« ふろくの花園 23.新世紀のふろくの花園 (1)ホンモノがふろくに!? | トップページ | いいコトしたら、シールをペタッ☆ »

2015年10月22日 (木)

ピラミッド・パワーにおねがい☆

 「かわいくなりたい」「友だちがいっぱいほしい」「〇〇くんと仲良くなりたい」「テストでいい点がとりたい」「□□ランドに行きたい」「新発売の△△がほしい」などなど、少女たちの願いごとは尽きることがありません。
 そんな、かなえてほしいいろんなことを、神秘の力を使ってお願いしてみましょう。

 古代エジプト王・ファラオの墓としてつくられたピラミッド。世界七不思議の一つであるピラミッドには、文字どおり不思議なパワーが隠されていると伝えられてきました。
 1900年代のいつごろか年代はハッキリしていないのですが、フランス人のボビーはピラミッド見物に訪れた際、暑さに疲れて入った王の石室で、迷い込んで死んだとみられるネコや小動物を発見しました。室内の異常な湿っぽさにもかかわらず、それらの死骸が腐敗せずミイラ化しているのを見て、ピラミッドの形が物質の腐敗を防ぎ、脱水・ミイラ化を行う何らかの力を持っているのではないかと考えます。帰国後ボビーは小型のピラミッドの模型をつくり、中に死んだネコや腐敗しやすいものを入れて実験を行い、予想通りの結果を得ることに成功したのです。これがピラミッドの不思議なパワーを最初に証明した例といわれています。
 ボビーの研究を知ったチェコスロバキア(当時)のカール・ドラバルは、同様の実験を行ったほか、数回使用したカミソリの刃をピラミッド模型の中に置くことで、新品同様の切れ味に再生できることを発見しました。ドラバルはカミソリの刃を鋭くする道具として厚紙製のピラミッドを製品化し、1949年に特許申請を行います。10年という紆余曲折の申請期間を経て、1959年にこの「ケオプス・ピラミッド型カミソリ刃再生装置」はチェコスロバキア特許庁より認可を受けたのです。
 ピラミッドが持つ不思議なパワーの存在が政府機関により認められたことで、この“ピラミッド・パワー”への関心度は世界中で高まり、様々な国で研究が行われるようになりました。特に、すべてを科学的に割り切るといわれているアメリカでさえも、若い世代を中心としたブームが巻き起こります。
 日本でも、昭和50年代の始めごろからTV番組や若者向けの雑誌で取り上げられるようになりました。ドライフラワーがつくれる、牛乳からチーズやヨーグルトがつくれる、切り花が長持ちする、お酒やタバコ、オレンジジュースの味がまろやかになるなどの防腐・脱水・味の変化の実験のほか、ピラミッドの中に入って瞑想をしたり、小さいピラミッドを頭にのせてパワーを注入するなど、心身への効果についての実験も行われます。著名人も多数興味を持ち、実践するほどの注目度でした。
 しかし、科学者たちの研究にもかかわらず、“ピラミッド・パワー”の正体はいまだに解明されていないのです。でも、謎のままだからこそ、人々はその神秘の力に願いを託してみたくなるのでしょう。

 そんな神秘の“ピラミッド・パワー”を使ったおまじないセットがふろくに登場しました。

 ひうらさとるの月下美人〈ムーンライトシンデレラ〉 おまじないピラミッド(なかよし 平成元年11月号)

 「これはスゴイ! 神秘のピラミッドパワーで願いごとがかなっちゃう!? マスコットをピラミッドにぶらさげておくとふしぎなパワーが集まって……」のコピーどおり、透明素材でできた底辺が6センチ四方の組み立て式ピラミッドと、リリアンひもをとおしたマスコット、解説書の3点セット。ひうらさとる先生のイラストもかわいくて、おまじないをしなくても、お部屋のすてきなアクセサリーとして使えそうです。
 基本的な使い方は、まずピラミッドを組み立ててマスコットを中につるします。次に、ピラミッドの底にかいてある、Eを東、Wを西、Sを南、Nを北に向けて机の上などに置き願いごとをします。一晩たつと、マスコットにパワーが吸収されておまもりになるというもの。方角をきちんと合わせて置かなければならないところがなかなか本格的です。
 実践編として、パワーが吸収されたマスコットを成績アップしたい科目の教科書にはさみ、テストのときそのマスコットをもっていると実力を発揮できたり、パワーが吸収されたマスコットを好きな人の名前を書いた赤い紙につつんで持っていると、カレがふりむいてくれたりと、少女たちの心をくすぐるおまじないの連発です。
 さらに、ピラミッドパワーを直接体にうけ、気持ちをやわらげ、集中力をつけるおまじないとして、正座をして組み立てたピラミッドを頭の上にのせ、全身から力を抜くというものも。頭のてっぺんから、ピラミッドパワーが体にはいってくるのがわかるとのこと。人によっては、超能力を身につけることもできるそうで、ここまでくるともう、試してみたくなりますよね。

 解説書には「ピラミッドパワーは神秘の力です。人をおとしいれようとすると、逆にあなたが困ることになります。そういった願いごとは絶対にやめましょう」と、悪いことを願ってはダメという注意書きがきちんとされているところに教育的配慮も感じさせます。

 このころは、昭和60年ごろにラジオ番組で取り上げられ、ピラミッド・パワーを超えるパワーを持つといわれた六芒星マーク「ヒランヤ」や、昭和63年ごろからTV番組で人気になったMr.マリックの超魔術「ハンドパワー」などの不思議なパワーが続々と話題がなりました。“昭和から平成へ”という時代の大きな変化を目の当たりにしたり、これから世紀末を迎えるようになることで、謎や神秘的なものが心情的にフィットする時期だったからこそ、この“ピラミッド・パワー”のおまじないがふろくになったのかもしれません。

 「いつもより早く本屋さんにダッシュしたわけは、このおまじないピラミッドがほしかったから。だって、どうしてもお願いしたいことがあったんだもん。片思いのカレのことなんだけど、ピラミッドパワーで、カレがふりむいてくれないかしら…」
 読者からはこんなおたよりが届きました。
 果たして、“ピラミッド・パワー”で彼女の願いはかなえられたのでしょうか……

〈参考文献〉
『ピラミッドパワーを発見した あなたに奇跡が起こる本』マックス・トス、グレッグ・ニールセン KKベストセラーズ 1978年
『ピラミッド・パワー 謎の宇宙エネルギー』中岡俊哉 二見書房 1978年

« ふろくの花園 23.新世紀のふろくの花園 (1)ホンモノがふろくに!? | トップページ | いいコトしたら、シールをペタッ☆ »

平成元年~20世紀末の花園」カテゴリの記事

管理人プロフィール

まぼろしチャンネル

  • powered by.

    ...トップページへ移動
無料ブログはココログ