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2015年8月14日 (金)

ふろくでファイト!

 昭和60年代を迎えるころ、“女子プロレス”が再び少女たちを熱狂させました。昭和51~53年ごろに大ブームを巻き起こした「ビューティ・ペア」以来、試合会場は若い女性ファンで埋め尽くされ、ゴールデンタイムにテレビ放送されるほどの人気となったのです。

 そのブームの中心は、ライオネス飛鳥と長与千種のコンビ「クラッシュ・ギャルズ」。昭和58年に結成され、翌59年には「ビューティ・ペア」同様レコードデビューもしています。昭和60年にはブームがさらに加速し、正義のヒロイン「クラッシュ・ギャルズ」と悪役グループ「極悪同盟」(ダンプ松本、ブル中野ほか)+悪徳レフェリー・阿部四郎との闘いは、大きな見どころとなりました。

 そんな女子プロレスの熱いファイトを疑似体験できるふろくが登場します。

 クラッシュ対極悪同盟 レスリングゲーム(なかよし 昭和61年3月号)


 13cm四方の厚紙に穴が2つあいていて、「クラッシュ・ギャルズ」と「極悪同盟」との試合を『なかよし』連載漫画のキャラクターが応援しているというデザインです。ウラには2組のプロフィールも書かれてあって、女子プロレスを知らない子への心配りもなされています。「思わず燃えあがっちゃうオモシロさ。お友だちとあなたの親指を穴に入れて、相手の親指をおさえこむの。十秒おさえこむと勝ちなど、ルールをきめてやってみましょう!」「親指を穴に入れて、相手の親指をおさえこんだほうが勝ち。お友だちと勝負!」という説明どおり、指ずもうで女子プロレス気分を味わってみようというふろくです。少女たちからは「おねえちゃんとおかしのとりあいになっちゃったとき、これで勝負! テレビでプロレス見てるときみたいに燃えちゃった」というおたよりも届き、ふろくでも熱いファイトを楽しんでいたようです。

 美しさや華やかさだけでなく、“強さ”や“カッコよさ”も少女たちの憧れの対象となることは、かつての「ビューティ・ペア」ブームからも見てとることができます。ただ、「クラッシュ・ギャルズ」がブームとなった昭和60年ごろは、男女雇用機会均等法が制定・施行されるなど、女性も男性と同等に社会の中で戦っていかなければ、女性も強くなければという時代を迎えつつありました。そんな時期に“女子プロレス”が女性の人気を集めたのは、強さやカッコよさへの憧れにプラスして、戦う女性への共感もあったからではないでしょうか。

〈参考文献〉
『女子プロレス60年史』(株)ベースボール・マガジン社 2014年
『週刊昭和タイムス 22号』(株)ディアゴスティーニ・ジャパン 2008年

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