃうのはもったいないくらい魅力的なふろくだったのでしょう。
家族への尊敬や感謝の気持ちを伝える祝日は、他にも「母の日」(39.少女とふろくの歳時記 お母さん、ありがとう 参照)と「父の日」(41.少女とふろくの歳時記 お父さん、おつかれさま 参照)がありますが、アメリカから伝わったこの2つとは違い、「敬老の日」は日本生まれの長寿国ならではの祝日なのです。
この日をきっかけに、自分の身内でなくても日々の生活の中でお年寄りを大切にして、手助けしようとする気持ちを忘れないようにしたいですね。
※行事・風習の由来については諸説あります
〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男
監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 9月のまき』かこさとし
文・絵 小峰書店 2012年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所
編 三省堂 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア
編著 毎日コミュニケーションズ 2007年
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