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2016年6月15日 (水)

ふろくの花園 40.少女とふろくの歳時記 梅雨入り

 6月になり、いよいよ東京も梅雨の時期に入りました。ジメジメとした雨の日が多く、ついつい外出するのもおっくうになってしまいがちです。
 アジア大陸からの乾いた冷たい空気と、太平洋からの湿った暖かい空気が日本列島の上空でぶつかってできる梅雨前線のため、しとしとと雨が降り続くようになる梅雨は、日本の雨季ともいえるでしょう。
 この頃はちょうど梅の身が熟し、たくさんとれる時期であることから「梅」の字をあてたそうです。
 暦の上での梅雨入り、いわゆる「入梅」は、立春からかぞえて127日目、だいたい6月11日ごろにあたりますが、実際は気象庁が、梅雨前線の様子や天気などを見て梅雨入りを発表しています。今年の関東甲信地方の梅雨入りは6月5日ごろでした。

 これから1か月ほど続く梅雨の時期。少女たちが雨の日を少しでも楽しく過ごせるようなアイデアが詰め込まれた、“雨の日グッズ”のふろくを紹介します。

 まずは雨の日には手放せない、いわば“梅雨のお供”ともいえる、傘と一緒に使えるふろくです。

 学校やお店の傘立てにはたくさんの傘が入っていて、どれが自分の傘かすぐにはわからなかったり、まちがって他の人に傘を持っていかれないか心配……
 そんなときにお役立ちなのが、「友香ちゃん 雨の日マスコット(りぼん 1994年6月号)」や「アリスちゃん ネームタッグ(ちゃお 1994年6月号)」、「くまちゃん ネームタグ(りぼん 1995年6月号)」、「紗南ちゃん ラブリードール(りぼん 1996年6月号)」、「夢のクレヨン王国 ネームプレート(なかよし 1998年6月号)」などのネームタグです。ビニール製なので雨にぬれても大丈夫。名前を書いて傘につけておけば、人気漫画のかわいいキャラクターが目印になってくれますよ。

 「シロちゃん 傘カバー(りぼん 1989年6月号)」と「まるちゃん 傘カバー(りぼん 1990年6月号)」は、濡れた傘を入れられるビニールカバー。「ふろくで初めての新製品!!」のアイデアグッズです。長さは約60cm、持ち手のヒモもついているので、気になるポタポタしずくをシャットアウトでき、建物の中でも安心して持ち歩けます。キャラクターのイラストもかわいくて、雨が降っていても何度でもおでかけしたくなりそうですね。

 雨ばっかりで、なかなか外で遊べなくてつまんな~い。でも、おうちでみんなと占いやゲームを楽しんじゃいましょう。

 「わんころべえ てるてる占い(なかよし 1993年6月号)」は、水にぬらすとメッセージがでてくる水占い。退屈な雨の日に外につるしておくと、てるてるぼうずに扮したかわいいキャラクターたちが何をすればいいのか教えてくれます。
 「恋愛向上委員会ジューシーフルーツ デイリーパラソル占い(なかよし 1998年6月号)」は傘の形をしたルーレット占い。傘をくるくる回して止まったところで、その日の運勢がわかります。
 「めだかの学校 傘立て占い(りぼん 2000年6月号)」は、ゲタ占いとあみだくじがドッキング! まずゲタを投げて、落ちた形の指示に従い傘立て型のあみだくじを回転させます。傘の形のコマを傘立てに入れ手を放し、倒れたところからあみだくじをスタート。今日のラッキー運やラッキーアイテムが占えるだけでなく、えんぴつ立てとしても使えるので、机の上にいつも置いておける実用的な占いです。
 「ムーぽん ゆらゆらアンブレラゲーム(なかよし 1999年6月号)」は、ゆらゆら揺れる傘の上にキャラクターを何匹載せられるかを競うバランスゲーム。一匹乗せるたびにあっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら…… 倒したら負けなので、とってもスリリングです。


 雨の日が多い梅雨の時期だからといって、外で行うイベントの予定を入れないわけにはいきません。「みんなで遊園地に行くから、明日は晴れてほしいな~」と思ったときに、窓から吊るしてお願いするのが「てるてるぼうず」です。

 てるてるぼうずは、昔の中国にあったほうきをもった女の子の人形「掃晴娘〈サオチンニャン〉」を吊るす風習が元になったといわれており、ほうきで「晴れの気」を掃きよせて晴れや幸運を招きます。日本に伝わったときになぜか、男の子の坊主に変わってしまいました。逆に雨を降らせてほしいときには、逆さに吊るしたりするそうです。

 「あ~した天気にしておくれ」の願いをきっとかなえてくれる、梅雨の時期ならではの願かけふろくが少女たちのもとに届けられました。

 「わんころべえ お元気ハレハレぼうず(なかよし 1986年6月号)」はビニール製。ティッシュなどを包んでひもで結ぶと、かわいいてるてるぼうずのできあがりです。「おこづかいがもらえますように」や「100点とれますように」、「カレができますように」など、お天気以外の願いごともOKらしく、いろいろな願かけに使えます。部屋に吊るすだけで元気になれちゃいそうです。
 「責任とるお天気てる坊(なかよし 1988年6月号)」はなんと、水に溶ける紙で作られています。「もし雨が降ったら、溶けて責任とりますっ!」と書かれていて、なんて潔いてるてるぼうずでしょう。これを吊るしたときは、別の意味でも晴れてほしいと思わせるふろくです。
 その他、ひもを通してカバンなどにつけられる「わんころべえ てるてるマスコット(なかよし 1992年6月号)」や、窓ガラスなどに何度でも貼ったり取ったりできる「みい子ちゃん ハレハレお願いシール(ちゃお 1995年6月号)」などのお天気願かけふろくも登場しています。

 ジメジメしたうっとうしい気候、雨でなかなか予定通りにいかない、気分も沈みがちになるなど、ついネガティブになってしまう梅雨どき。
 しかし、田植え前後の稲や作物がこれから育っていくためには欠かせないものですし、暑い夏に水不足が起こらないよう必要な水を貯えなくてはなりません。
 今年は雨量が少ないようで、このところ、ダムの貯水量が低下しているというニュースが毎日のように報道されています。農作物にとっても、私たちの生活にとっても、梅雨は恵みの雨となり、これから夏を迎えるための大事な期間でもあるのです。

 ※行事・風習の由来については諸説あります

〈参考文献〉
『12か月の絵図鑑 季節を知る・遊ぶ・感じる』長谷川康男 監修 PHP研究所 2015年
『かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 6月のまき』かこさとし 文・絵 小峰書店 2012年
『はじめて知る みんなの行事とくらし』学習研究社 2008年
『親子で学ぶ 季節行事とマナーの基本』クレア 編著 毎日コミュニケーションズ 2007年

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