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2016年6月23日 (木)

ふろくの花園 41.少女とふろくの歳時記 お父さん、おつかれさま

 6月の第3日曜日は「父の日」です。5月の「母の日」(39.少女とふろくの歳時記 お母さん、ありがとう 参照)に続いて、家族のために毎日一生懸命働いてくれているお父さんをいたわり、感謝と尊敬の気持ちを伝えましょう。

 「父の日」もアメリカから始まった記念日で、1910年にジョン・ブルース・ドット夫人が、男手一つで自分たち6人の子どもを育ててくれた父親への感謝の気持ちから、「母の日だけでなく父の日も作ってほしい」とアメリカの牧師協会へお願いしたことから始まったといわれています。その後長い時間がかかりましたが、1972年に、ドット夫人の父親の誕生月である6月の第3日曜日が「父の日」と正式に認められ、アメリカの国民の祝日となりました。
 「母の日」のカーネーションのように、アメリカでは「父の日」にバラの花を贈る習慣があります。これは、ドット夫人の父親の好きな花がバラだったことで、お墓に白いバラをそなえたからです。

 日本では1950年代ごろから「父の日」が知られるようになりました。高度経済成長期に商業関係者が「父親に感謝をこめて贈り物をしよう」と宣伝して広まったようで、一般的な行事となったのは1980年代に入ってからです。
 アメリカのFather’s Day Campaignの素晴らしさを知った日本メンズファッション協会の理事長が、当時日本に「父の日」と付けた催しがなかったことから、ファッション業界を主体として、1981年に「日本ファーザーズ・デイ委員会」を結成しました。お父さんを家族みんなで祝い、良き家族であることを誓う日として、「父の日」を国民的な社会行事に発展・定着させることを目的に、「父の日黄色いリボンキャンペーン」を始めとする各種活動を行っています。

 「父の日」が近づくと、黄色いバラが売られていたり、スーパーやデパートなどで、黄色いバラがデザインされたポスターやPOPが付けられているのを見かけることがあるでしょう。
 日本では黄色を「父の日」のテーマカラーとしており、「愛する人の身を守る。無事を願う」という意味が込められているそうです。毎日、家族みんなのために一生懸命、仕事をしてくれているお父さんにピッタリの色ですね。

 『なかよし』『りぼん』『ちゃお』『ひとみ』のふろくに、お父さんへの感謝の気持ちを形にして贈るための「父の日グッズ」が登場したのは、「ビタミンNトマトギフト(なかよし 1986年6月号)」や「父の日カード(りぼん 1986年6月号)」といった、1980年代後半です。
 「感謝をこめた父の日のプレゼントをいれて、おとうさんへ」「6月15日の父の日にお父さんにわたそう」などの説明で、少女たちに「父の日」をアピールしていました。

 それから「父の日グッズ」は6月号の定番となり、立体的な「父の日カード(りぼん 1987年6月号)」や、車の形がかわいい「チャチャ 父の日プレゼントボックス(りぼん 1996年6月号)」、メッセージだけでなくクイズも書ける「ヒロインをめざせ! サンキュパパ! クイズ&メッセージボード(なかよし 1998年6月号)」、有効期間内にお父さんといっぱいお話するための定期券「ワーキング娘。 サンキューパパ定期(なかよし 2000年6月号)」など、様々なデザインとアイデアが盛り込まれたカードやギフトボックスなどが少女たちに届けられています。
 ただ、「母の日」ふろくでは、シンボルであるカーネーションがデザインされたものを多く目にしたのですが、「父の日」ふろくにはシンボルであるはずのバラの花は使われていません。バラの花を贈る風習は、残念ながら日本では広まっていないようです。日本のお父さんにお花はあまり似合わないのでしょうか。

 少女たちにとってのお父さんのイメージは“お仕事モード”なのか、ネクタイ型の「父の日感謝カード(なかよし 1989年6月号)」や、ワイシャツ型の「きんぎょ注意報! 父の日ありがとうカード(なかよし 1992年6月号)」、ちょこんと顔をのぞかせる携帯電話がアクセントのカバン型ミニカード「おとなにナッツ サンキューパパバッグ(なかよし 2001年6月号)」など、ビジネススタイルがモチーフになっているものが見られます。
 中には、ネクタイをかけられるメッセージカード「まぼろし谷のねんねこ谷 父の日ネクタイハンガー(なかよし 1995年6月号)」や、お父さんのくつをピカピカにできるくつみがきシート「わんころべえ シューシャインシート(なかよし 1996年6月号)」といったお役立ちグッズもあり、毎日喜んで使ってもらえそうです。

 そして、「母の日」ふろくの中心的存在だった「お手伝いチケット」が、「父の日」ふろくにも登場しています。お父さん向けのお手伝いは、家事的なことよりも、肩たたき、テレビのチャンネル権、お風呂で背中を流す、一日デートなど、お父さんとのふれあいタイムに重点が置かれているようです。お父さんのワガママ(?)をいっぱい聞いてあげて、お父さん孝行をしましょう。「父の日」ふろくを使ってお手伝いをすると、きっと“いいこと”もいっぱいありますよ。

 「吹雪ちゃん 父の日ちゃっかり貯金箱(りぼん 1993年6月号)」はテレビ型の貯金箱。といってもお父さんが自分で使うお金を貯めるためのものではありません。テレビの画面にカードを差し込んでリクエストしたお手伝いにお父さんが満足すれば、貯金箱にお礼としてお小遣いを入れてあげるという、名前通り“ちゃっかり”した少女たちのための貯金箱なのです。
 「愛良ちゃん 父の日ゆうえんちカード(りぼん 1994年6月号)」は、「お父さん遊園地」をイメージした立体的なカードで、お父さんの似顔絵を描いた旗も立てられます。サービスチケットを全部使ってちゃんとお手伝いができたら「本物の遊園地に連れて行ってね」という、さりげない“おねだり”も込められています。
 「りりかちゃん RIBON父の日スペシャル(りぼん 1995年6月号)」は、雑誌スタイルのメッセージカードで、お父さんと行きたいところ、買ってほしいもの、お母さんへのインタビューなど、父の日にお父さんに読んでもらいたい特集が満載。巻頭スペシャル記事の「理想のお父さんチェック」に答えると、その点数によって使えるサービス券の枚数が決まります。家族思いの満点パパ回答をしないと、何もサービスしてもらえないという、悲しいこともあるかもしれません。
 「父の日スペシャルチェックカード&スペシャルクーポン券(ちゃお 1997年6月号)」は、誕生日や担任の先生の名前、行きたいところ、カレシがいるかなど、少女たちに関するクイズに答えて正解した数だけクーポン券がもらえます。こちらも答えられないと、子どもに無関心パパのイメージがついてしまい、家庭内で肩身の狭い思いをしそうですね。
 「父の日銀ハガシ大作戦(りぼん 2000年6月号)」は、お父さんと一緒に楽しめる銀はがしゲーム。お手伝いをするか、お小遣いがもらえるか、結果しだいで少女たちにも“いいこと”があるドキドキのゲームだから、何度でも遊びたくなっちゃいます。
 これらの「お手伝いチケット」には「母の日」グッズ同様、“6月中”や“来年の父の日まで”などの有効期限がついているものもあります。

 いつも家族みんなのためにお仕事をがんばっているお父さん。ありがたいけれど、身体も心配。お父さんの健康を気づかう気持ちから、「いつもありがとう」よりも「いつもおつかれさま」という言葉をつい贈りたくなってしまいます。そんな少女たちに届けられたのが、健康チェックもできる「父の日」ふろくです。

 「がんばれパパ! 健康診断書(なかよし 1988年6月号)」は、お父さんと一緒にヘルシーチェックができる診断書。日頃の生活についてのYes・Noチャートや3択で、健康度やフレッシュ度をテストしちゃいます。答えによっては、お父さんより年上という診断がでてしまうことも!?「このテストはすべてジョークです。わらってゆるしてネ」と注意書きにあるとおり、ユーモアいっぱいの親子で楽しめるテストです。
 「ちびまる子ちゃん 健康チェック新聞(りぼん 1992年6月号)」は、健康チェックチャートとアドバイスがついた新聞形式のメッセージカード。メッセージ欄にはお父さんの似顔絵や好きなところ、一緒にやりたいスポーツなども書けるので、これを読んだら働き過ぎのお父さんもきっと、自分の健康について考えてくれるようになるでしょう。
 「ぶーりん パパゲンキVカード(ちゃお 1995年6月号)」は栄養ドリンク型のメッセージカード。ジャンル別の若さチェックや、4つの効能(疲労回復=肩もみ、ストレス解消=見たいテレビ番組優先権、リラックス効果=お茶を入れる、運動不足解消=デート)という名がついた、有効期限1週間のお手伝いチケットつき。お父さんはますます元気になれそうですが、いちばん効くのは少女たちからの心のこもったメッセージかもしれません。
 「みい子ちゃん パパの健康チェッカー(ちゃお 1996年6月号)」は、表面の黒いフィルムセンサーを指で10秒間押さえて、何色になったかで現在の健康状態がわかっちゃうスグレモノ。どこでも簡単にチェックできるから、お父さんにいつも持ち歩いてもらうのもいいですね。

 仕事が忙しいお父さんと、部活や塾などが忙しい少女たち。普段はすれ違いの生活で、遊んだり話したりする機会がなかなか作れないこともあるかと思います。年に一度の「父の日」に、これらのふろくがコミュニケーションをとるきっかけとして、とても役に立ったのではないでしょうか。
 「母の日」ふろくを調べたときは、お手伝いチケットに有効期限がついていたり、おねだりやおこづかいなどの見返りを求めていることに、「純粋な感謝の気持ちだけでお手伝いできないのかなあ」という気持ちがあったのですが、今回「父の日」ふろくも合わせて見たことで、有効期限やおねだりも必要なことなのかもしれないと思うようになりました。期限を作ることでチケットのことを気にしてもらい、使わないまま忘れられてしまうことを防いだり、おねだりをきいてもらえたことで、自分のお手伝いがきちんとできたことが認識できたりと、親子間の双方向コミュニケーションを果たすために有効な手段の一つであることに気付いたからです。

 母の日に比べて影が薄いといわれがちな「父の日」。
 新世紀を迎え、「どーなつプリン パパに感謝!ミニ新聞(なかよし 2003年6月号)」と「かみちゃまかりんchu 父の日クーポン☆HOT PAPA(なかよし 2006年6月号)」以降、「父の日グッズ」は『なかよし』『りぼん』『ちゃお』のふろくから姿を消してしまいましたが、家族にとっては欠かせない、大切な年中行事であることに変わりはありません。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『親子でたのしむ日本の行事』平凡社 2014年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 6月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『三省堂年中行事事典 改定版』田中宣一、宮田登 編 三省堂 2012年
『こども きせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版』三省堂編修所 編 三省堂 2009年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年
『子どもに教える 今日はどんな日?』髙橋司 著 PHP研究所 2006年
「日本ファーザーズ・デイ委員会」webサイト

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