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2015年11月14日 (土)

いいコトしたら、シールをペタッ☆

 「ノストラダムスの大予言」で地球に何かが起こると言われ続けてきた1999年、東京・渋谷の女子高校生の間で、ある願かけグッズが話題になりました。一見日本のパスポートに似たデザインで、ピンクや青、緑などの色をしたカラフルな手帳のようなもの。

 この「ヘブンズパスポート」は、パスポートとシール、天国へのパスカードの3点セット。まず、かなえたい願いごとを1つ決めます。そして、“いいコト”を1つするごとにイラストのピースになっている付属のシールを1枚ずつパスポートに貼っていきます。シールを100枚貼るとパスポートの3つのイラストが完成し、そのパスポートと天国へのパスカードをいつも大事に持ち歩いていると願いごとがかなうとのこと。すなわち、「“いいコト”を100回すると願いごとが1つかなうよ」という願かけです。

 1998年の発売以来口コミで広がり、翌年メディアで取り上げられたことで人気に火がつきました。“いいコト”というのは、世の中のためになることだけではなく、あくまでも自分が“いいコト”と思ったことでOK。「早起きした」「学校へちゃんと行った」や「笑顔で過ごせた」だって、れっきとした“いいコト”なのです。「善行を積めば、良いことになって自分に還ってくる」ということを、ゲーム感覚で気軽に楽しめる点でも彼女たちの心をつかんだのでしょう。

 そして、年少の少女たちにも、この“いいコト”願かけに参加できるようなふろくが届けられました。

 写真左:ハッピー・パスポート シール&ストックブック(ちゃお 平成12年1月号)
 写真右:ヘブンズパスポート

 20世紀最後の年となる、2000年の幕開けに登場した「ハッピー・パスポート シール&ストックブック」は、ミニ6穴手帳にとじられるサイズのパスポートとシールのセット。かわいいイラストが描かれた絵本仕立てになっています。「ヘブンズパスポート」同様、まずかなえたい願いごとを決め、毎日何か“いいコト”があるたびにシールを1枚ずつ貼っていき、絵本の9つの場面を完成させます。完成したパスポートを大切に持ち歩くと、絵本が願いごとをかなえてくれるとのこと。“いいコト”が自発的なものだけでなく受動的なものでもよい点や、貼るシールの数が9つだけでよい点に、飽きっぽい子どもにも最後まで参加してほしいという心配りを感じさせます。

 どちらのパスポートにも、ピラミッド・パワーでの願かけ(ピラミッド・パワーにおねがい☆参照)にあったように、「悪い願いごとはダメ」「本当に願いがかなうと信じて強く願う」という注意書きがされています。「願望を強く願う→自分の願望を自覚する→願望を実現させたいという気持ちが強くなる→願望実現のために行動を起こす」という、願望実現のためのステップを、このパスポートを使って“いいコト”願かけに参加することで自然と踏んでいるのです。なので悪いことを願うのは、その方向へ行動を起こしてしまうので、良くないことなのでしょう。

 「願いがかなったよ」というおたよりが、ふろくコーナーには見当たらなかったため、実際に少女たちがこのパスポートで願いをかなえられたのかどうかはわかりません。しかし、「席を譲りたいけど断られたらどうしよう」「この落とし物、交番に届けたほうがいいのかな、でも探しに戻ってくるかもしれないし」「あの子たちうるさいけど、注意したら逆ギレされそう」など、何をすれば正しいのかが曖昧な、不安定で不透明なこの世紀末に、このパスポートはきっと、“いいコト”をすることにためらいがちな若者の背中を押してくれたのではないでしょうか。

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