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2016年6月の4件の記事

2016年6月30日 (木)

ふろくの花園 43.少女とふろくの歳時記 ホタル狩り

 先日、近所のふるさと資料館で行われたホタル観賞会に参加してきました。その資料館では自然環境により近い状態でホタルを育てているそうです。ケージ越しでしたが、生まれて初めての生ホタルの光。子どものようにワクワクした気持ちになり、暗闇の中で黄緑色の光が淡くついたり消えたりする様子はとても幻想的なものでした。
 ホタルといえば、おそらく何かの漫画で読んだと思われる「夏休みに田舎のおばあちゃんちに遊びに行ったとき、近所に住んでる男の子と仲良くなって、夜に2人でホタルの大群をこっそり見に行く」のような、“真夏に見るもの”というイメージをずっと持っていたため、梅雨時の6月にホタルを見られることがとても意外でビックリしました。

 ホタルの光はむかしから日本人の心をとらえてきたようで、いまから千年以上も前にまとめられた『日本書紀』や『万葉集』にはすでに、ホタルという言葉がでてきていますし、『源氏物語』や『枕草子』といった古典文学の名作にもとりあげられています。また、浮世絵や和歌、俳句、わらべうたなどの題材にも多く使われており、夕涼みをしながらホタルを見て楽しむ「ホタル狩り」が季節の風物詩として人々に親しまれ、生活にとけこんでいたことがわかりますね。

 そこで、「ホタル狩り」気分が味わえて、占いもできるふろくの登場です。

 「めだかの学校 光る!蛍占い(りぼん 2000年7月号)」は、箱型スコープと葉っぱカード5枚のセット。
 葉っぱカードに光をあてて、裏返しにしてよくかきまぜてから1枚選びます。そのカードをスコープに入れて穴からのぞくと、なんとホタルが光ってる! 光ったホタルの数で今日の運勢がわかる、不思議でキレイな占いです。

 葉っぱカードのデザインは5枚とも同じなのですが、ホタルのイラスト部分に蓄光塗料のようなものがついているため、よく見るとどのカードが何個ホタルが光るのかわかってしまいます。そこで裏返しにしてよくまぜてから選ばせる、というなかなかよくできた手順です。でもこのふろくは占いの結果よりも、とにかくカードが光っているのを見ることが楽しくて、いい大人の自分がやったのと同じように、カードをとっかえひっかえして穴からのぞいた少女たちも多かったのではないでしょうか。

 ホタルはオスとメスが出会って交尾を行うために、お互いに光の信号を送り合っているのだそう。卵からさなぎの間は1~2年も水中や土の中で暮らし、成虫になってからはわずか2週間たらずの命で、それまでに産卵し次の世代に命を引き継ぎます。このはかなくロマンチックなホタルの一生と神秘的な占いが結びついた、少女たちの心を引きつけるふろくですね。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 6月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『ホタル 光のひみつ 科学のアルバム』栗林 慧 著 あかね書房 2005年

2016年6月27日 (月)

ふろくの花園 42.少女とふろくの歳時記 憧れのジューンブライド

 大好きな漫画のラストシーンは主人公カップルの結婚式。真っ白なウェディングドレスを着て、教会で、指輪の交換と誓いのキス、みんなからフラワーシャワーで祝福されて……
 大人になったら私もステキなカレとこんな結婚式をしてみたい、と胸をときめかせる少女たちにとって特に憧れなのが、6月に結婚する花嫁「ジューンブライド」ではないでしょうか。

 「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」という「ジューンブライド」の伝説はヨーロッパの言い伝えです。ローマ神話で6月の守護神とされる女神ジュノー(Juno、ユーノーともいう)が、結婚や出産などを司る女性の守り神であったことから、この月に結婚すると女神が二人の結婚を一生約束してくれる、と信じられたといいます。また、ヨーロッパの6月は気候も良く、農作業が一段落する時期であったため結婚式を挙げやすかったということも、「ジューンブライド」伝説を後押ししたようです。
 日本でも、昭和40年代から取り入れられるようになりました。

 1990年代に入り、日本の結婚式事情は式場主導の「神前結婚式で三三九度→披露宴でウェディングドレスにお色直し」といった従来のスタイルから大きく変化します。その始まりは1990年代前半の、『けっこんぴあ』や『ゼクシィ』などの結婚情報誌の創刊でした。式場や披露宴会場を比較検討し、より効率よく選ぶことができるようになったため、結婚する当人が主体的に結婚式を作り上げようと考えるようになっていきます。そして、1995~1996年には神前結婚式とキリスト教式の比率が逆転し、ホテルなどが礼拝堂を併設するようになって以来「チャペルウェディング」が婚礼のスタンダードになりました。その後、新世紀を迎えるころにはレストランウェディングやハウスウェディングなど、自分たちの趣向を取り入れられる結婚式も広まったことで、いかにオリジナリティあふれる自分たちだけのモノを作れるか、という結婚式周りの情報戦が盛り上がりを見せていきます。

 そんな時代の空気が少女たちの憧れを詰め込むふろくにも入りこんだのか、1990年代後半から2000年にかけて、6月号のふろくに「ジューンブライド」にちなんだものが登場しました。

 「エンジェルリップ ドリームしたじき(ちゃお 1999年6月号)」や「キュートBOY ミニバッグ(ちゃお 2000年6月号)」は、ウェディングドレスを着たキャラクターのイラストが描かれています。使っているだけで「ジューンブライド」気分が味わえそうです。
 「プチちゃおコミック2001 特集あこがれのジューンブライド(ちゃお 2001年6月号)」は、ウェディングストーリーが6本で読みごたえたっぷりの別冊ふろく。といっても少女たちに向けたものなので、大好きなカレと未来の結婚を夢見る少女が主人公のかわいいお話です。読み終わったら、もっと「ジューンブライド」に憧れちゃうかもしれませんね。

 ゲームや占いでも「ジューンブライド」体験をしちゃいましょう。
 「せあらちゃん ジューンブライドゲーム(りぼん 1997年6月号)」は、かわいい3段のウェディングケーキ型。いちばん下のカレとの出会いからスタートし、両想いになって1段上り、プロポーズでもう1段上がり、最後にじゃんけんで勝てばいちばん上の段で待っているカレと結婚式のゴール! まさに、結婚に向けてのステップを一段一段上がるということを体感できるゲームです。
 「ウェディングバトルゲーム(なかよし 1999年6月号)」はプロポーズから結婚式まで、幸せなゴールをめざしてまっしぐらのゲーム、なのですが、婚約破棄でスタートにもどる、マリッジブルーで1回休み、他の人にコマをもどされたりと落とし穴もたくさん。最後に花むこチップをひいて、見事お相手のカレがでたらゴール! 結婚式まで山あり谷ありの道のりをたどるので、ゴールできた時の感動はひとしおでしょう。
 「せあら&奈緒 ジューンブライド占いミニブック(りぼん 1998年6月号)」は、会場やドレス、ケーキ、ハネムーンなど「どんな結婚式をしたいか」の心理テストに答えると、将来の恋愛の傾向がわかります。運命の人とはいつどこで出会えて、どんなデートをするのかな? みんなでワイワイ楽しめるミニブックです。

 「明姫ちゃん ウェディングプランノート(ちゃお 2000年6月号)」は、ウェディングプラザでドレスやブーケ、指輪、ケーキ、演出、引出物、新婚旅行などのウェディングアイテムを提案され、希望のものを選ぶという設定の心理テスト式ノートで、最終的に自分にピッタリのウェディングスタイルがわかります。少女向けにもかかわらず、それぞれのウェディングアイテムの写真や説明などが満載で、ページをめくっていると、まるで本当に結婚の準備をしているかのよう。
 このふろくの設定から見え隠れするのが、ウェディング・プランナーという存在です。
 ウェディング・プランナーは文字通り、結婚式のプランニングをすることが役割で、新郎新婦がどんな結婚式を行いたいかを聞き出し、希望に添った演出やプログラムを提案、一緒に結婚式を作り上げていきます。1950年代にアメリカで誕生し、日本ではオリジナルの結婚式を望むカップルが増えた1990年代から活躍の場を広げてきました。オリジナリティあふれる結婚式を行うには今や欠かせない存在で、映画やドラマに取り上げられたこともあり、女性に人気の職業の一つになっています。
 このウェディングプランノートで、様々なウェディングアイテムを提案され、希望のモノを選んでいくことで、自分の未来の結婚だけでなく、提案する側のウェディング・プランナーという職業に対しても憧れを抱く少女たちが出てくるのかもしれません。
 そう考えると、自分の結婚式は自分で作りたいという、この時代の空気が最も反映されたふろくともいえるのではないでしょうか。

 「ジューンブライド」のイメージから、日本でいちばん結婚が多いのは6月と思われるかもしれません。しかし、厚生労働省の統計より2015年の月別婚姻件数を見てみると、3月と11月が多く、6月はむしろ少ない方なのです。婚姻届を出す月と結婚式を挙げる月は必ずしも同じではありませんが、結婚式も気候の良い春と秋、特に11月が多いとのこと。
 実は、昭和40年代に日本で「ジューンブライド」が取り入れられたきっかけも、6月は梅雨時で挙式をする人が少なかったために、ホテル業界やブライダル業界が売り上げ向上を狙ってヨーロッパの「ジューンブライド」伝説を打ち出したこととされていて、バレンタインデー(31.少女とふろくの歳時記 バレンタインデー(前) 参照)を思い出させる業界の仕掛け的な面もあったようです。

 それでも「ジューンブライド」という言葉の響きとその伝説は、少女たちだけでなく、結婚に憧れるすべての女性にとって特別なものとなっているのです。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『最新 ブライダル業界の動向とカラクリがよ~くわかる本 第2版』粂美奈子 著 秀和システム 2013年
『きちんとわかる 結納と結婚のしきたり』大輪育子 監修 日本文芸社 2012年
『ふたりの結婚準備 これ一冊で完璧!』LADIRB〈ラディーブ〉監修 大泉書店 2007年
『冠婚葬祭のひみつ』斎藤美奈子 著 岩波書店 2006年
『人口動態統計月報(概数) 平成27年11月分』『人口動態統計速報 平成27年12月分』厚生労働省webサイト
ウェブ版『知恵蔵2015』

2016年6月23日 (木)

ふろくの花園 41.少女とふろくの歳時記 お父さん、おつかれさま

 6月の第3日曜日は「父の日」です。5月の「母の日」(39.少女とふろくの歳時記 お母さん、ありがとう 参照)に続いて、家族のために毎日一生懸命働いてくれているお父さんをいたわり、感謝と尊敬の気持ちを伝えましょう。

 「父の日」もアメリカから始まった記念日で、1910年にジョン・ブルース・ドット夫人が、男手一つで自分たち6人の子どもを育ててくれた父親への感謝の気持ちから、「母の日だけでなく父の日も作ってほしい」とアメリカの牧師協会へお願いしたことから始まったといわれています。その後長い時間がかかりましたが、1972年に、ドット夫人の父親の誕生月である6月の第3日曜日が「父の日」と正式に認められ、アメリカの国民の祝日となりました。
 「母の日」のカーネーションのように、アメリカでは「父の日」にバラの花を贈る習慣があります。これは、ドット夫人の父親の好きな花がバラだったことで、お墓に白いバラをそなえたからです。

 日本では1950年代ごろから「父の日」が知られるようになりました。高度経済成長期に商業関係者が「父親に感謝をこめて贈り物をしよう」と宣伝して広まったようで、一般的な行事となったのは1980年代に入ってからです。
 アメリカのFather’s Day Campaignの素晴らしさを知った日本メンズファッション協会の理事長が、当時日本に「父の日」と付けた催しがなかったことから、ファッション業界を主体として、1981年に「日本ファーザーズ・デイ委員会」を結成しました。お父さんを家族みんなで祝い、良き家族であることを誓う日として、「父の日」を国民的な社会行事に発展・定着させることを目的に、「父の日黄色いリボンキャンペーン」を始めとする各種活動を行っています。

 「父の日」が近づくと、黄色いバラが売られていたり、スーパーやデパートなどで、黄色いバラがデザインされたポスターやPOPが付けられているのを見かけることがあるでしょう。
 日本では黄色を「父の日」のテーマカラーとしており、「愛する人の身を守る。無事を願う」という意味が込められているそうです。毎日、家族みんなのために一生懸命、仕事をしてくれているお父さんにピッタリの色ですね。

 『なかよし』『りぼん』『ちゃお』『ひとみ』のふろくに、お父さんへの感謝の気持ちを形にして贈るための「父の日グッズ」が登場したのは、「ビタミンNトマトギフト(なかよし 1986年6月号)」や「父の日カード(りぼん 1986年6月号)」といった、1980年代後半です。
 「感謝をこめた父の日のプレゼントをいれて、おとうさんへ」「6月15日の父の日にお父さんにわたそう」などの説明で、少女たちに「父の日」をアピールしていました。

 それから「父の日グッズ」は6月号の定番となり、立体的な「父の日カード(りぼん 1987年6月号)」や、車の形がかわいい「チャチャ 父の日プレゼントボックス(りぼん 1996年6月号)」、メッセージだけでなくクイズも書ける「ヒロインをめざせ! サンキュパパ! クイズ&メッセージボード(なかよし 1998年6月号)」、有効期間内にお父さんといっぱいお話するための定期券「ワーキング娘。 サンキューパパ定期(なかよし 2000年6月号)」など、様々なデザインとアイデアが盛り込まれたカードやギフトボックスなどが少女たちに届けられています。
 ただ、「母の日」ふろくでは、シンボルであるカーネーションがデザインされたものを多く目にしたのですが、「父の日」ふろくにはシンボルであるはずのバラの花は使われていません。バラの花を贈る風習は、残念ながら日本では広まっていないようです。日本のお父さんにお花はあまり似合わないのでしょうか。

 少女たちにとってのお父さんのイメージは“お仕事モード”なのか、ネクタイ型の「父の日感謝カード(なかよし 1989年6月号)」や、ワイシャツ型の「きんぎょ注意報! 父の日ありがとうカード(なかよし 1992年6月号)」、ちょこんと顔をのぞかせる携帯電話がアクセントのカバン型ミニカード「おとなにナッツ サンキューパパバッグ(なかよし 2001年6月号)」など、ビジネススタイルがモチーフになっているものが見られます。
 中には、ネクタイをかけられるメッセージカード「まぼろし谷のねんねこ谷 父の日ネクタイハンガー(なかよし 1995年6月号)」や、お父さんのくつをピカピカにできるくつみがきシート「わんころべえ シューシャインシート(なかよし 1996年6月号)」といったお役立ちグッズもあり、毎日喜んで使ってもらえそうです。

 そして、「母の日」ふろくの中心的存在だった「お手伝いチケット」が、「父の日」ふろくにも登場しています。お父さん向けのお手伝いは、家事的なことよりも、肩たたき、テレビのチャンネル権、お風呂で背中を流す、一日デートなど、お父さんとのふれあいタイムに重点が置かれているようです。お父さんのワガママ(?)をいっぱい聞いてあげて、お父さん孝行をしましょう。「父の日」ふろくを使ってお手伝いをすると、きっと“いいこと”もいっぱいありますよ。

 「吹雪ちゃん 父の日ちゃっかり貯金箱(りぼん 1993年6月号)」はテレビ型の貯金箱。といってもお父さんが自分で使うお金を貯めるためのものではありません。テレビの画面にカードを差し込んでリクエストしたお手伝いにお父さんが満足すれば、貯金箱にお礼としてお小遣いを入れてあげるという、名前通り“ちゃっかり”した少女たちのための貯金箱なのです。
 「愛良ちゃん 父の日ゆうえんちカード(りぼん 1994年6月号)」は、「お父さん遊園地」をイメージした立体的なカードで、お父さんの似顔絵を描いた旗も立てられます。サービスチケットを全部使ってちゃんとお手伝いができたら「本物の遊園地に連れて行ってね」という、さりげない“おねだり”も込められています。
 「りりかちゃん RIBON父の日スペシャル(りぼん 1995年6月号)」は、雑誌スタイルのメッセージカードで、お父さんと行きたいところ、買ってほしいもの、お母さんへのインタビューなど、父の日にお父さんに読んでもらいたい特集が満載。巻頭スペシャル記事の「理想のお父さんチェック」に答えると、その点数によって使えるサービス券の枚数が決まります。家族思いの満点パパ回答をしないと、何もサービスしてもらえないという、悲しいこともあるかもしれません。
 「父の日スペシャルチェックカード&スペシャルクーポン券(ちゃお 1997年6月号)」は、誕生日や担任の先生の名前、行きたいところ、カレシがいるかなど、少女たちに関するクイズに答えて正解した数だけクーポン券がもらえます。こちらも答えられないと、子どもに無関心パパのイメージがついてしまい、家庭内で肩身の狭い思いをしそうですね。
 「父の日銀ハガシ大作戦(りぼん 2000年6月号)」は、お父さんと一緒に楽しめる銀はがしゲーム。お手伝いをするか、お小遣いがもらえるか、結果しだいで少女たちにも“いいこと”があるドキドキのゲームだから、何度でも遊びたくなっちゃいます。
 これらの「お手伝いチケット」には「母の日」グッズ同様、“6月中”や“来年の父の日まで”などの有効期限がついているものもあります。

 いつも家族みんなのためにお仕事をがんばっているお父さん。ありがたいけれど、身体も心配。お父さんの健康を気づかう気持ちから、「いつもありがとう」よりも「いつもおつかれさま」という言葉をつい贈りたくなってしまいます。そんな少女たちに届けられたのが、健康チェックもできる「父の日」ふろくです。

 「がんばれパパ! 健康診断書(なかよし 1988年6月号)」は、お父さんと一緒にヘルシーチェックができる診断書。日頃の生活についてのYes・Noチャートや3択で、健康度やフレッシュ度をテストしちゃいます。答えによっては、お父さんより年上という診断がでてしまうことも!?「このテストはすべてジョークです。わらってゆるしてネ」と注意書きにあるとおり、ユーモアいっぱいの親子で楽しめるテストです。
 「ちびまる子ちゃん 健康チェック新聞(りぼん 1992年6月号)」は、健康チェックチャートとアドバイスがついた新聞形式のメッセージカード。メッセージ欄にはお父さんの似顔絵や好きなところ、一緒にやりたいスポーツなども書けるので、これを読んだら働き過ぎのお父さんもきっと、自分の健康について考えてくれるようになるでしょう。
 「ぶーりん パパゲンキVカード(ちゃお 1995年6月号)」は栄養ドリンク型のメッセージカード。ジャンル別の若さチェックや、4つの効能(疲労回復=肩もみ、ストレス解消=見たいテレビ番組優先権、リラックス効果=お茶を入れる、運動不足解消=デート)という名がついた、有効期限1週間のお手伝いチケットつき。お父さんはますます元気になれそうですが、いちばん効くのは少女たちからの心のこもったメッセージかもしれません。
 「みい子ちゃん パパの健康チェッカー(ちゃお 1996年6月号)」は、表面の黒いフィルムセンサーを指で10秒間押さえて、何色になったかで現在の健康状態がわかっちゃうスグレモノ。どこでも簡単にチェックできるから、お父さんにいつも持ち歩いてもらうのもいいですね。

 仕事が忙しいお父さんと、部活や塾などが忙しい少女たち。普段はすれ違いの生活で、遊んだり話したりする機会がなかなか作れないこともあるかと思います。年に一度の「父の日」に、これらのふろくがコミュニケーションをとるきっかけとして、とても役に立ったのではないでしょうか。
 「母の日」ふろくを調べたときは、お手伝いチケットに有効期限がついていたり、おねだりやおこづかいなどの見返りを求めていることに、「純粋な感謝の気持ちだけでお手伝いできないのかなあ」という気持ちがあったのですが、今回「父の日」ふろくも合わせて見たことで、有効期限やおねだりも必要なことなのかもしれないと思うようになりました。期限を作ることでチケットのことを気にしてもらい、使わないまま忘れられてしまうことを防いだり、おねだりをきいてもらえたことで、自分のお手伝いがきちんとできたことが認識できたりと、親子間の双方向コミュニケーションを果たすために有効な手段の一つであることに気付いたからです。

 母の日に比べて影が薄いといわれがちな「父の日」。
 新世紀を迎え、「どーなつプリン パパに感謝!ミニ新聞(なかよし 2003年6月号)」と「かみちゃまかりんchu 父の日クーポン☆HOT PAPA(なかよし 2006年6月号)」以降、「父の日グッズ」は『なかよし』『りぼん』『ちゃお』のふろくから姿を消してしまいましたが、家族にとっては欠かせない、大切な年中行事であることに変わりはありません。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 6月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『三省堂年中行事事典 改定版』田中宣一、宮田登 編 三省堂 2012年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所 編 三省堂 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年
『子どもに教える 今日はどんな日?』髙橋司 著 PHP研究所 2006年
「日本ファーザーズ・デイ委員会」webサイト

2016年6月15日 (水)

ふろくの花園 40.少女とふろくの歳時記 梅雨入り

 6月になり、いよいよ東京も梅雨の時期に入りました。ジメジメとした雨の日が多く、ついつい外出するのもおっくうになってしまいがちです。
 アジア大陸からの乾いた冷たい空気と、太平洋からの湿った暖かい空気が日本列島の上空でぶつかってできる梅雨前線のため、しとしとと雨が降り続くようになる梅雨は、日本の雨季ともいえるでしょう。
 この頃はちょうど梅の身が熟し、たくさんとれる時期であることから「梅」の字をあてたそうです。
 暦の上での梅雨入り、いわゆる「入梅」は、立春からかぞえて127日目、だいたい6月11日ごろにあたりますが、実際は気象庁が、梅雨前線の様子や天気などを見て梅雨入りを発表しています。今年の関東甲信地方の梅雨入りは6月5日ごろでした。

 これから1か月ほど続く梅雨の時期。少女たちが雨の日を少しでも楽しく過ごせるようなアイデアが詰め込まれた、“雨の日グッズ”のふろくを紹介します。

 まずは雨の日には手放せない、いわば“梅雨のお供”ともいえる、傘と一緒に使えるふろくです。

 学校やお店の傘立てにはたくさんの傘が入っていて、どれが自分の傘かすぐにはわからなかったり、まちがって他の人に傘を持っていかれないか心配……
 そんなときにお役立ちなのが、「友香ちゃん 雨の日マスコット(りぼん 1994年6月号)」や「アリスちゃん ネームタッグ(ちゃお 1994年6月号)」、「くまちゃん ネームタグ(りぼん 1995年6月号)」、「紗南ちゃん ラブリードール(りぼん 1996年6月号)」、「夢のクレヨン王国 ネームプレート(なかよし 1998年6月号)」などのネームタグです。ビニール製なので雨にぬれても大丈夫。名前を書いて傘につけておけば、人気漫画のかわいいキャラクターが目印になってくれますよ。

 「シロちゃん 傘カバー(りぼん 1989年6月号)」と「まるちゃん 傘カバー(りぼん 1990年6月号)」は、濡れた傘を入れられるビニールカバー。「ふろくで初めての新製品!!」のアイデアグッズです。長さは約60cm、持ち手のヒモもついているので、気になるポタポタしずくをシャットアウトでき、建物の中でも安心して持ち歩けます。キャラクターのイラストもかわいくて、雨が降っていても何度でもおでかけしたくなりそうですね。

 雨ばっかりで、なかなか外で遊べなくてつまんな~い。でも、おうちでみんなと占いやゲームを楽しんじゃいましょう。

 「わんころべえ てるてる占い(なかよし 1993年6月号)」は、水にぬらすとメッセージがでてくる水占い。退屈な雨の日に外につるしておくと、てるてるぼうずに扮したかわいいキャラクターたちが何をすればいいのか教えてくれます。
 「恋愛向上委員会ジューシーフルーツ デイリーパラソル占い(なかよし 1998年6月号)」は傘の形をしたルーレット占い。傘をくるくる回して止まったところで、その日の運勢がわかります。
 「めだかの学校 傘立て占い(りぼん 2000年6月号)」は、ゲタ占いとあみだくじがドッキング! まずゲタを投げて、落ちた形の指示に従い傘立て型のあみだくじを回転させます。傘の形のコマを傘立てに入れ手を放し、倒れたところからあみだくじをスタート。今日のラッキー運やラッキーアイテムが占えるだけでなく、えんぴつ立てとしても使えるので、机の上にいつも置いておける実用的な占いです。
 「ムーぽん ゆらゆらアンブレラゲーム(なかよし 1999年6月号)」は、ゆらゆら揺れる傘の上にキャラクターを何匹載せられるかを競うバランスゲーム。一匹乗せるたびにあっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら…… 倒したら負けなので、とってもスリリングです。


 雨の日が多い梅雨の時期だからといって、外で行うイベントの予定を入れないわけにはいきません。「みんなで遊園地に行くから、明日は晴れてほしいな~」と思ったときに、窓から吊るしてお願いするのが「てるてるぼうず」です。

 てるてるぼうずは、昔の中国にあったほうきをもった女の子の人形「掃晴娘〈サオチンニャン〉」を吊るす風習が元になったといわれており、ほうきで「晴れの気」を掃きよせて晴れや幸運を招きます。日本に伝わったときになぜか、男の子の坊主に変わってしまいました。逆に雨を降らせてほしいときには、逆さに吊るしたりするそうです。

 「あ~した天気にしておくれ」の願いをきっとかなえてくれる、梅雨の時期ならではの願かけふろくが少女たちのもとに届けられました。

 「わんころべえ お元気ハレハレぼうず(なかよし 1986年6月号)」はビニール製。ティッシュなどを包んでひもで結ぶと、かわいいてるてるぼうずのできあがりです。「おこづかいがもらえますように」や「100点とれますように」、「カレができますように」など、お天気以外の願いごともOKらしく、いろいろな願かけに使えます。部屋に吊るすだけで元気になれちゃいそうです。
 「責任とるお天気てる坊(なかよし 1988年6月号)」はなんと、水に溶ける紙で作られています。「もし雨が降ったら、溶けて責任とりますっ!」と書かれていて、なんて潔いてるてるぼうずでしょう。これを吊るしたときは、別の意味でも晴れてほしいと思わせるふろくです。
 その他、ひもを通してカバンなどにつけられる「わんころべえ てるてるマスコット(なかよし 1992年6月号)」や、窓ガラスなどに何度でも貼ったり取ったりできる「みい子ちゃん ハレハレお願いシール(ちゃお 1995年6月号)」などのお天気願かけふろくも登場しています。

 ジメジメしたうっとうしい気候、雨でなかなか予定通りにいかない、気分も沈みがちになるなど、ついネガティブになってしまう梅雨どき。
 しかし、田植え前後の稲や作物がこれから育っていくためには欠かせないものですし、暑い夏に水不足が起こらないよう必要な水を貯えなくてはなりません。
 今年は雨量が少ないようで、このところ、ダムの貯水量が低下しているというニュースが毎日のように報道されています。農作物にとっても、私たちの生活にとっても、梅雨は恵みの雨となり、これから夏を迎えるための大事な期間でもあるのです。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 6月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年

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