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2016年4月30日 (土)

ふろくの花園 37.少女とふろくの歳時記 新学期の友だちづくり

 春4月、入学やクラス替え、塾、おけいこごとなどで、新しい仲間たちと出会う機会も多くなることでしょう。
 「今度のクラスで友だちできるかな……」「ダンス教室の〇〇ちゃんともっと仲良くなりたいな……」といった、不安や期待で胸がドキドキの新学期、少女たちの友だちづくりを応援するふろくを紹介します。

 「氏名・住所・勤務先・身分などを印刷した長方形の小形の紙札(デジタル大辞泉)」である名刺。初対面の相手と交換することで、自分のことを覚えてもらうと同時に今後のコミュニケーションを円滑に行うためのツールです。
 1970年代、少女たちに向けたふろくにも、名刺とカードケース、アドレス帳の3点セット「大流行! デラックスお名前カードセット(なかよし 1970年1月号)」が登場します。
 「いま日本じゅうの少女のあいだで、名刺をもつことが大流行。だいすきなお友だちに、あなたのおなまえ、住所、電話番号を書いてさしあげてね」という説明のとおり、大人の間で主にビジネスシーンに使われていた名刺を、少女たちの自己紹介でも交換する習慣がこの頃からはじまっていました。
 1960年代までは、ふろくの“おなまえカード”といえば、個人的に使う名前シールや名札だったのですが(36.少女とふろくの歳時記 新学期お役立ちグッズ 参照)、1970年代からは「ネームカードで自分を売りこまなくちゃ、お友だちやBFはできないわ」とコピーにあるように、友だちとのコミュニケーションツールとして使う名刺へと変化したのです。
 この当時は、「プチ・ネームカード(なかよし 1972年4月号)」「ミニ・ネームカード&ネームカード入れ(なかよし 1974年11月号)」「新学期ミニ・カード(なかよし 1975年4月号)」「ペットちゃんのネームカード(なかよし 1976年10月号)」「田渕由美子のスイートカード(りぼん 1976年1月号)」「キノコキノコの名刺カード(りぼん 1977年1月号)」「佐藤真樹のネームカード(りぼん 1977年11月号)」「野口弓子のネーム・カード(りぼん 1979年4月号)」など4月以外にもふろくになっていて、少女たちの間で流行していたことが見てとれます。
 また、「おしゃれなレディのファッションめいし」「もってるとおとなの気分。ちょっと気どって…」といったコピーからも、お仕事してる大人みたいな、オシャレでカッコイイ“オトナ気分”を自分の名刺を持つことで味わいたいという、少女たちの“大人がすることへの憧れ”が伝わってくるようです。

 その後、名刺は1980年代半ばごろから新学期の自己紹介用ツールとして定着し、その時期にあたる4・5月号の定番ふろくになりました。

 1990年代後半からは、「ヘリタコぷーちゃん よろしくカードケース(ちゃお 1996年4月号)」「わんころべえ ネームカードケース(なかよし 1999年4月号)」といった組み立て式の名刺ケースや、名刺として使えるメモパッド「みい子&ぷーちゃん めいしメモパッド(ちゃお 1996年4月号)」も登場します。
 折りたたみレター型の「ワーキング娘。 ひとことレター名刺(なかよし 2000年4月号)」や、はってはがせるシールタイプの「みるくSHAKE! 新学期名刺シール(なかよし 2001年4月号)」など、遊び心と実用性もプラスされ、より気軽に楽しく使えるようになりました。
 こうして、少女たちの生活にもすっかり溶け込んだ名刺。友だちづくりの秘密兵器として、仲良くなりたい子にどんどん渡しちゃいましょう。

 そして、新世紀が始まって10年が経ったころ、新学期の友だちづくりふろくは新たな展開を迎えることとなります。
 “就活”や“婚活”など、ある目的を達成するための活動を“〇活”と略して言う風潮が広まっていますが、2012年ごろから『なかよし』『りぼん』『ちゃお』の誌面やふろくに、“友活〈トモカツ〉”という言葉が登場するようになりました。
 『りぼん』によると、“友活〈トモカツ〉”とは「新しい友だちを作ったり、フツーの友だちを大親友にするために活動するコト」だそう。2012年の4・5月号の2か月連続で、「りぼんで友活〈トモカツ〉はじめよう♪」をキャッチフレーズに、少女たちの新学期の“友活〈トモカツ〉”を完全バックアップするふろくを届けます。 

 まずは、プロフ帳とわけっこシール、ミニレターセットの「新友〈しんゆう〉☆コレクション3点セット(りぼん 2012年4月号)」で、新しい友だち“新友〈しんゆう〉”を作るための活動をサポートします。
 このセットのメインはプロフ帳(34.少女とふろくの歳時記 卒業・思い出づくり  参照)です。友活ステップの説明に「きっかけを作ろー! 新友を作るには、まず話すこと! プロフシートをわたして話すきっかけに♪」とあるとおり、まさに卒業時の思い出づくりだけではなく、新学期の友だちづくりのきっかけという役割も果たすことに。
 新学期のプロフ帳は、「Ciao〈ちゃお〉きせかえプロフ帳(ちゃお 2012年5月号)」もふろくに登場しています。
 次は、カギ付きこうかんノートとふせん、カプセルシールの「絆★コレクション3点セット(りぼん 2012年5月号)」で、仲良しグループがもっと深く結びつけて“心友〈しんゆう〉”になれちゃいます。メインのこうかんノートのカギは4つもついていて、4人までのグループならメンバー全員が持てます。見られたくないグループだけのナイショ話も安心してできるから、これまでよりもっと本音も言い合える仲になれそうです。

 「ちゃおキャラ どでかミラーつき友活メモセット(ちゃお 2013年5月号)」は、イラストや使い道などバラエティに富んだメモを交換することで、友だちとのキズナを結んじゃおうという友活ふろくです。ケースにミラーがついていて身だしなみもチェックできちゃうところが、オシャレに気を使う少女たちに向けたものならではでしょう。

 そして、「最強メガ盛り友活セット(なかよし 2014年5月号)」は、クラス替えプロフ名刺、友活ステッカーシール、名刺パスケースの3点セットです。スタンダードな長方形の名刺だけなく、キャンディやアイス、クマなどかわいさアップの形をしたものや、クリアタイプのものまで40枚も入っています。1970年代の「おなまえカードセット」を新世紀版にバージョンアップといったところでしょうか。「クラ友も、塾友も、おけいこごと友も、なかよしがみんなの友活を成功させちゃう!!」と説明にあるように、学校の外にも友活の対象を広げているところが、幅広い世界を持っているイマドキの少女らしいふろくです。

 人との絆、つながりの大切さを再認識させられた時期に現れた“友活〈トモカツ〉”という言葉と、それを応援するふろくたち。
 少女たちの新学期とこれからの日々が、ふろくを使うことで、さらに明るく楽しいものになれば何よりですね。

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