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2015年8月31日 (月)

おとめチック☆キューブ・パズル

 昭和50年代後半、大人も子どももみんな、立方体をした謎のパズルを手に持って、カチャカチャカチャカチャとひねり回していました。ハンガリーのエルノー・ルービック教授が昭和53年に考案し、昭和55年7月25日に日本で発売された「ルービックキューブ」は、1つの面が3×3の正方形ブロックになった立方体で、それぞれの面に白、赤、黄、緑、オレンジ、青の6色がついており、カチャカチャと縦横にひねり回して動かすことができます。その立方体の6面の色がそろっているものを一度崩して、元に戻すというパズルなのですが、なかなかの難易度にもかかわらず初年度に400万個を売り上げ、その後も販売数量が激増するという爆発的な人気で、日本中に“キューブ・フィーバー”ともいえる大ブームを巻き起こしました。

 友だちとの間で、「完全な1面できた!」「6面そろった?」といった言い回しがあいさつ代わりになっていたり、ガチャガチャで当たりとして出てくる“虎の巻”をようやく手に入れて、6面をそろえられる手順を一生懸命覚えたりしたものです。さらに、「ルービックキューブ」は分解することができるため、最終手段としてブロックを全部はずしてバラバラにし、色をそろえて組み立てなおすという力技を繰り出す子も現れました。子どもなりにいろいろな手段を駆使して、憧れの6面を完成させようとしていたのですね。

 そんな“キューブ・フィーバー”の中、登場したのが

 空くん マジック・キューブ(りぼん 昭和56年8月号)です。

 立方体に組み立てた4つの小箱を台にセットして、3側面とも同じ色にそろえたり、4色の色違いになるように並べたり、キャラクターの表情や持ち物などの絵柄でそろえたりと、全部で10通り以上のキューブ遊びが楽しめます。こちらは「キューブ4」という、昭和54年ごろに発売された、立方体の6面を4色に塗った立体4個を柱状に並べて、その4側面とも4色の色違いになるように並べるキューブ・パズルをモデルにしているようです。

 さすがに「ルービックキューブ」と同じ形のものはふろくにならなかったのですが、子どもたちに人気の市販品〈ホンモノ〉を“紙”を使って再現したふろくの一つといえるでしょう。

 また、「遊びの後は、4つのプチ小物入れに早変わり。宝物をしまってね」の説明もあり、小物入れや机の上のアクセサリーとして飾るという実用的な使い方も提案されているところに、少女向けのふろくらしさが感じられます。

 おとめチックの魔法がかかると、人気のキューブ・パズルもただ遊ぶだけのものではなく、かわいい小物入れという、お部屋に飾れて使えるインテリアグッズに変身してしまうのです。

〈参考文献〉
『昭和時代の傑作玩具たち』Quanto10月号増刊 株式会社ネコ・パブリッシング 2003年
『週刊昭和タイムズ 12号』株式会社ディアゴスティーニ・ジャパン 2008年

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